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KILCHOMAN 
THE FIRST EVER 10 YEARS OLD SINGLE CASK FOR JAPAN
Aged 10 years 
Distilled 2008 
Bottled 2018 
Cask type Bourbon #266/2008 
700ml 56.5%

グラス:シュピゲラウ
時期:不明
場所:BAR ハリーズ高岡
評価:★★★★★★(6)

香り:角のとれたピーティーなスモーキーさ、塩素を纏ったほのかなヨード香、薄めた蜂蜜と柑橘、合わせて土っぽいアロマと干し草、若干武骨な要素を伴うウッディネス。

味:香り同様に角のとれたピーティーさ、ほろ苦い口当たりに蜂蜜レモン、微かに根菜のような土っぽさ、後半にかけてピートフレーバーが盛り上がるよう。余韻はスモーキーで程よいウッディさ、徐々に乾いた麦芽風味を感じさせつつ長く続く。

適度な熟成感、ウッディネス、そしてアイラらしいピーティーさの整った、若いなりにバランスのとれた構成。近年のアイラ10年熟成と考えれば充分合格点と言えるだけでなく、大器の片鱗を感じさせる。


昨年リリースされた、キルホーマンの日本向けボトルとして初めての10年熟成シングルカスク。キルホーマン全体としては、2018年時点で12年熟成や、話題になったシェリー樽のエクスチェンジ向け(これも10年熟成)など10年熟成以上のものが複数リリースされていましたので、若干後追い感はあります。

ただ、キルホーマンのバーボン樽熟成で、特に7~8年以上のものは適度な厚みの麦系のフレーバーに、オーキーなフルーティーさが合わさって熟成したラフロイグ等に通じる要素を備えた仕上がりとなっているものが多く、短熟だからと軽視できない仕上がり。
2000年代以降のアイラモルトは、紙っぽさや溶剤系のような要素を伴うなど、一時期に比べて仕上がりに陰りが見られるものが少なくありませんが、キルホーマンはここ最近のアイラモルトのなかでは最も将来性が感じられるわけで、その日本向けというだけで期待してしまいます。

そういう経緯から、今回のテイスティングも上記のようなフルーティーさが強化されたような仕上がりかと思いきや、思っていたのとフルーティーさの系統がちょっと違う。総合的に良くできているのは間違いなく、これはこれでアリなのですが、類似のキャラクターだとカリラやラガヴーリンのような・・・ちょっと系統が違う仕上がりであるように感じられました。

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(同日飲み比べた、キルホーマン6年2011-2019 メモリーズオブスコットランド(右)。こちらのほうがフルーティーさに柑橘プラス近年トロピカル系統が分かりやすい。総合的な完成度としては熟成感がある日本向け10年のほうが好みだが、分かりやすさと自分の求めるキルホーマンのキャラクターはメモリー~のほう。)

キルホーマンは100%アイラシリーズとして、蒸留所所有の農場(ロックサイドファーム)で生産された麦芽をフロアモルティングで仕込むなど、モルトスターから仕入れた通常の原料以外も使って原酒を蒸留しています。樽の質以外でそうした原酒部分の違いも、熟成後のキャラクターに影響しているのではないかと推察。
実際、これまでオフィシャルでリリースされている100%アイラシリーズは、ボディがあるというかフレーバーに厚みが感じられるように思います。

今後、これらの原酒がどのように育っていくか。3年熟成のリリースが2009年に話題になったあとは、ハネムーン期間の終わりというか、一時期話題になりづらかったキルホーマンですが、その間酒質は確実に良くなってきて、いよいよ飛躍の時を迎えたというのが2018年から2019年にかけて。
初期の頃のものは20年以上持つ酒質ではないと思いますが、15年熟成くらいで他のアイラを圧倒するようなリリースを楽しみにしています。(できればそれも、日本市場向けがほしいですね。)

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今日のオマケ:ローソンの1000円ワインシリーズから、ブルガリアのシラーズ&カベルネ、ロゴダジ2015。アテは夏休みの勢いで作ったローストビーフ。
このワイン、色合いのとおり濃厚ではあるんですが、ボディがちょっと軽いというか、そこまでしつこくないので食中酒に使いやすい印象。柔らかい酸味としっかりめの甘味、微かにベリーとスパイス。これはデイリーに使えるコスパ良好な一本でした。