カテゴリ:
IMG_20200105_210719
THE JOHN GRANT 
Pure Malt Scotch Whisky 
(Glenfarclas)  
Aged 17 years 
1980's 
750ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:サンプル@BAR 1two3 
評価:★★★★★★★(7)

香り:レーズンや砂糖漬けのクランベリー、カラメルソースや少し焼き洋菓子を思わせる香ばしさも混じる、濃厚で甘酸っぱいアロマ。シェリー感の奥には加水ながら強めのアタックもあり、全体の骨格、リッチな香り立ちを構成している。

味:スムーズだがリッチな口当たり。香り同様のシェリー感があり、色濃い甘酸っぱさ、ダークフルーツを思わせるフレーバーが、酒質の強さに後押しされてウッディなタンニンを伴って広がる。
余韻はウッディでビター、微かな土っぽさ。カカオチョコレートにレーズン、ビターでドライなフィニッシュが長く続く。

濃厚なシェリー感、黒砂糖やダークフルーツの要素が詰まった秀逸なモルト。香りはふくよかで豊潤、口当たりはスムーズだがシェリー樽由来のとろりとした甘味の中には力強い骨格を感じさせるファークラスらしさが、しっかりと備わっている。少量加水すると少し水っぽさは出るが、クリーミーな甘味が感じられる。

IMG_20200106_003515
IMG_20200105_210746

情報が少ないボトルですが、かつては日本で並行品が格安販売されていたらしいジョン・グラント名義のグレンファークラス。
1980年代後半から1990年代にかけ、グレンファークラス17年が日本市場向けの限定ボトルとしてリリースされていたため、同時期に同じタイプの原酒を使ったものをイタリア辺りに展開した一つではないかと推察します。(他に6年のリリースが確認できますが、これもまたほとんど情報がなく。。。)

グレンファークラス17年は、現オーナーのジョン・グラント氏がもっとも気に入っているオフィシャルグレードであることが紹介されていますが、それで17年でジョン・グラントなのかと紐付けるのは早合点。
蒸留所を経営するグラント一族は、代々同じ名前を息子につける伝統があるため、ジョン・グラントとジョージ・グラントは150年を越える一族経営の歴史の中で絶えず登場しており、それぞれ現在3代目。1865年に蒸留所を買収して一族経営を始めたのが初代ジョン・グラントであり、今回のラベルに書かれている肖像画のその人です。

よって、現在のオーナーの好みと初代とでは結び付かないエピソードですが、量産品でありながらこれだけのクオリティのシングルモルト、名前を使われても文句はないだろうと感じてしまいます(笑)。
特筆すべきは濃厚なシェリー感。近い熟成年数のオフィシャルと比較して、1990年代流通のダンピー仕様よりは間違いなく上質。角瓶時代と比較しても遜色のない印象。べたつかず、ダークフルーツとウッディネスのキャラクターも感じやすく、レベルの高い1本だと思います。


※先日に引き続き、愛知のBAR 1two3の村田さんと交換していた、サンプルのレビューです。村田さんからは、自分のブログに掲載されていない古く怪しげなボトルのオファーを良く頂くため、経験値的にも、情報をとりまとめる上でも大変助かっています。

IMG_20191228_185309
今日のオマケ:ロバート・モンダヴィ プライベートセレクション 
シャルドネ ”バーボンバレル・エイジド”
カベルネ・ソーヴィニョン ”バーボンバレル・エイジド”

カリフォルニアを代表するワイナリーから意欲作。バーボンウイスキーカスク熟成された、シャルドネとカベルネ(カベルネは一部該当ワインをブレンドしたもの)。ワインの樽熟にアメリカンオークが使われることは珍しくありませんが、ウイスキーカスクはあまり数はありません。
ロバート・モンダヴィについては、カリフォルニアワインの先駆者としての実績と歴史から、その品質は折り紙付き。ただノーマルのプライベートセレクションは、同銘柄のデイリーユースというかエントリーグレードに当たるため、個人的には些か雑に作ったような味の印象もありました。

シャルドネは、新世界らしく角のとれた包容力のある酸が広がる。。。ように見せかけて、中間からオーク由来かバニラ系統の甘味、トーストの焦げ感も微かに加わって酸を打ち消すように広がる個性的な仕上がり。
カベルネは。。。そもそものベースが濃厚な赤なので、どの辺がバーボン樽由来と言われても難しいのですが、中間以降のタンニンが多少クリーミーな質感をもって感じられるあたりに、仕事をしているのかもしれません。
双方中々面白いワインだと思います。

それにしても、このワインの熟成に使われたバーボン樽はどこのものなんでしょう。
これまで、ウイスキーは様々な酒類の樽を熟成に用いることで、個性を多様化してきた歴史がありますが、その逆の流れが生まれていることは興味深いことだと感じています。