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2016年05月

オールドパー デラックス 1980年代流通 ウイスキー特級

カテゴリ:

GRAND OLD PARR
Deluxe Scotch Whisky
1980’s
750ml 43%

グラス:ヴィノテクスピリッツ
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(ARASAIDE)
時期:開封後1か月程度
構成原酒:グレンダラン、クラガンモア、など
評価:★★★★★(5)

香り;カラメルやみたらしを思わせる甘い香り立ちと若干の金属臭。奥にはオールブランのような麦芽香、ツンとしたエッジもある。 加水でスモーキーなニュアンスも。

味:古酒系のこなれた口当たり、ザラメ、黒糖ロール、麦芽と穀物の甘みの中で、ほのかにレーズンを思わせる酸味もある。徐々にスパイスの刺激、アーシーなピートフレーバーが感じられる。
余韻はスパイシーでクッキーを思わせる甘みが残る。

日本における洋酒ブームの象徴かつ、バブル期のギフトの代表格とも言える銘柄。
当時から飲まれている方ですと、ジョニーウォーカー等と同様に深い思い入れもあるのではないでしょうか。
私は当時の記憶などあるはずもないですが、その独特の高級感があるデザインに惹かれ、大学時代は研究室に届くギフト品のオールドパーを飲み散らかし、初任給で恩師に送ったギフトもオールドパーのスーベニアだったという、また違った思い入れがある銘柄です。

現行品は意外とスモーキーな味わいですが、オールドボトルもまた古酒系のこなれた甘味の奥から土っぽいピートフレーバーが感じられる。よく言えば飲みやすく、厳しいことを言えば際立った個性が乏しい、良くも悪くもブレンデッドであるなという味わいです。
飲まれたことが無いならば、BAR等で状態の良いものを一度飲んでみるといい経験になるかも知れません。

ラベルの遍歴は何気に細かい変更がぽつぽつあるのですが、大きくは1980年代後期から12年表記有り、1980年代初頭以前はデラックス表記。
1980年代は今回のボトルのようにキャップ部分のシール材が斜めにオールドパーと入っていますが、1970年代以前は横にオールドパーと書かれており、1960年代以前はティンキャップ仕様です。
同銘柄は現地よりもアジア圏の成功が大きく、1980年代に入るとそれまでの正規代理店である兼松江商の取り扱いから、新たに設立された日本オールドパー株式会社が取り扱うようになります。
国内正規品はその表記の有無もポイントになりますが、現在の中古市場では海外免税品や並行品等も多く流通しているため、全てのボトルには適用されないため注意です。

オールドパーのオールドボトルにおける最大の注意点は状態の悪さにあります。
ティンキャップもスクリューキャップも全時期共通とも言える金属張りキャップ仕様で、保管状況か味の傾向もあるのか、金属臭のついたボトルが多く見られます。
自分もそれに何度泣かされたことか。。。
今回のボトルは香りに若干そうしたフレーバーがありますが、味の方は問題なく許せる範囲というところ。
市場価格は決して高いものではありませんが、購入される場合は覚悟を決めてご注文ください(笑)。

アードベッグ ダークコーヴ 55% コミッティー向け

カテゴリ:
ARDBEG
DARK COVE
Special Commitee Only Edition 2016 
(No Age) 
55% 700ml

グラス:テイスティンググラス(銘柄不明)
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封直後 
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーで強い香り立ち。甘いヨード香と合わせて焦がしたオーク、コールタール、ウッディーなアロマ。奥には土っぽい香りとドライオレンジのような柑橘香。

味:キャラメルを思わせる甘く粘性のある口当たりから、ドライオレンジ、塩っぽさのある麦芽風味、そしてピートが追いかけてくる。一つ一つの個性がはっきりしており、後半は燻した麦芽の香ばしさとヨード、チャーオークの焦げたようなニュアンス。余韻はビターだが舌に残る甘み、鼻抜けは磯の香りとスモーキー。


アードベッグ史上最もダークであり、主軸となるように使われた樽もダークシェリーなる謎の樽というニューリリース、アードベッグ・ダークコーヴ。
日本では5月下旬のアードベッグデーに合わせてリリースされるという話ですが、本国ではすでにリリースされているだけでなく、200周年ボトル同様に、またもコミッティー向けのハイプルーフ(55%)と、一般市場向けの加水品(46.5%)とがある模様。
今回は前者であるコミッティー向けのボトルを頂いてきました。

アードベッグ ダークコーヴ 46.5% 一般市場向けはこちら。

まず色合いはダークというほどダークではなく、少々濃いとも見えるものの、平均的なウイスキーのそれに大差ありません。これならオフィシャルでももっと濃いボトルがあったような。
実際、ダークであるのはダークコーヴのブランドイメージである「密造時代」をオマージュしたことからくるもので、その当時のウイスキー業界の「ある意味での暗さ、黒さ」に由来しているようです。(公式のPR動画も中々黒いですw)
アランといいリベットといい、最近密造時代のネタが増えてますね。流行ってるんでしょうか。

香味のほうは、シェリーとバーボン、複数樽のバッティングと思われる構成で、熟成年数は体感10〜15年程度が軸か。
ダークシェリーとはペドロヒメネスか、あるいは中身を焦がしたシェリー樽なのか。香り、味、ともに粘性のある甘みとチャーオークの濃い香味が感じられます。この辺がダークをイメージした要素ではないかと感じます。
この樽香は浮ついた印象こそあるものの、高度数であるためそれぞれのフレーバーがはっきりしており、アードベッグらしいピーティーでスモーキーなフレーバーに加えて塩っぽさなど、強い個性が追いかけてくるため、樽に全てが塗りつぶされている味ではないのがポイント。ペドロヒメネス樽のウイスキーにありがちな余韻のべたつきもそれほど気になりません。
突き抜けるほどの完成度というボトルではありませんが、あくまでアイラモルトとして楽しめる枠の中にあると感じます。

なお、先に触れましたが後日日本で発売される一般市場向けボトルは、上記の黒いラベルで加水品。200周年では何方かと言えばコミッティー向けの方が評価されましたが、今回はどちらが評価されるでしょうか。
このボトルもまだハーフでしか飲めてませんし、飲み比べもしてみたいですね。

イチローズモルト 秩父 東京バーショー2016向け 記念ボトル

カテゴリ:

ICHIRO'S MALT
CHICHIBU
Exclusively Bottled For Tokyo International Bar Show 2016
(Aged 5 Years)
Distilled 2011
Bottled 2016
Cask type Bourbon Barrel
700ml 59.7%

グラス:創吉テイスティング
量:30ml以上
場所:BAR飲み (Bar Ambrosia)
時期:開封後一週間程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:注ぎたてはグラスから酸味のあるオーク香、ツンとした刺激の木香のアタックの奥に、クラッカーやナッツのような香ばしさ、蜂蜜を思わせる濃い甘みを感じる。加水すると酸味や焼酎っぽさが際立つ。

味:フレッシュで酸味を伴う麦芽風味と共にピリピリと刺激の強い口当たりだが、舌の上で転がしていると刺激の奥からクリーミーなバニラ、リンゴ、ドライパイナップル、ほのかにアジアンスパイス。オーキーなフルーティーさが開いてくる。
余韻は華やかでスパイシー、微かに地ウイスキー的なえぐみ、麦芽のほろ苦さが全体を引き締め、スッと消える。


先日開催されたバーショー2016の会場で販売された、イチローズモルトは秩父の限定ボトル。
このボトルを購入するために、バーショー開場数時間前から並んでいた方々もいらっしゃったということで、ウイスキーブームすげーなあと、驚嘆するしかありません。午後から行った自分とは気合が違いますね(笑)。

まあそんな話はどうでもいいのですが、気になるお味は、これまでリリースされた秩父の中では良い出来だと思います。
先日記事にしたアスタモリスの秩父が、口当たりからパッとフルーティーさが開いて後半が単調気味なのに対し、バーショー2016はスパイシーでフレッシュな口当たりから、徐々にクリーミーな舌触りと樽由来のフルーティーさ、麦芽系の味が開いてきて、一杯を通じて味わいが持続する。熟成年数以上に良いバランスに仕上がっているのです。
これは良い熟成状況にあった樽というだけでなく、麦か酒質か、その他の工夫もありそうです。

若さゆえ香りに刺激が強いので、気になる方はSK2やサントリーテイスティングのような、液面が近いグラスが良さそうです。
加水は刺激が軽減されるものの、時間経過で粘性とともに酸味や地ウイスキー的な焼酎っぽい癖が出てきてしまうため、ストレートでフレッシュな味わいを楽しむボトルかなと。

このボトルは池袋のBAR Ambrosiaさんで頂きました。
ハーフショットを飲んで「おっ」と思ってからの1ショット。まず最初は「あー秩父だねえ」といういつものアレですが、そこからの変化がいつもと違う、なかなか楽しませてもらえました。
同店にはバーショー2015向けの秩父もあり、こちらはフレンチオークで異なる樽感、個性が備わっています。
飲み比べてみましたが、バタークリームのような甘い樽香など、その違いが面白かったです。

ラガヴーリン 8年 200周年記念ボトル 48%

カテゴリ:
image

LAGAVULIN
Aged 8 Years
200th Anniversary
2016's
Limited Edition
700ml 48%

グラス:テイスティンググラス(名称不明)
量:ハーフショット+α
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★(5)

香り:爽やかでスモーキーな香り立ち。燻した麦芽香やヨード、ほのかにシトラス。同時にツンとしたアルコールのアタック、若干の乳酸感があり若さも感じる。

味:粘性のある口当たり、香り同様微かな乳酸を伴うニューポッティーな要素と徐々にエッジの立った舌への刺激。燻した麦芽の香ばしさ、少し焦げた木、土っぽいピートフレーバー、ほのかなヨード、魚粉のようなニュアンスもある。中間は軽く、透明感がある。余韻はスモーキーでさっぱりしている。

ラガヴーリンが1816年創業からの200周年を記念して2016年にリリースした、バイセンテナリーボトル。
まず最初に断ると、美味しくないとかそういうワケではなく、中身は最近の12年カスクストレングス加水版のような、うまくまとめた若い加水アイラという感じ。しかし200周年ボトルであるとするにはもう一枚カードを見せてほしかったなと、そう思った人は私を含めて多かったのではないでしょうか。

なんと言っても、この驚きの白さ(透明さ)。
樽はリフィルシェリーやバーボン樽のサードフィルなど、使い古した樽を使っているのでしょうか。樽の影響が薄いため、酒質由来のところで香味に若さが出ています。
そこを加水で整地したためか荒さは多少取れていますが、その分ボディやコクが犠牲になった印象があり、後半はよく言えばさっぱり、悪く言えば軽いという感じです。

それにしても、アードベッグの200周年同様、一般市場向けに大量生産してくれるのはありがたいですが、なぜこの構成なのか、その意図を知りたいですね。
一応公式には世界初のウイスキーライターが、当時の8年のカスクサンプルを飲んで、その酒質を絶賛したことからきているようですが。。。
普段16年などは割りと強い樽感がある中で、さらにこれからリリースされる200周年ボトルへの入り口として、まずはラガヴーリンの"素の味わい"、すっぴんを知ってほしかったのがこのボトルとするなら、なるほどなと思います。

なお、アイラフェス2016向けのボトルとして18年のリリースがリリースされるようで、これはかなり美味いという話。この8年からそこに繋がっていく何かストーリーがあるのかも気になるところです。
蒸留所創業200周年、おめでとうございます!

東京 インターナショナル バーショー2016にちょっと顔を出してきた②

カテゴリ:
先週顔を出してきた、バーショー2016。後編はその他のブースと印象に残ったボトルの紹介をしていきます。
まずはジャパニーズ大手の3メーカーから。


山崎がないとか言われ、若干ディスられ気味だったサントリーさんですが、7月からリニューアルするジムビームの新シリーズが(多分全て)試せましたし、スコッチのオフィシャルではマッカランレアカスク、グレンフィディック21年まで試飲できたのは、お店の取り扱いボトルを考えるBAR関係者、酒販関係者側すれば充実したラインナップだったんじゃないかなと思います。
所謂実利があるっていうヤツでしょうか。確かにブラックボウモアや山崎50年飲めたら嬉しいですけど、あの価格ではお店には置けないですよね。




せっかくなので新しいジムビームを試してみます。ホワイトは相変わらず若いというか木のえぐみがあってハイボール向けという感じでしたが、ブラック・エクストラエイジは若干ボディが薄いものの、樽香がしっかりあってこれはストレートでも普通に飲める仕上がりです。


ニッカは通常ラインナップのみで、目新しさは特段ありませんでした。ブラックニッカクリアはフリージングハイボールで配られていて、営業さんもプッシュしてましたね。ブースには佐久間チーフブレンダーがいらっしゃって、少しお話をさせていただきました。
キリンはジョニーウォーカーと富士山麓。有料でしたが先日のWWA2016で世界一を獲得した、富士御殿場蒸留所シングルグレーン25年 スモールバッチの試飲が準備されていまいた。せっかくなので飲んでみます。
スムーズな飲み口、華やかで程よい穀物感、バニラの甘みがしっかりある、樽香とのバランスの良い優等生的なグレーンです。もっとどっしりとしたバーボン系か、逆にクリーンな系統を予想していたのですが、王道を行くような綺麗な味わいでした。
最初はクリーンタイプだったんでしょうけれど、上手く熟成した結果の仕上がりが感じられます。 



ここでブースを戻って、またもお邪魔しますソサイエティブース。
ここには宮城峡のカフェグレーンG11の1番、ファーストボトルが試飲で置いてあったのです。
飲み比べてみましたが、熟成や度数の違いがあるので一概には言えないものの、やはり宮城峡のほうが穀物感が豊富で、酒質そのものにパワーがありました。 グレーンの違いも意識すると面白いですね。

その他にも色々回りましたが、長くなったので最後に酒販店、信濃屋さんとe-Powerさんのブースから2本をピックアップ。
まずは信濃屋さん。今回もニューリリースの試飲と予約が出来たようで、飲み手に嬉しいブース内容です。
既にニューリリースのダルユーインは売切れてしまっていたので話だけ伺いましたが、その兄弟樽ともいえるボトルは飲んでいたため、イメージはなんとなく出来ました。
試飲ではらしさのあるBBRクライヌリッシュ1997も良かったですけど、何と言っても信濃屋創業85周年を記念したデュポンのカルバドス40年、49.5%。
ここまで飲んできた体に染み渡るような美味しさで、普段からカルヴァドスだけ飲もうとは思わないのですが、力強くそれでいて引っ掛かりの無いコクのある口当たりに、軽い酸味を伴うフルーティーさ。コニャック同様にウイスキーと対比で飲んでも本当に良いなと感じます。 

そしてもう一本ピックアップするのは、e-Powerさんが注文も受け付けていたニューリリースボトル。蒸留所不明のファインシングルモルト スペイサイド 1996-2015 リフィルシェリーホグスヘッド 49.6%。
飲んだ印象はおそらくグレンファークラスかなと。黒砂糖やキャラメルを思わせる嫌味の少ないシェリー感で、近年系シェリーとオールドシェリーの中間というか、この価格ならアリなんじゃないかなと思います。★6~ですね。


仕事上様々な展示会にかかわることが多かった自分としては、しばらく参加しないうちに、バーショーはオクトーバーフェスなどの酒飲みイベントとしてではなく、例えば電気機器家電の最大見本市と呼ばれるCEATECのような、一つの展示会として中身が洗練されたなと感じました。
確かに一時期のようにハイエンドクラスまで大盤振る舞いというイベントでなくなったのは残念ですが、丸切り見るもの、飲むものがないってワケでもないですね。
普段ネット交流が中心のウイスキー仲間とも多くお会い出来ましたし、すっかり楽しませて頂きました。



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