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4月13日に発売された、グレンマッスル No,3 New Born Little Giantおよびその構成原酒。
現在の社会的状況下でのリリース故、不安はありましたが、まさかの数分で完売。
今回のボトルは、イベント等で事前に飲む機会もなく。3作目とはいえ、素性のよくわからない決して安くもないウイスキーに、ここまでの関心を持っていただけて本当に感謝です。

SNSを見ると、買えなかったけど飲んでみたい、どこのBARで飲めるのかわからない。オフィシャルの○○に比べたら割高なのではないか等の様々な反響もありました。
飲めるBARについては、これまで第1作、第2作でも掲載しており、今回も可能な範囲で情報をまとめましたのでこの記事で紹介していきます。
また、先に公開したNo,3のレビュー記事では、ブレンドの行程や三郎丸蒸留所の紹介を主としており。”グレンマッスルとは”の部分を省略していましたので、メンバーのコメントと合わせて改めて記事にまとめたいと思います。

※記事構成
・グレンマッスルのブランド位置付け
・テイスターレビュー(座談会形式)
・グレンマッスルNo,3が飲めるBARリスト

※参考:本ブログでのレビュー

■グレンマッスルとは
グレンマッスルはウイスキー好きのためのオリジナルブランドであり、愛好家が飲んで楽しめるような、笑顔になるようなリリースを目指しています。それは何を基準としているかというと、オフィシャルスタンダードとは異なる領域で、”美味しいだけでなく、ちょっと尖った魅力のあるリリース”であることです。

尖った要素としては、ワクワクするようなバックストーリーや、あるいは特定の個性を強調するような、オフィシャルのそれとは異なるバランスであるとかです。
従来、このジャンルは主にボトラーズリリースが担っていた領域です。
もちろん現在もそうなのですが、原酒の枯渇や価格の高騰から、選択肢は減少傾向にあります。予算を増せば手に入るのは当たり前ですが、ボトラーズメーカーを介して1万円前後という価格帯で、該当するリリースを実現することは困難な状況と言えます。 

ならば自分達で作ることは出来ないか。具体的には国内蒸留所やウイスキーメーカー協力のもと、彼らが保有する原酒を用いてメンバーがブレンドやリリース全般の監修、テイスティング(評価)等を行うもので。。。言い換えると、実例と共にメーカー側に愛好家としての意見を伝えているとも言えます。
そしてそれを実際に作るか、アレンジを加えてリリースするかは、メーカーの判断に委ねられています。

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■グレンマッスルテイスターの評価
No,3に対する自分の感想は、先日熱く語らせてもらった通りです。ではメンバーはどう感じているのか。
本リリースは4月13日発売ですが、JWフェスに合わせてのもので、2月中旬の時点でボトリングは完了、うち1本をサンプルとして取り寄せ、都合のついたメンバーで状態確認をしていました。
その際のメンバーの感想を、トーク形式でまとめていきます。これからグレンマッスルNo,3を飲まれる方は、その手引きとしても楽しんでもらえたら幸いです。


※2020年3月 新宿ウイスキーサロンにて
”ありえたかもしれないマッスルトーク”

くりりん:三郎丸蒸留所からグレンマッスル3のサンプルボトルが届きました。我々がレシピを作った時点から、ちょっとだけ各原酒の熟成も進んでいるので、改めてテイスティングしてどうでしょうか。

静谷:度数はあるのに、思ったより香り立ちが優しいですね。ドライでそこから焚き木を思わせるスモーキーさが、柑橘系の要素と共にある。

木下:・・・(ええやん)。

倉島:黒土や根菜、内陸系のピート香ですが、潮気も伴うような。アルコールの刺激、あとはジンジャーやスパイスを思わせる要素が複数感じられる。ちょっとBBQっぽい煙と甘さも出てきます。

くりりん:香りはそうなんですが、口に含むと一気にきますね。

倉島:確かに。最初はオイリーな感じですが、生き生きとしたピートとスパイシーな刺激に切り替わる。それをふくよかなモルティーさが支えています。

静谷:オレンジビターズみたいな柑橘感、ほろ苦さは味でも感じます。スモーキーさは囲炉裏のような穏やかな感じにまとまっていくんですが、スパイス系のフレーバーが残りますね。

くりりん:若い原酒由来のニュアンスがありつつも、ネガではなくフレッシュな部分に現れていると思います。オイリーでボディのしっかりした酒質や柑橘系のニュアンスは、三郎丸らしさでもあります。

木下:・・・(味もええやん)。

倉島:若さはありますが、このバランスというか複雑さというか、杯が進んでしまうボディ感が良い。

静谷:加水も良いですね。柑橘系の酸味がはちみつ林檎酢みたいな柔らかい感じに変化する。ああ、これはハイボールも良さそう。ちょっと贅沢ですが(笑)

木下:・・・(これはロックやな)。あ、静谷さんロックグラスと氷もらって良いですか?

くりりん:度数は58%ですが、なんだかんだみんな杯が進んでますね(笑)。

静谷:シェリー樽原酒の比率がちょうど良いですね。これ以上多かったら加水やハイボールでバラけてたかもしれません。

倉島:バーボンオーク由来の甘みだけでなく、シェリー樽由来の甘味もちゃんとあるのが面白い。ブレンデッドらしさですね。味で感動するウイスキーではないかもしれないけど、飲んで笑顔になる楽しさ、力強さがあると思います。

木下:・・・(ロックええやん)。

くりりん:将来性という点ではどうでしょう。マッスル4(仮)に向け、現在進行形で同じブレンドの熟成が進んでいるわけですが。

静谷:ちょっと樽の繋ぎというか、余韻にかけて樽感が足りない印象が補われてくれたら面白いですね。

倉島:これはこれでまとまってるけど、完成していない要素もある。追熟の樽はバーボンでしたっけ。

くりりん:バッファロートレースの1st fillだと聞いてます。それを三郎丸蒸留所の冷温熟成庫に保管です。サンプリングして、樽感が足りないようなら、リリース時期や熟成場所を変えて貰うのも手です。
※冷温熟成庫:若鶴酒造にある日本酒用の原料を保管するための倉庫。原酒の一部はここで保管されている。温度は夏場でも20度に届かず、湿度も保たれており、スコットランドに近い環境となっている。

倉島:比較してテイスティングしたら面白そうですよね。そういう意味でも今回のリリースは様々な楽しさがあると思います。

くりりん:比較という意味では、構成原酒もあります。三郎丸蒸留所の可能性を楽しんでもらうというコンセプトとして、現在地、将来のイメージ、双方を比較して楽しんでもらえたら嬉しいですね。

静谷:現時点でも美味しいですが、若さはある。それが熟成を経て良くなっていく姿がはっきりイメージ出来るのが、すごくポジティブな感じだと思います。飲んでて元気でてきました。

くりりん:リリースがますます楽しみですね。リーダー、尺もあるんで最後に今日の総括いただけますか?

木下:ええやん!(ええやん!)

くりりん:皆さん、本日はありがとうございました。


■GLEN MUSCLE No,3 が飲めるBAR
本リストは、ご購入いただいた旨のご連絡、確認がとれたBAR・飲食店のリストとなります。この他、新たに情報がわかりましたら、随時更新していきます。(2020年4月14日時点)

BAR BOTA (北海道 小樽)
BAR Fish born (北海道 帯広)
BAR 無路良(北海道 札幌)
バルハルヤ(北海道 札幌)
洋食屋さん りもーね(岩手 滝沢)
BAR Harry's 高岡(富山 高岡)
BAR 無駄話(茨城 下妻
BAR レモンハート(東京 大泉学園)
旬味 菜野(東京 北千住)
BAR Boushu 蔵前(東京 蔵前)
BAR Groovy(東京 神田)
BAR Eclipse first(東京 神田)
BAR Algernon Sinfonia(東京 赤坂)
BAR もるとや(東京 池袋)
Jam Lounge (東京 高田馬場)
BAR Unite(東京 新宿)
BAR Louge(東京 新宿)
BAR 新宿ウイスキーサロン(東京 新宿)
BAR LIVET(東京 新宿)
BAR Highlander Inn(東京 人形町)
BAR Shu-shu(東京 葛西)
BAR Shanty Shack(神奈川 横浜)
&BAR Old⇔Craft(神奈川 関内)
BAR BARNS(愛知 名古屋)
BAR Rubin's Vase(愛知 名古屋)
ANNIE HALL BAR (京都 ハトヤ瑞鳳閣)
BAR Kaguya(京都 宇治)
BAR シルバームーン(京都 伏見)
BAR TANKS(京都 今出川)
BAR MINMORE HOUSE(大阪 北新地)
BAR SIMON(大阪 難波)
BAR Hotaru (大阪 神山町)
憩処ありがとう(岡山県 笠岡)
BAR TRANSENDANCE(広島 中区胡町)
BAR Shamrock(香川 高松)
BAR Higuchi(福岡 博多)
BAR poco rit(沖縄 松山)

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■最後に
今回のグレンマッスルリリースは、新型コロナウイルスの感染拡大の最中という、大変難しい状況の中で行われました。
ご購入いただいた皆様もそうですが、製造元である若鶴酒造、ならびに三郎丸蒸留所の皆様は、別途ニュースにもなっている高度数アルコール製造対応の真っ只中で、本リリースを行っていただいたということになります。
本当に、頭が上がりません。。。

今回のリリースにあたっても、ジャパニーズウイスキーということを考えれば、価格設定は強気にすることもできたはずです。
しかし我々が贔屓目抜きにみても、プライベートボトルとして妥当(むしろ安い)と思える設定や、蒸留所見学やブレンド作りにおける各種サポート等、本企画に理解をいただいた、三郎丸蒸留所の稲垣マネージャーの「愛好家と一緒にウイスキーを楽しみたい」という心意気があったからこそ、今回のリリースは実現したのだと思います。

レビューや裏ラベルでも触れていますが、グレンマッスルNo,3は、三郎丸蒸留所の将来を、可能性を楽しんでもらうウイスキーです。
それは時間が経てばなんとかなるだろう、という無責任なものではなくて、間違いないというある種の確信を持ってリリースするものです。
その将来のイメージを形にしたのが、No,3 New Born Little Giantであり、現在地が同時にリリースした構成原酒#274です。

勿論、トータルでの完成度としてはオフィシャルの同価格帯でもっと良いものがあると思います。ですが、前置きのとおりグレンマッスルはその領域でトップを目指すものではありません。
このリリースから感じられる将来への期待、ワクワクする気持ち、そしてオフィシャル加水リリースにはない尖った個性、通常のリリースでは語られないようなバックストーリー。。。それらを是非楽しんでいただくと共に、次のリリースにも期待頂けたら幸いです。

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……Special thanks to Saburomaru distillery manager T.Inagaki

See you Next Muscle No,4.