カテゴリ:
IMG_20190723_170846
GLEN GRANT 
HIGHLAND MALT SCOTCH WHISKY 
1980's
750ml 43%

グラス:国際企画テイスティング
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★★★(6ー7)

香り:おしろいやバニラ、洋梨の品の良い甘味、微かに苺の白い部分を思わせるような酸も伴う。厚みのある麦芽香主体のふくよかなアロマ。

味:香り同様に厚みのある麦芽風味。すりおろし林檎とパンケーキの軽やかな香ばしさ、干し草、徐々にほろ苦くスパイシー。余韻はほのかなピートとエステリーさが麦芽風味とあわせて感じられる。

若い原酒主体だが充分旨い1本。麦芽風味が厚く、多彩で、この点が現代のグラントNASグレードとは大きく異なる要素である。
なお注ぎたては情報量が多いが、それが次第に失われてやや単調気味に変化する。香味に対する慣れもあるだろうが、樽から得られる香味がまだ少ないからかもしれない。

IMG_20190723_170813

1980年代当時、角瓶のエイジング表記有りのグレードを含めて、数あるグレングラント・オフィシャルラインナップのなかでもスタンダード扱いだったと思われる1本です。
香味から察するに熟成年数は5年~8年程度で、比較的若い原酒がメインと思われる構成。樽はあまり効いておらず、リフィル以降のバットあたりでの熟成と推察。ですが、だからこそ当時の酒質の良さと厚みがダイレクトに味わえる佳酒に仕上がっています。

同じ時期にリリースされていた、トールボトルの5年モノとの香味の共通点もありますが、今回の年数表記無しの方が、序盤は複雑で多彩。麦芽風味のなかに情報量が多く備わっています。
ボトルの状態の良さでしょうか。以前同じものを飲んだものより多彩さと、好ましさを強く感じました。単一年度ではなく、複数の熟成年、多数の原酒を使って作った輸出向け大量生産ロットだからこそ、逆に序盤で感じた複雑さに繋がったのかもしれません。

流通時期等については、輸入業者であるキリンシーグラムの住所が八丁堀であることと、容量の表記が750mlであることから、1980年代前半の国内流通と推察。他サイトでは、1984年の洋酒図鑑から掲載され始めるとの情報もありますが、例えば1982年ないし1983年からキリンシーグラムが国内販売を開始し、掲載のタイムラグが1年程度あったとすれば違和感はありません。
以上の流通時期、熟成年数考察を前提に考えると蒸留時期は1970年代中頃。そりゃあ美味しいわけですよ。

一方、どれだけ多くの原酒を組み合わせて加水調整で整えても、若さ故の刺激は多少残ってしまうもの。余韻にかけてそうした刺激が感じられただけでなく、香味が単調気味であるというか、序盤の多彩さが持続しないようにも感じられました。
またグラスのなかで香味が抜けていくのも早く、ベストなポテンシャルを発揮できる期間が短いようにも・・・。以前飲んだボトルが今回よりも単調に感じたのは、飲み頃のピークを外してしまっていたからかもしれません。
今回は最後の2杯のうちの1杯でしたが、良いタイミングでテイスティングすることができました。