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2017年05月

レジェンド オブ キューバンラム Pre1962 2016年リリース 45%

カテゴリ:
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LEGEND OF CUBAN RUM 
Pre 1962 Solera "Valdespino" 
Lot 2016 
700ml 45% 

グラス:リーデルコニャックテイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★(5)

香り:サルファリーさを伴う黒糖系の甘いアロマ。焦げたトースト、ハッカのキャンディ、植物感、オールドカナディアンのような古酒のニュアンスも感じる。時間経過でスパイスを伴うウッディネス。

味:とろりと甘く濃厚な口当たり。あわせて軽いゴムっぽさ、硫黄香が鼻腔に抜ける。焦げたカラメルソース、アロエやサトウキビの植物感、微かにレーズン。余韻はトフィーを思わせるベタつきのある濃厚な甘み。サルファリーなニュアンスが苦味となって非常に長く続く。

長期熟成原酒がベースにあるため、香り立ち、口当たりはまろやかでリッチな香味があるが、シェリー樽由来の濃厚な甘さ、グレーンウイスキーに共通する穀物や植物っぽいニュアンス、そして硫黄。判りやすくはっきりとした味わいはB級グルメというか、なんともくどさを感じる味付け。確実に好みが分かれる。

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キューバ革命よりも前の時代、1940年から1950年代にキューバで蒸留されたラムの古酒をベースに作られているのが、このレジェンドオブキューバンラムです。
1950年以前の原酒とされながら、ラベル表記は1962年よりも前を示すPre 1962。キューバ革命とするなら1959年あたりが一般的ですが・・・同年はキューバ危機として海上封鎖も行われた年ですから、「この時期よりも前」とするのにちょうど良かったのでしょうか。
国内のリリース時期は毎年年末頃で、ファンにとっては毎年の楽しみでもあるようです。

原酒の所有者は、シェリー酒の超名門ボデガであるバルデスピノ社。前オーナーであるミゲル社長は、門外不出の逸品として製品化に後ろ向きであり、ゲストへの振る舞い酒として使っていたようです。
その後、1999年のボデガの売却でオーナーが変わり、ついに日の目を見ることとなったのは、今から10年ほど前のこと。同社が所有していたのは、半世紀を越える熟成を経た超古酒となるキューバ産ラム2樽。そんな貴重な原酒がなぜ毎年リリースされるのかというと、所謂ソレラシステムで作られているため、抜いた分だけ新しい原酒を継ぎ足しているから。純粋に1962年以前の原酒だけで構成されているわけではないと考えられます。 

実際、レジェンドオブキューバンラムは、ロット毎に味が変わるようです。
自分はこの銘柄をこれまで飲んだことが無かったのでロット毎の違いは体験していませんが、以前はフルーティーさとラム系の植物感、熟成原酒の舌触りで絶妙なバランスだったとのこと。ここ数年はかなり甘口に振れてきたと言う声もあります。
甘みや硫黄を含むシェリー感が濃くなっているという点については、新たに買い付けてきたラムを同社のシェリー樽で熟成させてからレジェンドオブキューバンラムのソレラに加えているのではないかと推察。
それこそ、今回テイスティングした2016年ロットは、濃厚な甘さに加えてサルファリーな香味も備わっており、好みが分かれる分岐点をいくつも持っているという印象。ラム独特のフレーバーはある種の個性でもあるため、合う合わないはさておき、例えば硫黄耐性があり、グレーンウイスキーを好んで飲める人ならストライクゾーンになりそうです。(自分は苦手とする部類でした。。。) 

さて、キューバといえば葉巻です。レジェンドオブキューバンラム2016年ロットの濃厚な甘みは、葉巻とあわせるには好都合。キューバ革命前の原酒が一部でも使われているだけに、出来ればキューバンダビドフなんて吸ってみたいですが流石に手元に無いのでパルタガスかボリバーあたりフルボディタイプで。今度ボトルを片手に行きつけのBARに吸いにいってみようかな。

ブラックスネークVAT4 2nd VENOM ウイスキーラバーズ名古屋2017 57.7%

カテゴリ:
BLACK SNAKE
Single Mlat Whisky 
Whisky Lovers Nagoya 2017
Oloroso Sherry VAT4 and 2nd VENOM
700ml 57.7%

グラス:木村硝子テイスティング
量:20ml
場所:自宅(サンプル@BAR よっちさん)
暫定評価:★★★★★★(5-6)

香り:スパイシーなウッディネス。ハイトーンでメンソールのようなスーッとするアルコール感、焦げた樽材、ザラメや砂糖菓子の甘さ、奥からエステリーな華やかさも。

味:とろりとした口当たりから香り同様の構成。古樽のえぐみを伴うウッディネス、オレンジママレード、黒パン、スパイシーで口の中がヒリヒリする。
余韻はハイトーン、ウッディで長く続く。

アタックの強さが目立つ1本。多少加水しても香りの刺激は治らないが、味のえぐみが軽減されてバランスが良くなる。
一方、酒質由来のフレーバーからは甘さやフルーティーさも出ているため、加水の方法やグラスのチョイスなど、良さを引き出す工夫の余地がある。


ボトラーズのブラッカダー社がリリースしている、蒸留所不明のウイスキーシリーズ、ブラックスネーク。
バッテッドモルトの他に、シングルモルトウイスキーもリリースされており、今回紹介する一本は、今年の1月に開催されたウイスキーイベント、ウイスキーラバーズ名古屋2017の開催を記念してボトリングされた1本です。

その特徴、というかこれはブラッカダー社のボトルに多くみられる癖のようなもの。同社は社長であるロビン氏の好みからか、妙にアルコール感というかツーンとくるハイトーンなアタックの強いカスクを選ぶことが多い印象があります。
今回紹介するブラックスネークも、総じて強い樽感とハイトーンな刺激が、いかにもブラッカダーの最近のリリースだなーと感じるところです。
(その個性から、蒸留所はグレンファークラスあたりかなと推測。)

一方で、Oloroso sherry vat4 and 2nd Venomなる聞きなれない表現は、シェリーでいうところのソレラシステムに近いブラッカダー独自(?)のバッティング方法。
まず、シェリー樽熟成ウイスキーを1つの樽にバッティングし、マリッジして2/3程度を払い出します。これは1st Venomとして発売されたようです。
そして1/3残っているところに、また新たにシェリー樽の熟成ウイスキーを複数樽バッティングし、マリッジして同じように2/3を払い出したのが、この2nd Venomなのだとか。つまり、時間差バッティングということですね。(※使われた樽の種類と数についてはシリーズによって様々であり、バーボン樽の原酒をバッティングしてシェリー樽でフィニッシュと言う説明や、このVAT4 2nd Venomも2樽のオロロソシェリーという説明や、4樽のオロロソシェリー樽とする説明、あるいはバーボン樽も混和しているとする説明など様々見られます。ここではOloroso Sherry vat4表記からシェリー樽とさせていただき、樽数については一旦保留。詳細は改めて確認中です。)
近年のウイスキーは、原料由来か蒸留方法の違いからか、酒質が単調とされることも多く、こうして複数樽をバッティングすることで複雑さと厚みを得ようとしているのかもしれません。
実際、飲んでみると樽感はやや焦げ感というか苦味はあるのものの、奥にフルーティーな熟成感など、多層的なニュアンスが感じられます。

市場の声を見るとこのシリーズは価格とのバランスが取れて、内容的にも良いと好評の声も多い模様。ウイスキーラバーズ名古屋の限定ボトルの中でも、お客様の評価良く扱いやすいとはサンプルを頂いたよっちさんの声。
自分はアタックの強さを意識しがちなので、そこに引きずられてや辛口評価になっているかもしれません。

グレンキンチー 2004-2016 ディスティラリーエディション 43%

カテゴリ:
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GLENKINCHIE
Distillers Edition 
Double Matured in Amontillado Cask Wood 
Distilled 2004
Bottled 2016
700ml 43%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land Ian)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:甘くリッチな香り立ち。シーズニングシェリーのウッディーさ、アーモンド、プルーン、少し草っぽさと粘土を思わせる癖のあるアロマ。

味:軽くスパイシーな口当たり。乾いた麦芽、牧草、キンチーらしい軽快な刺激と麦芽風味の上に、椎茸等の出汁ツユっぽいとろりとしたニュアンスがある。
余韻は若干のべたつきを伴い、長く残る。

シェリー樽の甘みとウッディさより、シェリーそのもののニュアンスが混じった主張が感じられた。そう言う意味でらしさはわかりやすいが、グレンキンチーの酒質にこれが合うかというと。。。加水は少量まで、ベースが崩れて水っぽくなる。


1年に1バッチ、少量しか作られないグレンキンチーのダブルマチュアード。
個人的にディアジオのダブルマチュアードシリーズの中で、まず最初にテイスティングするのがグレンキンチーで、そこからスペイサイド、ハイランド、島系に流れていきます。
ローランドから入って、スコットランドを巡るウイスキーの旅といったところでしょうか。

使用されている樽は、アモンティリャードシェリーを熟成(シーズニング)させた樽です。
同シェリーは一般的にオロロソほど濃くはない繊細な風味、柔らかい酸味を持った辛口タイプのシェリーとされています。
ここのところ、グレンキンチーのダブルマチュアードは、アモンティリャードシェリーの特性からか、不思議な酸味というか、樽から滲み出た要素がうまくマッチしていた印象があったものの。今年はテイスティングの通り、2度目の熟成で付与されたシェリー感が強く感じられ、テイスティング時点では少々アンバランスに感じられました。

グレンキンチー蒸留所のキャラクターは、軽快な麦芽風味にあると言っても過言ではなく。シェリーとしてもフィノ系の樽(それもシーズニングでない)を使ったダブルマチュアードとか飲んでみたいなーと思うのですが、フィノ樽は貴重なので難しいか。。。

シガーモルト(モートラック) 19年 1997-2016 チーフタンズ 55.7%

カテゴリ:
THE CIGAR MALT
Chieftain's
Aged 19 years 
Distilled 1997
Bottled 2016
Cask type European Oak Oloroso Sherry Butt #5255
700ml 55.7%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:持ち寄り会@マッスルKさん
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:ツンとしたアタックに、焦げた甘みとほのかな酸味を伴うリッチな香り立ち。デミグラスソースや煮詰めたベリーシロップのような濃厚さ、プルーン、徐々に香木を思わせるウッディネス。

味:とろりと濃厚、ややベタつきのある口当たりでリッチな甘み、黒蜜、プルーン、ブルーベリージャム、軽いスパイスが舌を刺激する。
余韻はウッディでドライ、リッチな甘みはそのまま、ほのかに香木を思わせるアロマを伴い、長く続く。

リッチで嫌味の少ないシェリー系ウイスキー。使われた樽のシーズニング期間の長さが伝わる、濃厚な甘みが印象的。チェイサー片手にストレートで。シガーと合わせる場合、フルボディタイプの終盤に。


蒸留所不明のシガーモルト表記、そこはかとなく匂い立つ地雷感。。。
最初はそんなイメージだったイアンマクロード・チーフタンズの同リリースですが、昨年リリースされたシガーモルト18年が良質シェリー系モルトとして話題になったのは記憶に新しいところ。
単発かなと思ったら、熟成1年増しの19年ものがリリースされ、そのクオリティが前回限りではない事を証明した形となりました。
(前作のシガーモルト18年 1997-2015 57.7% 樽番号5240)

18年と19年、どちらも同系統でリッチなシェリー感。違いを述べると、19年の方がとろりとした甘みが強く、18年の方がドライでスパニッシュオークらしい香木を思わせるニュアンス、さらにカカオのようなピートフレーバーが余韻に広がるイメージです。
双方近年のシェリー系の中ではコスパ、クオリティ共に高く、サルファリーなニュアンスもない。どっちが良いかという話もありそうですけど、両者甲乙付け難く、もはや好みの問題としか言えません。

その中身はモートラック。リッチで良質なシェリー感ゆえ、ファークラスやグレンリベットなどの銘柄予想もありましたが、ボトル輸送用の段ボールに「モートラック18年」とするシールが貼られていたことが判明し、論争は終結。
今回については前述の通り樽感がさらに強く、酒質ベースの香味は掴みづらいのものの、18年と樽番号も近いため今回もモートラックではないかと思います。(っていうか美味しければぶっちゃけどこでもw)

既に美味しいと話題になっており、店頭購入は難しそうですが、BAR等で見かけたら試す価値はある一本。
出来れば本格的に暑くなって、シェリー系が厳しい時期になる前にお試しください(笑)

(ご参考:昨年の輸送用ダンボール。蒸留所不明ではなかったのか。)

TWDによるウイスキーブログ Tasters.jp の紹介

カテゴリ:
自分が参加しているウイスキーグループの一つ、The Whisky Divers(TWD)が、この度ブログを開設しました。
すでに約100本のテイスティングレビューを掲載するサイトとして整備されており、オープンしたばかりですが見応えのある構成となっています。


TWDは、ウイスキーのテイスティング技術の向上を主な目的に、有志で立ち上げたグループ。
初動が2015年10月ごろ、そこから1〜2ヶ月に1度の頻度で、ブラインドテイスティングによるウイスキーの深掘りをはじめ、樽による香味の違い、地域・蒸留方法の特性、オフフレーバーの認識など、毎回様々な目的を持って活動をしてきました。

(オフフレーバー勉強会の風景。コルク臭など、後付けで発生するオフフレーバーを可能な限り再現してそれぞれがテイスティング。)
(バーボンの集中勉強会。現地流通のフォアローゼズ限定ボトルをレシピ毎に取り寄せ、テイスティングを実施。)
(直近開催は、新商品のテイスティング。ブラックニッカ・クロスオーバーをメンバーで共同レビュー。レビュー記事はこちら。)

今回立ち上げたブログは、TWDメンバーによる共同運営で、活動の記録はもとより、メンバーそれぞれがテイスティングしたボトルが投稿されていく形となります。
それぞれが書き、まとめ、公開することで勉強に繋げようという試み。また合わせて上記ブラックニッカ・クロスオーバーのように、共同レビューで感想を述べあう従来の活動も。
勿論、まだまだ荒削りというかトライ&エラーで拡充させていくべき点などはあるものの、ウイスキーテイスティングだけでなくそれ以外の酒類の評価、関連ジャンルのコラムなど、内容は今後さらに充実していきます。

書き手としては、本ブログに素晴らしい写真を提供いただいている、k67さん、T.Ishiharaさんらも、Tasters.jpで活動される予定です。
私はというと、主軸はWhiskywarehouse.blogこと、この「ウイスキー置場」に引き続きありますが、コラムなどの執筆は協力させていただこうかなと考えているところ。

こうして多くの飲み手の意見、感想が展開されるのは、嗜好品の楽しみ方としてその多様性を担保する良い出来事だと思います。
置場読者の皆様、新しいブログについてもよろしくお願いします!!

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