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2015年03月

ガイアフロー、新蒸留所を静岡に建設!

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ガイアフロー社による軽井沢蒸留設備落札と、ブラッカダー社ロビンの動きについては、新蒸留所設立の可能性として3月12日に記事にまとめたところですが、昨日3月30日、予想通りガイアフロー社から静岡に新蒸留所設立を告知するプレスリリースが出ました。


プレスリリース『 クラフトウイスキー蒸溜所を、静岡に! 』〜ウイスキー製造プロジェクト始動のご報告〜
http://www.gaiaflow.co.jp/blog/?p=275

事前に計画があったとはいえ、設備落札、検査から1ヶ月経たずにこの発表。すごいスピード感です。
ただ計画とは計画通りに進まないものですから、不慮の遅れを考慮し、ブームに乗りつつ絶好のビジネスチャンスである2020年を狙うならば、この時期しかないのは激しく同意。
気になる新蒸留所の概要ですが、現時点で判明しているのは以下のとおりです。

【今後のスケジュール】
着工開始:2015年9月
建設計画:年明けまでに蒸留所と熟成庫を1棟ずつ建設
製造開始:2016年春(製造免許もこのころまでに取得)
販売開始:2019年頃

設備は軽井沢蒸留所のものを一部再利用する方針で、特にポットスチルは間違いなく引き継ぐと思います。
ロビンもFB投稿で「まだ使えるよ!」みたいなこと言ってましたし。欧州等で人気の軽井沢の魂を受け継がない理由も見当たりません。

蒸留所の敷地は約2ヘクタールで、小規模蒸留所としてはそこそこの広さになります。
製造開始の段階では最低限の設備ながら、徐々にビジターセンター等も増築し、地域住民憩いの場としても活用出来るように計画中とのこと。
蒸留・貯蔵設備などがどれほどの面積を占めるかはわかりませんが、ビジター設備が充実するのは嬉しいですね。

建設場所は静岡県、安倍川上流部の玉川地区・・・ とのことで、安倍川上流で玉川の地名がある

・静岡県静岡市葵区落合
・静岡県静岡市葵区桂山

のあたりでしょうか。
静岡市街からは車で1時間程度。新東名高速の新静岡ICからは車で20〜30分程度の距離です。
電車のアクセスが無いのが見学(試飲)にはツライですが、概ねアクセスは良いのではないでしょうか。
近場に温泉もあるので、合わせて旅行するのも楽しそうです。

この地域は安倍川餅に加えて、ワサビの栽培が盛んで名物の一つでもあります。
すなわち良質な水があるということで、仕込み水の時点で期待が出来そうです。


なお、前回の記事の中でも述べたように、この計画にはブラッカダー社が一枚も二枚も噛んでます。
つまりガイアフローだけでなく、ブラッカダーがハブとなって、現地スコットランドへの展開も可能。
既に自分の中では、新蒸留所のロードマップとして

・2016年、ニューポットがデイブに今世紀最高の出来と絶賛される。
・2019年、ファーストリリースが販売と同時に瞬殺。
・2019年、マガジンライブ向け記念ボトル発売。
・2019年、ブラッカダー社からロウカスクシリーズ発売。
・2020年、オリンピック記念ボトル発売。
・2025年、WWAワールドベストモルト受賞、SMWSに登録される。

この流れまで見えました(笑)。
もうなんか予定調和的な感じでもありますけど。

今後の展開はガイアフローの担当者ブログの中で随時報告していくとのことで、次のニュースが楽しみです!

参考:国産ウイスキーの新たな蒸留所、北海道でなく…(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150330-OYT1T50073.html

グレンゴイン12年 従価特級 1980年代流通

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疲れた体にやさしく染みこむ麦芽系が飲みたくなったので、
今日はグレンゴイン12年の特級時代。1980年代の流通と思われる1本です。

GLENGOYNE
1980's
12 YEARS OLD
43% 750ML

評価:★★★★★★(6)

"かすかなヒネ香を伴う甘い麦芽の香り、ほんの少しグレープフルーツの酸味も感じる。
口当たりはソフトで柔らかいが、フレーバーはしっかりしている。
カラメルを思わせる麦芽の甘さとコク、アーモンド、微かにオレンジピール。
フィニッシュは微炭酸を思わせるスパイシーさと、麦芽由来の香ばしさ、苦味が残る。"


ハイランドとローランドの境界、ノンピート麦芽の蒸留所。グレンゴイン。
ソフトだが味はしっかりという、この時代の酒質を代表するかのようなモルトウイスキー。
最近のゴインは樽に振り回されてる感じがしますが、ゴインの素顔を感じることが出来る、
スタンダードな銘酒だと思っています。

そう、都会に出てきて色々ごてごて身に着けて化粧もしちゃったお姉ちゃん、
昔はあんなに純粋だったのに・・・なんて書くと妙にオッサン臭い(笑)。
あぁ、自分も歳をとったなぁ。

ちなみにこのボトル、オークション等で妙に安く落ちる時があります。
おかげで何本かストックできてるんですが、こういうの人気無いのかな?
ヘタな現行品より良いと思うんですけどねー。

グレンゴイン蒸留所_141208
(グレンゴインが好きだと話したところ、Ishihara Tatsuya氏からゴイン蒸留所の壁紙をいただきました!
淡い感じがなんともゴインらしい。こちらでも紹介させていただきます!)

マッサン終了後のウイスキーブームの行方 〜その④ 晴天なれども波高し〜

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どうにも市場の動きを考察すると、手広くやってるのがサントリーのみという状況のため、サントリー中心の考察になってしまいます。
心情的にはニッカ寄りですし、キリンの富士山麓18年も愛飲中なんですが・・・。
 
さて、長々書いたブームの考察も今回でラスト。日本市場ではなく海外市場の話です。
こちらが活発になると日本から商品が無くなるかもしれない、ある意味困った話ですが、供給側からすればブームであることに変わりは無いのでまとめます
 
 
今、本当に日本のウイスキーが評価されています。
欧州はもとより、中国や台湾等の富裕層が馬鹿買い。
国際空港免税店では入荷と同時に山崎が売り切れ、供給安定化のためサントリーが免税店での通常ラインナップ販売を停止し、免税限定のリミテッドエディションを投入するくらい。
クソ高いですがこれも売れるんでしょうきっと・・・。
 
ビックカメラは日本語が無いテロップまで出しちゃって、ヤフーオークションでは仲介業者がバシバシ落札中。 円安も手伝ってすごいことになってます。
酒屋巡りをするとサントリーの売り場がごっそり売り切れていて、店員に聞けば「中国人が買っていった」と返事があるくらい。
 
(ビックカメラ酒販コーナーのチラシ)
 
実際のところはジャパニーズだけで無く、スコッチもバリバリ売れていて、スコッチの輸出額は年々増加中。
世界的にウイスキーの市場は拡大しているワケですが、特に発展途上国は中間層以上の人口が増加した結果、 幅広い価格帯で需要が高まっています。

 
このうち、消費量でいえばインドが群を抜いてます。
ここ数年ぶっちぎりな感はありましたが、さらに成長して、 どうやったらこれだけ消費出来るんだというくらい。
2014年、世界で一番売れているウイスキー(Drinks International発表)は、ジョニーでもバランでもない、 インドのオフィサーズチョイスというウイスキー。
2位もマクダウェルNo,1という、これまたインドの地ウイスキー、3位でやっとジョニーウォーカー。
ジョニーの出荷量は全世界で1400万ケース(1億7000万本)、それでも3位。
 
ほぼ自国消費で世界的銘柄を抑えてワンツーフィニッシュに加え、3位ジョニーを除いて9位までインドですから、それだけウイスキーの需要があるのは明白です。
しかも昨年度からの消費量の伸びを見ても他を圧倒しています。まさにフォースインディアw。

日本製品はというと、角瓶が23位にランクイン。これはほぼ日本国内の消費によるところだと思いますから、生産能力はさておき伸びしろは十分です。

 
 (引用:Drinks International Millionaires' Club list 2014)

他方で上述のインド無双なランキングは、 普及価格帯を含めてのものであり、
高価格帯のプレミア品に絞るとインドは姿を消してアメリカがトップになります。
らしいっちゃらしいですね。人口分布の縮図を見ているようです。
 
各社の展開を見ると、ニッカは欧州を中心に販路を拡大中。
イチローズモルトも同様にアメリカなどでPRを行ってます。
大規模なモノでは昨年のサントリーによるビーム社買収、おおよそ欧米中心です。
 低価格品を大量に送り込むのは、生産・販売体制が伴わなければ難しいですし、まずは量より質でプレミアム品の需要があるところからという方針 なのでしょう。
 
サントリーの買収劇は対欧米市場において攻めの一手ですが、樽や蒸留所などオマケ的な要素に加え、 販路という意味で一気に足がかりをつくる事が出来ました。
一部某アレな評論家から、アメリカはバーボンだからスコッチタイプが売れるわけ無いとか、400回アメリカに行った自分の経験とか、失笑を禁じ得ない評論が展開されたりして、いやはやなんというか(笑)。

かつて日本のウイスキーメーカーは、前述のとおりウイスキー市場の急速な衰退を経験し、背水の陣というところまで追い込まれていますから、 このまま国内に留まるよりも海外へという考えは理解できるモノで す。
そのためには、いくら良いモノがあっても販路が無ければ大規模には展開できません。
海外への販路を広げて常に需要のあるマーケットに製品を送り込み安定消費を狙う、実に理にかなっています。
 
ウイスキーに関しては今後はアフリカ、インドネシアなどさらに多くの途上国でウイスキー需要が生まれていくでしょう。
マッサン終了後のウイスキーブームの行方①で記載した「世界情勢」とはこれらのことで、こうした国に如何に販路を拡大出来るかが、 今日本のメーカーに求められている状況であると言えます。
 
 
参照:スコッチ・ウイスキーの輸出額、過去10年で87%増
http://spirits.drinks-business-review.com/news/scotch-whisky-exports-from-uk-rise-by-87-020114-4154153
 
参照:ニッカウヰスキー、6年で輸出18倍 海外で高まる日本産ウイスキーへの評価
 
参照:テレビ東京 Crossroad「肥土伊知郎」 イチローズモルト
 
参照:Drinks International Millionaires' Club list 2014(PDFページ11)
 
 
●最後に
以上、ドラマの効果に加えて国内の市場と海外の市場を総括してみると、我々消費者サイドから見るブームと、 企業側から見るブームでは若干差があるものの、国内のブームは1~2年程度続いた後、 ドラマに乗っただけの層は離れても、飲み屋などでハイボールを「ウイスキーではなく酒として嗜む層」が底支えすることも見込めるため、引き続き一定の水準の消費が見込まれるのではないでしょうか。
 
また、海外市場については需要は存在するため、その獲得にはメーカー側の更なる努力が必要ですが、日本のウイスキー作りにおける品質、技術は、 もはや昭和の黎明期とは違い本家スコットランドを越えるに至ったもの。
 
ウイスキー業界の展望は「晴天なれども波高し」、さらなる競争の中に明るい展望があるものと見ています。
 

グレンリベット1975-2006 BBR 46%

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今週末は・・・イクメンでした。
イケメンじゃないですよ、イクメンです。

最近「残念な夫」とか、「ガキ夫」なる単語が出てきて、
世の男性陣の肩身がますます狭くなってるんじゃないかと危惧しています。
でもね、がんばってるんですよ男性陣も。
すごーく複雑な気持ちを抱えながら。だから残念とか言われると傷ついちゃうわけです。

さて、今週末はインターナショナルウイスキーデー直後の週末ということで、
かなりビックなイベントが2つありましたが、2つとも・・・参加できませんでした。
ただウイスキー仲間から「これどう思う?」と開封済みボトルを誕生日プレゼント代わりにいただいたので、それを飲んで明日に備えます。

BERRY'S OWN SELECTION
GLENLIVET DISTILLERY
1975-2006
46% Cask No,10825/10827/10843/10845

評価:★★★★★★★(7)

"ツンとしたアルコール感、ジャム感のあるシェリー香、レーズンや杏、ハッカ、黒砂糖。 
バッティングした原酒の影響か、ころころと表情が変わる。
口当たりは粘性のある良質なシェリー感だが、合わせてトゲトゲした刺激。
紅茶、杏ジャム、オレンジピール、焦げたオーク、かすかな青い麦芽香・・・。
フィニッシュはスパイシーで刺激的。トーンの高い甘さが長く残る。"


ホントにコレ46%か?というほど刺激が強いこのボトル。
結構時間かけて飲めばグラスの中で緩和されていきますが、注ぎたてだと50%後半、60%って言われても納得してしまう気がします。

おそらく4種類の原酒の中に、使い込んだ樽の熟成で熟成感の少ない、
青くてトゲトゲした高度数な原酒が含まれていて、それを濃厚なシェリー樽原酒で混ぜて、
最後にちょっと加水した46%なんじゃないかなと。 
その結果シェリー感にまぎれて色々違うベクトルのフレーバーが感じられるので、ちょっと複雑な気持ちになってしまいます(笑)。

しかしそれでもシェリー感はGOODです。
ジャム感と言える、粘性がある杏やレーズンなどのフルーティーさは、今では中々得がたいフレーバー。
当時1本6000円だったとのことですが、ホントいい時代でしたね。

ちなみに仲間からの質問は「パフュームを感じる」ということだったんですが、
このフレーバー要素の有無については、妻とも確認して「無い」という結論に至りましたw
(色々感じられるフレーバーの何かや、妙にトーンの高い余韻がそう感じさせるのかもしれません。)

マッサン終了後のウイスキーブームの行方 ~その③ 各社の取組の効果は?~

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需要があるのか、はじめてしまったら止められませんから書き続けるしかないブーム考察。
シリーズモノはここが怖い(笑)。

第2の要因として、各社の取組ですが、 これは国内向けと国外向けの取組があります。
後者の国外向けは、販路の確保をさらに進めるというところで、「その④」に続く話ですから、
国内向けの取組についての分析となります。

まず、 過去ウイスキーブームが起こっていた1980年頃の状勢について 、おさらいしてみます。

1980年代のウイスキーブームの絶頂は、 サントリーオールドの最高出荷記録(12000000ケース) をたたき出した1980年頃です。これは1973年までの高度経済成長により日本人1人あたりの所 得が大きく回復し、人口も増え、安定期に入ったところ。
"2本箸作戦"などの戦略もハマり、嗜好品へのあこがれから、 ぐんぐん消費が増えていった状況です。

その後、 複合的な要因によってどんどん市場を縮小していくことになるわけですが、
ここで重要なのは消費を伸ばしたサントリーの2本箸戦略であり、 バブル期で消費が伸びなかった背景として、 ギフト用にレアなパッケージを作ったり、 代わり映えしないCMを流す程度で、いわば所得が増えたのに依然ターゲットを変えてない、下地作りに積極的でなかった、 という、 言ってしまえば各社の戦略の稚拙さにあると考えています。

では現在はどうでしょうか。
今回のウイスキーブームはドラマと共に火が付いた印象があります が、
その下地であるハイボールブームは非常に緻密に、 しっかりとした戦略の中で仕込まれていたもので、
一時的に売るためだけのPRではなく、 長期的に市場を作るための試みが多く行われていました。
詳細は以下参照のプレジデントオンラインの記事を見ていただければと思いますが、
その戦略は今までウイスキーを扱って無かった店、若者層をターゲットとした真・2本箸作戦とも言えるほど、 ただの営業売り込みではなかったことがわかります。


(引用:サントリーWEBページ。)
(作り方も店舗側に徹底して、狙い通りの美味しさが出せるようにしている。)

この戦略で、若者にウイスキーが身近になっていたのは大きく、
飲み屋での取り扱い増加を始め、特にサントリーのハイボールバー、銀だことのタイアップなど、
とにかく街に出て気軽にウイスキーを飲める環境が整っていきました。
かつてBAR、PUBなどの夜の街主体の環境が大きく変わったと言えます。

さらにサントリー、ニッカはドラマで付いた付加価値をフル活用するため、
復刻版のウイスキーや新商品を投入して、 ブームを長続きさせる戦略をとっています。
キリンはWEBで限定ウイスキーを販売、マルス、ガイアフローなどでも動きがありますね。
懐広く、奥が深い、 各社の取組で現在のブームは盤石の状況と言えるところにあると感 じます。


参照:古くて新しい製品「サントリー・ハイボール復活物語」( プレジデントオンライン)
http://president.jp/articles/-/5691

参照:ウイスキー各社、「マッサン」効果の維持狙う 戦略商品や増産で愛飲者確保(産経新聞)
http://www.sankei.com/economy/news/150327/ecn1503270003-n1.html

参照: 地ウイスキー、クラフトビール、着実な成長

参照:キリン、凋落を招いた稚拙な海外戦略 遠ざかる"M&A巧者"サントリーの背中
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150328-00010001-bjournal-bus_all&p=1

しかしニッカ(アサヒ) やキリンが何もしていなかったとは言いませんが、
サントリーがこれだけ仕込んだところに、 マッサンでニッカが持って行く。。。
マッサンの放送や宣伝については、サントリーが色々口出ししたなん てゴシップがありましたが、
そういうコトを言う気持ちも、 わからなくもない気がしてしまいますね(汗)

参照:サントリー、講談社に激怒。
http://biz-journal.jp/2014/11/post_6529.html

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