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2018年08月

ウイスキー写真作品展企画のためのクラウドファンディング ~Why do you like whisk(e)y?~

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当ブログにウイスキー関連の写真を提供頂いているT.Ishiharaさんが、それらの写真を使った作品展を開催するためのクラウドファンディングを立ち上げました。
内々には今年の年始から動かれていた企画、いよいよ本格始動です。

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ウイスキー写真作品展企画のためのクラウドファンディング 
https://camp-fire.jp/projects/view/87198

Ishiharaさんはウイスキーに興味を持たれた後、ウイスキーだけで80以上(テキーラなどを合わせると100以上)の蒸留所を巡り、ただ飲むだけでなく、現地の空気や作り手の心を知ることに活動の重きを置いてきました。 
今回の作品展は、そうした活動の中でIshiharaさんがウイスキーに惚れこむ理由となった「同じウイスキーという名前でも、その土地や文化によって大きく異なる世界観」を伝えることをテーマとし、自分の作品を通じてもっとウイスキーを好きになってもらいたい、と言う想いが込められています。

そのため、作品展では単に蒸留所の写真を飾るだけでなく、ウイスキーを取り巻く環境や物語を紹介しつつ、そのウイスキーも同時に楽しめるように準備を進められています。
会場や日時は現在調整中で、23区内で12月中に開催。入場料は1000円程度を想定されているとのことで、ファンディングに参加していなくても来場することは可能。ウイスキーの方はオフィシャルのみならず、自身が所有するカスクサンプル、蒸留所限定のボトルなども提供できるように準備を進めているそうです。
流石に後者は物量に限りがあるので入場者全員分というワケには行かないでしょうけれど、まさに自身が感じたウイスキーの世界観を切り取って表現する"作品展"という企画になります。

インバーネス-エルギン間その1
グレンモーレンジ・ポットスチル
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(Ishiharaさんが撮影された写真の一部。ブログ記事用にまとめて提供頂いていますが、どれも雰囲気ありますね。しかし、猫かわいい、猫。)

Ishiharaさんとは今から約3年前にテイスティンググループを立ち上げたところからの繋がりで、以来何かとやり取りをすることが多くありました。
テイスティンググループでは蒸留所の写真や動画などを資料に、原酒の特徴、ハウススタイルを紹介されることも(下写真参照)。なんせウイスキープロフェッショナルの資格取得は勿論、新婚旅行は3回に分けてスコットランドを回っただけでなく、その後はバーボン、アイリッシュと各蒸留所を巡られていて、現地の知識は日本でも有数と言えます。
時には「訪問した蒸留所への愛」故に、喧々諤々とした議論になることもしばしば。。。それだけ真剣にウイスキーのことを見ている愛好家の一人だと感じています。

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(以前開催されたフォアローゼズを中心にバーボンを勉強する会。メインは蒸留所の写真や動画を使ったバーボン講座と、現地調達いただいた蒸留所限定のレシピ違いシングルバレル・プライベートセレクション。)

なおクラウドファンディングの募集開始は昨日8/17ですが、なんと1日経たず目標金額を達成!作品展の開催はすでに決定しています。
この記事の更新予約をして経過を見ていたものの、とてつもない勢いに文末を慌てて書き換えている次第。。。Ishiharaさんの人望と、企画そのものへの期待の大きさが伺えます。
ただ本音を言えば目標額の20万円を飛び越えて、数倍規模でのサクセスを達成して欲しい企画だと思っていたので、ここからがスタートライン。どこまで規模が大きくなるか、12月の開催が今から楽しみです。
皆様、引き続き応援よろしくお願いします!

カスクオブ白州 1989-2005 シェリーオーク 63% BAR無駄話にて

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THE CASK OF HAKUSYU
SHERRY CASK
Distilled 1989 Nov
Bottled 2005 Apr
Cask type Europian Oak Sherry Butt
700ml 63%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR 無駄話
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:パワフルで強く鼻腔を刺激する香り立ち。ベリーやレーズンの甘酸っぱさ、濃く入れた紅茶、合わせて香木のニュアンスを伴うウッディネス。徐々にこげたような苦味も伴う。

味:濃厚な口当たり。リッチなシェリー感で、カカオチョコレート、ドライクランベリー、焼き芋のこげた皮、じわじわとタンニン由来の渋みが支配的に。余韻はビターでドライ、多少の引っかかりはあるが、ダークフルーツケーキの甘みと鼻腔に抜けるドライフルーツのアロマ。ウッディーなタンニンと粘土質な癖を感じつつ長く続く。

約15年という熟成年数ゆえストレートでは少々やんちゃ、余韻にはピート由来か粘土のような癖があるものの、樽感は実に濃厚でパワフル。スパニッシュオークの香木系のニュアンスと、ジャパニーズらしい濃いウッディネスが特徴的。少量加水すると香味共に開きバランスが良くなる。あるいは葉巻を合わせてじっくりと楽しみたい。


白州でシェリーカスクと言えば数年前まで1年に1度リリースされていたオフィシャルのシングルモルトがありましたが、今回のボトルはその原型とも言えるシングルカスクリリース。
前者のリリースよりも、スパニッシュオークらしさのある香木香を伴う濃厚なウッディネスは、一見して白州というより山崎のそれと近い印象を受けるものの、酒質ベースのトーンの高さと粘土やゴムのような独特な癖がシェリー感の裏に潜んでおり、異なるキャラクターも感じます。

この手のシェリーカスクはストレートでは濃厚でウッディネスも強く、スムーズな飲み心地とは言い難い原酒ですが、この原酒がミズナラ原酒と合わせてサントリーのブレンドを作る上で必要不可欠なパーツ。近年不足しているが故に、響21年クラスの生産に影響が出ているんですよね・・・。(最近は蒸留所の有料試飲からも原酒がなくなったようですし。)

モノは4年熟成のスパニッシュオークシェリーカスクから厳選していたと聞きましたが、確かにこのクラスのシェリー樽をサントリーの生産規模に合わせて安定的に手に入れるのは難しいと言わざるを得ず。今後益々、気軽に飲めなくなるタイプのモルトなのかなと感じています。


さて、今日の更新はボトルだけでなく、飲んだ場所(BAR)紹介の二部構成。今回は茨城県下妻某所、個人宅に整えられたホームバーでテイスティングさせて頂きました。
先月、このBARの主である住谷さんからブログにコメントを頂き、メッセージをやりとりをする中で、だったらウチに遊びに来ませんかと、オトコのロマン溢れる空間"BAR 無駄話"にご招待頂いたのです。

BAR無駄話は、以前ウイスキーワールド誌に掲載されたり、FBのタイムラインでウイスキー仲間が投稿していたりで、存在は知っていました。
ただ言うて個人宅でしょと、気に留めていない部分があったのも事実なのですが、いざ訪問してみるとバーカウンターから椅子、棚、グラス、そしてそれとなく置かれている調度品の数々に至るまで、住谷さんが収集された一点モノが多数あり、その一つ一つがオーセンティックな雰囲気を作り出しているのです。(ニト○で買い集めるだけじゃ、こうはいかないんですよね。。。)

まさに玄人はだし。あるいは個人的な趣味だからこそできる、手間の掛け方とも言えます。
住谷さんは30年ほど前からウイスキーに開眼されており、特にジャパニーズウイスキーを中心に飲まれていたとのこと。当時のジャパニーズは不遇の時期です。写真のバックバーには写っていないセラーや収納スペースから、出てくる出てくる秘蔵ボトルの数々(笑)。
この特別な空間に、業界関係問わず友人、知人を招いて日々交流する。お世辞抜きに素晴らしい趣味だと思いますし、将来自分もこんな空間を持てたらいいなぁとか考えてしまいます。

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今回は雨上がりの夕方から、テラスで軽食をハイボールとともに。そしてその後はホームバーでじっくりと秘蔵のウイスキーを楽しむ。大変充実した1日となりました。
そして宴は1夜を挟んで翌日まで続くのですが。。。それはまた後日の更新で。
       

ストラスアイラ 35年 1986年リリース 200周年記念ボトル 43%

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STRATHISLA
Years 35 old
Bi-centenary Release 1986
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:KuMC
評価:★★★★★★★★★(9)

香り:スモーキーでピーティー、燻した麦芽と甘いバニラ香、チョコウェハースやキャラメリゼ、徐々に生チョコレートのような甘み。奥にはドライアプリコットやオレンジピール。古びたウェアハウスを思わせる落ち着いたウッディネス。ゾクゾクするような妖艶なアロマ。

味:マイルドな口当たりだが、ボディの芯はしっかりとしている。香り同様に存在感のある燻した麦芽のピーティーなニュアンスに加え、キャラメルプディング、土っぽさとヘザー。余韻は心地よくドライ、ビターな内陸系のピートフレーバーが強く感じられ、染み込むように長く続く。

麦とピート、そして熟成したモルトのまろやかさ。しっかりとスモーキーでオールドスタイルのストラスアイラの魅力がこれでもかと詰まった1本。樽はプレーンオーク系で、適度に感じられる程度であり、酒質の引き立て役に徹している。スコッチとして求める今は無きスペイサイドのスタイルの一つ。間違いなく感動できるモルト。

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ストラスアイラ蒸留所、創業200周年記念リリース。もはや解説は不要というレベルで文句無く伝説級のモルトです。
自分が飲み始めた頃は、なんだかんだ飲む機会の多かったボトルでしたが最近は疎遠気味。久々に飲みましたが、樽感を底支えにしてあくまで主役は麦とピートという構成に加え、加水と熟成で整った飲み口から、オールドらしく厚みのあるボディと妖艶なアロマが大きなスケールをもって展開してきます。

単純に逆算すると蒸留時期は1950年、1951年ということになるのですが、間違いなくそれ以前の原酒が使われていると思います。
ただし1940年代は第二次世界大戦の影響から多くの蒸留所で生産に影響が出た時期であることや、このスモーキーさと麦由来の風味の強さから、40年代の前半を飛び越えて1930年代の原酒まで使われているのではないかと。それこそ、以前テイスティングさせていただいた1937年のGMストラスアイラに近いニュアンスがあったようにも。。。

現行品のストラスアイラからは失われてしまった、このフレーバー。もはや別世界の代物と言えばそうなのですが、改めて飲むと自分がウイスキーに求めているのはこの味わいなんだなと感じさせてくれます。
カウンターでただただ幸せを満喫させてもらいました。OJさん、ありがとうございます!

ちなみに・・・一つカミングアウトすると、あれは今から7年前くらいですか。ウイスキー仲間からのブラインドでこのボトルをジョニーウォーカーの60年代と答えたのは中々恥ずかしい思い出です。古酒っぽさと、オールドピートの強さをメインに感じてしまったのでしょう。今飲んだらもうちょっとマトモな回答が出来ると・・・いいなぁ(笑)。

わしが國 大吟醸 雫搾り 斗瓶取り 2018 山和酒造店

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山和酒造 わしが國 
大吟醸 雫搾り 斗瓶取り
使用米:山田錦100%(精米歩合40%)
製造年月:H30.6
720ml 16%

綺麗で繊細な香り立ち。和梨やメロンを思わせる吟醸香には嫌味が無く、口当たりも柔らかくマイルド。程よい酸があり、すっきりとした余韻へと繋がる。
何も無いがあるというか、日本酒という特徴はありながら実に自然に飲めてしまう嫌味のなさで、杯を重ねても負担に感じない。
ウイスキーに例えるなら、まるでバランタイン30年のような・・・。


ウイスキー仲間主催、日本酒会のお土産品。宮城県は山和酒造店の地元向け銘柄「わしが國」、そのコンクール向け本気仕込みの1本なのだとか。

例によって記事にする上で調べてみると、確かに世界最大の日本酒品評会SAKE COMPETITION 2018で金賞を受賞されたとか、吟醸部門で8位だったとか、全体の出品数が1700本以上だった中でそれだけ上位に選ばれるお酒というのですから、このバランスの良さと丁寧な仕上がりが蔵元の目指す方向性にして、本気ということなのだと思います。

実際、販売店などで山和酒造の酒は何口でも飲めることや、食中酒としてもPRが散見されます。
またこの暑い真夏日、熱帯夜であっても冷酒でスイスイ飲めてしまう口当たりの良さ。それでいて、単に酒の味がしない水のようなアルコールってワケでもないのもポイントで、上品な吟醸香と適度な米の旨味が日本酒であることを感じさせてくれます。
こういう透明感というか、整った味わいはウイスキーで例えるならバランタイン。それも現行品の30年のイメージが頭に浮かびました。勿論味が似ているというわけではなく、あれも上品な華やかさで透明感があって・・・そして負担の無い味わいが同じ方向性であり、プロの仕事を感じさせてくれるのです。


そんなわけで、今回は勿論食中酒として楽しませて貰います。オードブルと刺身、どれとも合うまさに万能系の日本酒ですね!

バランタイン 17年 1970年代流通 角瓶 43%

カテゴリ:
BALLANTINE'S
17 Years old
1970's Square bottle
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅@サンプル Bar 1 two 3
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)(!)

香り:どっしりと土っぽいピート香と、パッションフルーツや林檎が熟したようなトロピカル要素を含むフルーティーなアロマ。スワリングしていると軽く瓜のような青い甘みも感じられるが、合わせてスモーキーでオールドモルトのニュアンスが前面に出ている。

味:スムーズだがモルティーでナッツと麦芽、林檎の蜜、ほのかにオールドシェリーのニュアンスも伴いつつ、じわじわとピートフレーバーが存在感を増す。
余韻はビターでドライ、やや軽めであるがスモーキーさが長く続く。

60年代を思わせるトロピカルな要素、熟した果実が発散させるような妖艶さが香りに感じられ、ゾクゾクする。味わいもモルティでスモーキー。古典的な麦感由来の要素を多分に感じさせる点が好印象。一方余韻にかけてのドライさが強くこれが徐々に蓄積してくる。


これほどのフルーティーさを持つバランタイン17年には出会ったことがありません。衝撃的なロットを体験させてもらいました。 
味か香りかで言えば、香りだけで御飯三杯系。熟成した60年代モルトのトロピカル香に、オールドアイラのピーティーな要素が加わったとんでもないブレンデッド。他方、余韻の香味がドライで強く残らないあたりに、長熟原酒が使われながらもブレンドらしい特徴として感じられます。

バランタイン17年はデキャンタなどの特別仕様を除き、通常はグリーントールのボトルです。それが1970年代の青赤紋章時代の一時期、ボトルが足りなくなったのか12年仕様の角瓶でリリースされたロットがありました。
今回のボトルはそのうちの一つ。ラベルはFINEST BLENDED表記と、VERY OLD表記の2種類があり、日本国内市場でも並行品、正規品含めてポツポツ見かけます。
この角瓶、過去に飲んだものはグリーントール17年のフルーティー系統という印象だったのですが。。。先日、FBのウイスキー関連グループに、新安城のbar 1 two 3のバーマンMさんが17年角瓶が凄いトロピカルだという投稿をされていたのです。

これまでの経験から、正直トロピカルって言ってもフルーティーなだけちゃいます?と半信半疑だったところ、「飲んでみます?○○さんにサンプル渡しておきましたから」と、疑問があるなら飲んでみろとばかりに男気溢れるサンプルが、共通の知人ヅテで手元に届いたワケです。
結果は上記の通りで、自分の見識の浅さを認めるしかありません。何せ本当に1960年代の一部モルトに感じられる正真正銘のトロピカル香が備わっていたのですから。

なぜバランタインにこんな香りがあるのか。そもそもオールドブレンデッドでこれという前例が思いつかないので、既に謎は深くあります。
このバランタインの流通時期は1970年代中頃で、それも数年程度だと思うのですが、仮に1977年あたりのロットとして該当する原酒は若くても1959、1960年。ビンテージ的にはロングモーンなどで類似のトロピカル感がありましたが、当時の主要原酒たる7柱でこの手のフルーティーさを出す蒸留所がパッと思いつきません。
あるとすればグレンバーギー。。。ミルトンダフ。。。本当に、一体何が使われたのか。オールドのロット差の幅は魅力であり、可能性であり、そして怖さを実感した貴重な経験でした。

補足:BAR 1two 3さんは、BAR NAVIのページを見る限りあまりオールド系のお店という感じではないのですが、実はマスターは沼にどっぷりで、日々ボトルを探されたり、先日はオールドのイベントを開催されたりと、ラインナップは随分替わっているようです。
本来は疑問を感じたならばこちらから伺わなければならないところ。また一つ愛知に宿題が出来てしまいました。

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