ラガヴーリン 9年 ゲームオブスローンズ ラニスター 46%
LAGAVULIN
AGED 9 YEARS
GAME OF THRONES
HOUSE LANNISTER
700ml 46%
グラス:木村硝子テイスティング
時期:開封直後
評価:★★★★★★(5ー6)
香り:スモーキーでフレッシュなピート香、土っぽさと若干の焦げ感を伴う。ヨードと塩素、仄かにシャープな刺激。シトラスのような爽やかな柑橘っぽさも混じってくる。
味:緩く少し水っぽさのある口当たり。じわじわとスパイシーでオイリーな質感に代わり、香り同様焦げ感のあるピート、ジャーキーの塩気のある旨味エキス、黒土やスモーキーな香りが鼻孔に届いてくる。
余韻はスパイシーでオールブランのようなほろ苦さが長く続く。
香りはフレッシュさとヨードのニュアンスのある、整ったアイラモルトという印象だが、度数に反して味が若干薄く、水っぽさを感じる点が少々物足りない。万人向けとしては、ちょうど良いのかもしれないが・・・。
一方この手の緩いタイプは加水するとバランスが崩れるかと思いきや、少量加水ならむしろ延びる。野暮ったさが消えて洗練されたような印象すらあり、酒質の持つ力を実感させられる。
アメリカを中心として主要各国で大ヒットした長編TVドラマ”ゲームオブスローンズ”と、ディアジオがタイアップして昨年11月にリリースしたリミテッドエディション。
蒸留所選定の経緯はわかりませんが、ドラマのストーリーに登場する7つの王国と、キーパーソンを加えた8種類のシングルモルト+限定のジョニーウォーカー1種類、計9銘柄がリリースされていて、さながら現代の花と動物シリーズのようです。
ラインナップは近年のリミテッドではお馴染みの銘柄に加え、人気のクライヌリッシュ以外にカーデュー、グレンダランと渋いところもあり、ドラマを見ていない自分も全種揃えてしまいたくなるようなラインナップです。
一方で今回のリリースは、全てがオリジナルというわけではなく、オフィシャルのラベル違いというボトルも含まれているようです。
それこそ渋いところ銘柄であるカーデューとグレンダラン、そしてダルウィニーがどうもそれっぽく。一方でラガヴーリンにはそもそも9年熟成品はありませんし、クライヌリッシュも通常リリースにはない50%オーバーのハイプルーフ仕様となっていて、この2本はゲームオブスローンズコレクション向けオリジナルボトル確定のようです。
後は見た目で判断が難しいのがロイヤルロッホナガーとタリスカー。タリスカーはラインナップが豊富なのでどれが使われているのか判らず、またロッホナガーの12年で100ドルというのは。。。ラインナップに近い価格帯のリリースが見当たりません。ただUKAmazonでは40ポンドしないようなので、やはり中身はオフィシャル12年か。
また以下のオーバン・ベイ・リザーブは順当に考えるとリトルベイなのですが、樽が若干強いというか、飲んだ印象は微妙に違うようにも感じます。まあラベルがカッコいいのでそれだけで大正義なんですけどね(笑)。
思わず疑心暗鬼になるようなシリーズではありますが、むしろそれを楽しむのも一興ですし、オリジナルとラベル違いという整理が、実際のドラマと関係があるのかあれこれ考えるのも嗜好品としての楽しみ方だと思います。
同シリーズは日本国内だと価格は些か割高で。。。出張や旅行の際に免税店や現地ショップで好きな銘柄をお土産がわりに購入するのがオススメ。特にこだわりがないなら、クライヌリッシュとラガヴーリンですね。ラガヴーリンはテイスティングの通り飲み口柔らかい万人向けという印象ですが、クライヌリッシュもどこかで試してみたいです。価格から考えると、蒸留所限定のカスクストレングス系統だといいなあと。
なお日本には入ってきていませんが、ゲームオブスローンズブランドからは、ワインもリリースされています。こちらは税込み15$程度とさらにお手頃。お好きな方へのお土産は、ウイスキー以外を探してみても良いかもしれません。