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EZRA BROOKS (OLD EZRA) 
RARE OLD Sippin' Whisky 
Aged 15 years 
1980's 
750ml 50.5% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR BRACK HEART
時期:不明
評価:★★★★★★★(7ー8)

香り:しっかりとメローで濃厚、艶のある甘み。キャラメルソースのかかったバニラや赤いドライフルーツ、微かに溶剤系の刺激も伴う。

味:ねっとりと濃厚、フルボディな口当たり。メープルシロップ、カステラの茶色い部分、しっとりとした甘みに微かにソーピーな要素もある。余韻にかけてウッディでドライ、チャーオーク由来だが角のとれたメローな甘みと共に、焦げ感、タンニンがビターなフィニッシュとなって長く続く。

オーソドックス、メローでウッディな新樽の熟成香だが、溶剤系の刺激やえぐみは少なく、むしろゾクゾクするような艶のある甘みが備わっているのが最大の特徴。
こういうバーボンを1日の終わりに飲めたら、どんなに幸せだろうかと思う。

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現行品はすでに終売となっていますが、どこかに鉱脈があるのか、在庫がたまに流通しているエズラブルックスの上位グレード、オールドエズラ。その15年熟成品は1980年代、日本市場に向けにリリースされたという情報がありますが、海外を調べてみるとエズラブルックス表記でUKやヨーロッパ流通の1970年代流通品や、果ては1960年代というものまであります。

1960年代は少々眉唾ですが、08バーコード表記のないボトルの存在を確認するに、1980年ジャストか1970年代後半にリリースがあったというのは間違いなさそうです。
一方1980年代後半、日本市場はバーボンブームがあり、各社が長期熟成のプレミアムクラスをリリースしている状況も考慮すると、エズラブルックスではなくオールドエズラとして日本に輸入・販売されたのが1980年代、特に1980年代後半だったのではないかと推察します。(下写真参照)


エズラブルックスについて調べると、1957年にホフマン蒸留所からリリースされ、その後1978年にメドレー社がブランドを取得。1988年にはメドレー社解散並びに蒸留所閉鎖に伴ってグレンモア社へ移り、1991年にはグレンモア社がUD傘下に、そして1993年に現在のLuxco社の関連へとブランド販売権が移っていることが、情報の粒度に多少の違いはあれど多くのサイトでまとめられています。

ここに上述の15年のリリース時期等を重ねて考察すると、メドレー社の時代にエズラブルックス表記の15年がリリースされ、1988年に表ラベルの表記をオールドエズラに。また1991年に同銘柄は一時的に販売を休止しているのですが、これはメドレーの遺産を使ってリリースしていたものを、UD傘下、すなわち旧ヘブンヒル産の原酒で製造するためラインを切り替えたことで生じたタイムロスとすれば、時期的に矛盾はなく、違和感のない話だと感じました。

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(特級時代末期、1988年ないし1989年流通のオールドエズラ。時期的にエズラシリーズの版権をメドレー社から取得したグレンモア社が製造したと思われるもの。表ラベルのオールドエズラにRマークが見られないのも、この時代の特徴である。濃厚で実に旨いバーボンだが、メドレー時代のものより少々ドライ。)

前置きが長くなりましたが、今回のボトルは以上の整理から1980年代前半にメドレー社が製造していた時期のもの。
蒸留時期は1970年代前半ないし1960年代後半。この時代だとホフマン蒸留所の原酒はまだ残ってそうですが、ホフマン蒸留所そのものはヴェリーオールドセントニック社が取得したとの情報もあるため、移ったのは版権だけで中身は初期からメドレー蒸留所の原酒だったとも考えられます。

オールドのターキー等のようにフルーティーさとか華やかさとが突出した構成ではありませんが、何より素晴らしいのが甘味の艶やかさ。良質なオーク樽を使った長期熟成バーボンならではの、濃厚でウッディでメローなオーソドックスに旨いバーボンという構成。
こういう香味は一言で「エロい」。なにか違うところを刺激されるのか、ノージングでゾクゾクしてくるのがたまらないのです。