シークレット スペイサイド 25年 1992-2018 For モルトヤマ 49.6%
Single Malt Scotch Whisky
A Secret Speyside
Aged 25 years
Distilled 1992
Bottled 2018
For Maltyama 5th Anniversary
700ml 49.6%
グラス:国際企画テイスティング
時期:開封後1年程度
場所:自宅@サンプル
評価:★★★★★★(6)
香り:ドライで華やか、スパイシーなオーク香。バニラに加えて洋梨やマスカット、色の濃くない果実のフルーティーな要素、ジンジャー、また微かにマロングラッセのような甘くほのかにビターなアロマも伴う。
味:香りのドライさ相応のスパイシーな刺激、乾いた木材を思わせるウッディネス。ただし相反するまろやかさもある。
洋梨のピューレ、ファイバーパイナップル、微かにナッティー、所謂オーキーなフレーバー主体。徐々にリキュールのような甘さ、近年系のトロピカルなフルーティーさも感じられつつ、華やかでドライ、スパイシーなフィニッシュが長く続く。
最近増えているスペイサイドリージョン長熟系統に似た樽使い、というだけである程度分類が出来てしまう香味構成。ただ、このボトルは香りこそドライでスパイシーだが、熟成が適度で味わいにまろやかさがあり、余韻にかけて開いてくるフルーティーさが好印象。香りは及第点だが味は★6+加点。この段階的な変化は加水するとぼやけてしまうので、ストレートでじっくりと楽しみたい。
富山の酒販、モルトヤマが開業5周年を記念してリリースしたオリジナルリリースの1本。店主曰く、5周年記念の集大成と位置付けるボトルです。
少し前に静岡の某S氏と小瓶交換していたのですが、すっかり飲み忘れており。。。先日富嶽三十六景グレンキースを飲んでいて、あれそういえばあったよなと思い出し、今さらですがレビューをUPします。
蒸留所は非公開。飲んで早々わかるような明確な特徴もないのですが(もしヒントがなければグラントかバーギーあたりかと思うフルーティーさです)、ラベルに写っているのは樽のフープの鋲"リベット"とのことで、成る程そういうことねと。とすると、名前に"A"がついてるのは"The"の変わりで、スペイサイドの蒸留所のなかの一つという以上に文面上特定できないからか。
そう言えばこのボトルのリリース前に、モルトヤマの下野君はThe Whisky hoopのチェアマン坂本さんとスコットランドの蒸留所、ボトラーズメーカーツアーを実施していました。今回の原酒をその関係のなかで調達したとしたら、フープの意味はそういうこと?とも読めて、色々意味が込められてるラベルだと思えてきました。
今度イベントとかで会うと思いますので、その辺聞いてみたいと思います。
香味は華やかで強くドライ、そしてスパイシー。所謂オークフレーバーに該当する要素ですが、ドライさやスパイシーさに特徴的なものがあると感じます。それはかつてダンカンテイラーのピアレス香と言われたもの以上に作為的なニュアンスがあり、それが不味いとは言いませんが、どう処理した樽を使ってるのかは疑問の一つ。
少なくとも2000年代前半にかけてGM、シグナトリーケイデンヘッドやムーンインポートなど。。。ボトラーズ界隈の"Tier1"と言えるような古参主要メーカーは、こういう味わいのものをリリースしていませんでした。
そこに変化が出てきたのが、2000年代後半。ドイツ系ボトラーズ、ウイスキーエージェンシー社ら新興勢力の登場からです。
同社がリリースする長期熟成のモルトには、妙にスパイシーで華やかさの強調されたオーク香を持つものがあり、代表的なのが1970年代蒸留のスペイサイドリージョン。金太郎飴かってくらい、みんな同じ香味があるんですよね。
で、今回のボトルはそれに近いニュアンスがあり、近年系の仕上がりだなと思わせつつ、口当たりから広がるマイルドな甘味とトロピカル系統のフルーティーさが魅力。値段は相応に高いですが、1990年代蒸留ながら良い樽引いてきたなと。同酒販店の業界との繋がりと、その意味で5年間の活動の集大成と感じるような1本でした。
如何にも新世界ですという、濃厚で強いカリピノ。ピノらしいベリー香に、果実の皮や湿った木材、濃縮葡萄ジュースのようなジューシーな甘味と酸。樽は古樽主体か目立たず、余韻は程よいタンニンと微かにスパイス。ジューシーさが少々くどいというか、アルコールを思わせる若干の引っ掛かりもあり、食事と合わせるなら今でも充分飲めるが、飲み頃はまだ先にあると感じる。
2012年は当たり年との評価で、環境が良かった結果強いワインが産まれたのか。現時点のイメージは若手の豪腕速球タイプ。もう5年は様子を見てみたい。さらに成熟した選手に育つか、あるいは。。。
とある事情で、このワインが通常流通価格の半額以下とめちゃくちゃ安く手に入る機会があり。この手のワインの香味はウイスキー好きの琴線に触れるものがあるので、まず間違いないと、普段飲み用にまとめ買い。
ただあの価格だから買うのであって、日本での流通価格(5000円前後)で買うかと言われたら候補にない。。。というかカレラが最強過ぎる。濃厚で強いタイプならオーボンクリマでも良い。
とりあえず自分で2本、会社の飲み会等で2本、4本飲んだので残りは熟成に回す予定。来年の今頃、また様子をみたいと思います。
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