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2017年02月

ニッカ ピュアモルト赤黒が休売 フロムザバレル出荷遅延などの動き

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先日、ニッカウイスキーのピュアモルト レッド、ブラック、そして竹鶴ピュアモルトNAとフロムザバレルの4種類が、アサヒショップでの取り扱いを終了。合わせて、この4銘柄が終売、生産終了になるのではないかという噂が立ちました。

これらは2015年9月に起こったラインナップの大幅整理、"ニッカショック"を生き延びた銘柄の1部。特にピュアモルトレッド、ブラック、そしてフロムザバレルは1980年代の発売以来、ブランドが継続しているベテラン選手で、コアなファンの多い銘柄でもあります。
このウワサ、信頼できる酒販関係ルートから真偽を確認してもらったところ、どうやら以下となる模様。現時点ではメーカー発表の公式文章が無いため、ご判断は皆様にお任せいたしますが、確認した限りでは1984年から始まったピュアモルトシリーズ、約30年の歴史に一旦幕が引かれるようです。


【休売】
・ピュアモルト ブラック 500ml 43%
・ピュアモルト レッド 500ml 43%

【出荷遅延の可能性】
・フロムザバレル 500ml 51.4%

【現時点で不明】
・竹鶴ピュアモルトNA 700ml 43%

【数量限定で再販(3/28)】
・ブラックニッカ ブレンダーズ・スピリット 700ml 43%

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(発売当初のピュアモルトブラック、レッド。余市、宮城峡のモルトに加え、輸入原酒を使って仕上げたことで、ジャパニーズらしからぬ個性を楽しむことが出来た。)

しかしなぜ急にラインナップ整理があったのか。
自分の勝手な推察ですが、今回の動きには「世界的なウイスキーブームによる、輸入原酒の高騰」と「ブラックニッカ・ブレンダーズスピリットの再販に伴う原酒の調達」、大きく2つの背景があるものと考えています。

まず、ニッカのピュアモルトシリーズは、発売当時は海外からの輸入原酒(バルクウイスキー)が使われていました。当時のボトルからは黒はカリラ、赤はベンネヴィスかトマーティン、白はボウモアベースのアイラモルトのニュアンスが感じられます。
その後現行に至るにつれ、黒は余市ベース、赤は宮城峡ベースをより強くし、徐々に使用比率は落ちていったようですが、完全にゼロになったわけではないのではと。
そうした中、近年では世界的なウイスキーブームからバルクウイスキーが徐々に価格が上がっており、生産の継続が困難となったことから、価格が落ち着くまで「休売」という処置を取ったのではないでしょうか。
終売ではなく、一時的な休売としたところにニッカ(あるいはアサヒビール)の最後の抵抗が感じられるようです。

また、上記休売とフロムザバレルの生産調整で浮いた原酒は、3月28日に再販されるブレンダーズスピリットの生産に回す。これにより、一時的にアサヒショップでの取り扱いも困難となった・・・という流れは矛盾も無いように感じます。
竹鶴ノンエイジの取り扱いが無くなったのも、こうした背景から生産調整によるところなのかもしれません。
随分と自転車操業感の漂う話であり、そこまで逼迫しているとも思えませんが。。。

そして何より驚きはブレンダーズスピリットです。
再販ということは、発売から3ヶ月足らずで14万本を売り切ったということ。確かにあの価格であの味わいは驚異的ではあったものの、実態を目の当たりにすると驚きを隠せません。
今回の再販は通常ラインナップとして発売されるというわけではなく、あくまでも限定品扱い。現在は酒販業者毎に販売予約を受け付けている状況で、予約多数の場合は抽選になるのだとか。
再販分がどの程度あるのかまではわかりませんでしたが、この再販決定がこれらのラインナップに影響を与えた可能性は否定できないと感じます。

以上、推測混じりですが、今後の動きも引き続きアンテナを広げて情報収集していこうと思います。
また何かわかりましたら記事にしていきます。

ストラスアイラ 40年 1967-2007 GM 蒸留所ラベル 43%

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STRATHISLA
Gordon & Macphail
(Aged 40 Years)
Distilled 1967
Bottled 2007
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後3年程度
評価:★★★★★★(6)

香り:華やかでこってりとして甘い香り立ち。お菓子のキャラメル、りんごのカラメル煮、葡萄のキャンディーのような色の濃い甘みと微かな酸味。湿ったようなウッディネス。

味:とろりとしてリッチ、葡萄飴やチョコレートの甘みを感じた後で、すぐにウッディーなタンニンを伴う口当たり。
余韻は染み込むタンニン、ビターで濃く煮出した紅茶のよう。鼻腔には長熟ブランデーを思わせる甘みが届き、ドライなフィニッシュ。

一言でGMシェリー味、時々無性に飲みたくなる。ボディはあまり強くなく、特に後半はウッディで単調気味だが、今はなき懐かしいシェリー感がしみじみ味わえる。


自分と同じくらいの時期(2010年前後)以前に飲み始めた人にとって、ストラスアイラと言えばオフィシャル12年より、このGMの蒸留所ラベルは非常に馴染み深いものであり、そして懐かしいものではないでしょうか。

1万円から2万円のレンジでボトラーズ各社の長期熟成原酒が市場に溢れる中、ストラスアイラやモートラック、グレングラントなどのGM蒸留所ラベルの長期熟成は特に手頃に手に入ったうちの一つ。
中でもストラスアイラは25年、30年、40年に加え、このボトルのように長熟ビンテージリリースもシングルモルトとして定番品だったわけですから、とんでもない時代だったなと思います。
(そう思うと当時は微妙なデザインだなあと思っていたこのラベルも、なんだかかっこよく思えてきてしまったり・・・笑)

このリリースにストラスアイラらしさを問われると、むしろこれはGMのストラスアイラってこんな味だったんだよとしかいえない、カラメルソースのような独特なシェリー感がほぼ全ての同時期リリースに共通する特徴。後はピートがわかりやすかったり、フルーティーさがしっかりあったりとそれぞれキャラクターが異なるという印象です。
この1967に関しては突き抜けた完成度はありませんが、当時のそうしたシェリー感はわかりやすい、まったりと飲める1本です。
最近GMからリリースされることが少なくなったこのタイプのシェリー系ボトル。流通量が多かったので、ストックされているお店も少なからずあるのではと思います。飲まれたことが無い方は、一度経験しておいても良いかもしれませんね。

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(ストラスアイラ蒸留所のロビー。飾られた歴代リリースの中には、このGMと同じデザインが採用されたボトルもある。 スペイサイド最古の蒸留所の歴史を感じる空間。Photo by K67)

今更ですが、蒸留所ラベルとはGMがリリースする各蒸留所毎に、特定のデザインのラベルが採用されていたシリーズのこと。現在もリリースが続いている銘柄もあり、ボトラーズでありながらオフィシャルのようなリリースを行なっているストックと生産量はただただ圧巻です。
一部のボトルは、ストラスアイラやマッカランのように、逆にオフィシャルがGMのデザインを逆採用してリリースした事もあるなど、GMの影響力に加え各蒸留所の結びつきの強さが伺えるエピソードとなっています。

ベンリアック 17年 ペドロヒメネスカスクフィニッシュ 46%

カテゴリ:
BENRIACH
Aged 17 Years
Finished in PX select casks
700ml 46%

グラス:名称不明
量:25ml
場所:BAR飲み(Caperdonich@新橋)
時期:開封後2ヶ月程度
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:ほのかにサルファリーで黒砂糖やチョコレートの濃い甘みを感じる香り立ち。奥にはアーモンド、ドライプルーン、徐々に湿った木材、椎茸っぽいアロマも感じられる。

味:リッチでねっとりとした口当たり。プルーンやデーツ、ビターチョコレート、ほのかに椎茸、硫黄、徐々にウッディーでタンニンが舌に染み込む。 余韻は序盤はビターだが、プルーンや黒蜜の濃い甘みが残る。

PXカスク由来の濃厚さと甘み、ウッディネスがしっかりと感じられる。メーカーコメントにある「シガーボックス」が、ピートと硫黄、どちらを意味するのか気になっていたが、残念ながら硫黄だった。


昨年12月に国内展開された、ビリー・ウォーカー時代の名残とも言えるウッドフィニッシュシリーズの一つ。
以前リリースされていたペドロヒメネスフィニッシュ15年の後継品、同15年よりも2年間長いフィニッシュで、さらに濃厚なフレーバーを獲得したと言う1本です。

ベースとなった原酒はリフィルアメリカンオークバレル(おそらくバーボンバレル)で熟成されていたものとのこと。PX樽の強いフレーバーがどっしりと覆い被さり、最初からシェリーだった原酒と比較して口当たりが多少軽いかな・・・という以外に、あまり原酒由来の個性は感じません。
樽由来の要素は甘みの濃い味わいであるため、硫黄要素が大丈夫な人なら適性があるウイスキーと言えますが、PX樽の独特なニュアンスは、シェリー樽好きといっても一括りには出来ないのが難点です。

グレンドロナック同様、ベンリアックはビリー氏が蒸留所を買収して以降、こうしたフィニッシュ系のリリースが一気に増えた感がありますが、このカスクマネジメントが同氏のウイスキー造りのスタンスなのでしょう。
あるいは、買収直後スタンダードな樽構成しかない中で、目新しさを出すための苦肉の策だったのかもしれません。
この他、シェリーバットのシングルカスクで700本ボトリングできる魔法のウイスキーなど、ビリー色に染まったベンリアックのストックはまだまだあるでしょうから、こうしたリリースは暫く続いていくのではないかと思います。

ハンキーバニスター 12年 1980年代流通 特級表記 43%

カテゴリ:
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HANKEY BANNISTER
Aged 12 Years
Scotch Whisky
1980's
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後4ヶ月程度
評価:★★★★★★(5-6)

香り:香ばしい穀物系のアロマ、殻付きの麦芽や干し藁の乾いた植物感に、ほのかにメレンゲクッキーを思わせる甘みが混じってくる。

味:しっかりとした骨格を感じる口当たり。ママレードジャム、カルメ焼きの香ばしさを伴う甘さ、ほのかに乾いた植物感。徐々にほろ苦い麦芽風味が、みたらしの焦がしたようなニュアンスに変わっていく。
余韻はほろ苦く、軽いスパイシーさが染み込むように長く続く。

使われた原酒の酒質の良さを感じるブレンデッド。しっかりとした骨格があり、モルティーな味わいと樽由来の甘みが飲みごたえにつながっている。
それゆえ加水にも負けず、穀物や干し藁系の香味に代わりに甘みが引き立ち、飲スウィートな麦芽風味もある。ハイボールにしても同様で、余韻にかけてしっかりと味が残る。
グレンファークラスがキーモルト、と聞くだけで少し気持ちが前のめりになってくるブレンデッド。ハンキーバニスターの1980年代後期流通品です。
ハンキーバニスターの中身に関する情報は、1年ほど前に書いた同時期流通のノンエイジ品の記事にほとんど載せてしまったので、実は改めてこれと書きづらい部分があります。

なので、残ったスペースでは流通時期とリリース、ラベルの特徴について少し触れて結びとしたいと思います。
ハンキーバニスターのラインナップは、NA、8年、12年、15年、21年の5種類が確認できます。
NAから12年はスクウェア型のトールボトル、12年、15年は花瓶のようなデザインのフロストボトル、21年は藍色が映える陶器ボトルが特徴的です。

この全てのラインナップが揃うのが1980年代で、1970年代となると15年、21年はリリースされておらず、NA、8年、12年がリリースの中心。
シンボルマークは1980年代が1ポンド硬貨を思わせるイラストであるのに対し、1970年代以前はエリザベス女王の紋章をモチーフにしたようなデザインが使われています。
1978年の一件で、紋章を使えなくなったための変更でしょうか。

マッカラン 18年 1989-2008 ウイスキーガロア(ダンカンテイラー) 40%

カテゴリ:
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MACALLAN
Whisky Galore 
(Aged 18 Years)
Distilled 1989
Bottled 2008
Number of Bottle 450
700ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅(サンプル@舩木村長)
時期:不明
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:やや青みがかった植物感から柑橘系のニュアンス。最初はばらつきがあるが、徐々にオレンジピール、ビワ、麦芽香。時間とともに青林檎キャンディーのような甘み、華やかなオークフレーバーが開いてくる。

味:スムーズな口当たり、焦げたクッキーのビターな甘さから、舌の上で転がすとオレンジピールと麦芽風味、苦味が軽減されてバニラを思わせる甘みが開いてくる。
余韻は軽くスパイシーでウッディー。植物系の青いニュアンスが鼻に抜け、序盤から続くほろ苦さが喉奥から戻るように長く続く。

酒質と樽由来の香味が加水の割りに馴染んでいない印象があり、注ぎたてより少し時間を置いたほうが甘みや樽香が引き立つ。加水も同様に、少し時間を置いたほうが良い傾向の変化がある。
時間を置いた加水ではバランスが良くなり、樽香は華やかでオーキーなニュアンスが主体的に。じわじわと麦芽由来の香味の香ばしいフレーバーも。

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ウイスキーガロアはダンカンテイラーの姉妹ブランドです。
名前の由来はコンプトン・マッケンジー氏の小説、ウイスキーガロア!で、裏ラベルにはその概要が書かれています。
ただその中身は、ラベルを見ての通り1989年蒸留という記載以外関連する情報が無く、飲んでみた感じは15年ちょっとで2005年くらいかなーと思っていたところ。Whiskybase上のデータは2008年ボトリングの18年熟成となっていました。
樽の種類に関する情報はありませんが、なんとなく単一種類の樽っぽさではないので、リフィルシェリーを含む複数樽のバッティングかもしれません。

ダンカンテイラーと言えば、ご存知の通り「魔法の粉」とも例えられる擬似トロピカルフレーバーを得意とするボトラーズのひとつ。個人的に2000年代のそれは、他のボトラーズと樽の入手経路と、ホグスヘッド樽の比率が違っただけなのではないかというのが持論ではありますが、このマッカランのも流通時期的にそうしたフルーティーフレーバー炸裂かと思いきや、少々時間と手間が掛かる模様です。

このボトルはこれまでもサンプルを頂いている、萌木の村の舩木村長からのプレゼント。
ブログの写真用にとのご配慮で、中身2ショット分を小瓶で頂いた上に空きボトルまで。。。度重なるご好意、本当にありがとうございます。

自分としては、マッカランと言えばシェリーこってりのオフィシャル系統か、ボトラーズのバーボン樽やホグスヘッド樽の濃厚なフルーティーさを連想するところ。このマッカラン1989は、強いて言えばオフィシャルのファインオークシリーズのベクトルにある構成で、いつもと少し違うキャラクターが面白い1本でした。

萌木の村と言えば、今年も4月に清里ウイスキーフェスティバルが開催されます。
昨年は伺うことができなかったのですが、今年こそご挨拶がてら足を運びたいものです。


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