カテゴリ:
IMG_20200219_232506
Ichiro's Malt & Grain 
SINGEL CASK WORLD BLENDED 
For CHICHIBU WHISKY MATSURI 2020 
Finished Cask type French Oak #7256 
Bottled 2019 Nov 
700ml 58.6% 

グラス:国際規格テイスティング
時期;開封後数日以内
場所:ジェイズバー
評価:★★★★★★(5ー6)

香り:クリーミーなバニラ香やお香を思わせる甘い木香が支配的に広がる。合わせてウッディで干し草のようなニュアンスに、ややスパイシーで生姜や筍のようなアロマが混じる。

味:濃厚で香り同様にフレンチオーク由来のフレーバーが、含み香としてもわっと広がる。中間にはグレーンの甘味、微かに洋梨の白い果肉、ほのかなえぐみ。じわじわとトーンの高い刺激を伴う。
余韻はスパイシーでウッディ、さらさらとした乾いた舌あたりを残し、フレンチオークの要素が長く続く。

香味ともフレンチオーク由来のクリームのようなバニラ系の香味が主体的に備わった、樽感の強いブレンデッド。その香味は、柔らかくというよりも、お香に火をつけたように鼻腔、口内に広がる。あるいは新築のコテージや桧風呂の木の香りに包まれるようでもあり、特徴的な構成である。加水するとマイルドにはなるが、樽と酒質が分離するようなアンバランスさも感じられた。

IMG_20200219_232432
IMG_20200219_232535

秩父ウイスキー祭りでリリースされる記念ボトルのなかでも、目玉と言えるイチローズモルトからの2銘柄。シングルモルト秩父とワールドブレンデッド、その2020年度リリースの1本です。
販売は会場での抽選となるため運試し的な要素も強く、その後リユース市場での動向含めて良くも悪くも注目される銘柄でもあります。

2019年の同イベントでリリースされたワールドブレンデッドは、ベースとなるウイスキーをバーボンバレルでフィニッシュしたもので、スタンダードな構成というか良くも悪くもイチローズモルトらしさのあるキャラクターであったところ。
一方今年のリリースはフレンチオーク由来の樽香である、バニラクリームを思わせるニュアンスが全面に出て、ウッディなえぐみは控えめ。なかなか個性的な仕上がりとなっています。
ラベルに後熟樽として表記されたT5は、樽を作ったTaransaud社の規格であり、5年間自然乾燥させたフレンチオークを、225~228リットルサイズに組み上げた特別仕様の樽なのだそうです。

4a56f11c
(秩父ウイスキー祭り2019でリリースされたワールドブレンデッド。フィニッシュの樽のキャラクターはあまり強くないが、その反面秩父モルト含めて使われた原酒の個性を感じやすい。今年のリリースとは対局にあるような1本。)

7249c644
(フレンチオークでフィニッシュされた、ワールドブレンデッド"ジャズラウンジ「マデュロ」向け"。全面に感じるバニラクリームのような樽香は共通項で、同系統のウイスキーと言えるが、こちらの方がウッディさや秩父モルトを思わせるニュアンスが強い。)

シングルカスクブレンデッドは、1樽分のみ作られる仕様であるためか、通常のブレンドに比べてはっきりとしたキャラクターとなる傾向があります。
ただ今回のボトルは、秩父モルトも使われているのでしょうが、スタンダードリリースのホワイトラベルの延長線上にあるようなレシピを思わせる構成で。。。プレーンな内陸系モルト比率が高く、グレーンも4~5割ほどか。フィニッシュで付与された濃厚な樽香に反して、ベース部分がそこまで強く主張してこないのです。
それが悪い訳ではなく、これはこれでまとまるとも言えるため、樽を味わうブレンドとして楽しむものと感じました。

ちなみにテイスティング段階で詳細スペックを認識していなかったことで、その木香の強さをして「なにこれ?ミズナラ!?」と誤認(汗)。
冷静になって、過去にテイスティングしたボトルのなかで特に似ている香味を持つマデュロ向けに思い当たり、これフレンチオークじゃんと、間違いをただせた訳ですが、そのままレビューを書かなくて良かったです。
あぶなかったー。。。