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OLD PARR 
CASK STRENGTH 
MALT WHISKY 
BOTTLED IN 2003 
750ml 58.8% 

グラス:国際企画テイスティング
時期:開封後1週間程度 
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★★(6)

香り:酸のある麦芽香が力強く、干し藁や微かに白粉、モルティングしたばかりの麦芽を思わせるアロマ。そこからじわじわとエステリーで林檎のコンポートを思わせる甘みとフルーティーさ。時間経過でバニラ、蜜のような要素もある。

味:口当たりはパワフルで、一瞬の粘性の後で一気に広がるような感覚。香り同様に麦芽風味主体、バニラの甘みからはちみつレモンとスパイシーさ、柑橘のニュアンスがウッディなほろ苦さを伴いつつ広がる。
余韻は内陸系のピートフレーバー、スモーキーさがあり、軽いえぐみを伴って染み込むように残る。

基本的には80年代前半あたりのクラガンモア。ピートフレーバーは同時期のクラガンモアだろうか。プレーンな樽使いはディアジオらしさであり、酒質を軸にした香味が複雑さを構成する、リッチなモルトウイスキーである。こういうブレンデッドモルトは大歓迎。少量加水すると麦芽風味が強く感じられ、口当たりはマイルドに。ただし時間経過で酸が強く感じられるようでもある。

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2003年にリリースされた、オールドパーのブレンデッドモルトでカスクストレングスという意欲作。ロットNo,がAとBで2パターンあるようで、今回はAなので初期のほうと推察。
使われている原酒の熟成年数は、香味の系統から20年くらいでしょうか。ディアジオ系列らしい樽使いで、2ndまたは3rdフィルのプレーンオークで熟成されたような構成が、ハイプルーフ仕様と合わさって原酒のキャラクターをしっかり感じさせてくれる、リッチ(贅沢)なブレンデッドでした。

2000年代前半はディアジオやモエヘネシーがウイスキーのブランド価値向上のため様々なリミテッドを積極的に展開し始めており、多くのブランドでリミテッドがある非常に面白い時期です。
ただ、シングルモルトのブランド向上を意図したキャンペーンの中にあって、ブレンデッドモルトとは言えオールドパーは異色の存在。しかもジョニーウォーカーではなく、です。
残る情報から察するに地域限定品だったとも考えられ、1990年代の冬の時代を経て、今後何がヒットするのかを模索していたのかもしれません。 (元々オールドパーはアジア方面への輸出向けで、大きくシェアを伸ばしたブレンドでしたので、アジア方面での同銘柄の可能性を探ったのかもしれません。)

オールドパーといえば、キーモルトはグレンダランとクラガンモア。近年のオールドパーは、どちらかと言えばグレンダランのキャラクターを感じますが、今回のブレンドにはクラガンモアのキャラクターを強く感じます。
仄かに酸のある樽感に、麦芽風味と内陸系のスモーキーフレーバー。ピート由来のニュアンスはクラガンモアで、比率的には7:3くらいか。
1980年代前半の仕込み主体と思われるそれらの原酒は、今よりも厚みがあり、先に触れたように樽感で後付けされない骨格のしっかりしたフレーバーを楽しめます。

その違いは現行品のオールドパーを飲めば瞭然ですが、グレンダランやクラガンモアは近年にかけてどんどん没個性的で酒質が軽くなっており・・・比例するように現行品のオールドパーもずいぶんボディの軽い仕上がりになってしまいました。
最近のオールドパーはハイボール溶液と化していて、開き直ってチルフィルがっつり効かせたオールドパー・シルバーまで出してきているのですから、この味はもう作れないんだろうなと、同時に思わされるのです。(それが不味いというわけではなく、使い勝手の良いブレンドではあるのですが・・・。)

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今日のオマケ: アルベーヌ・ビショー・コート・ブルギニョン2014
アルベーヌ・ビショー社はキリンさんが取り扱っているワインメーカーで、今回のはデイリークラスのワイン。お値段1000円代後半です。

使用品種はガメイとピノ・ノワールとのこと。ガメイがメインなのか、ピノの透明感を帯びた酸というよりは、露骨なイチゴジャム感があり、余韻にかけてタンニンも存在感を増してくる。
ただしそのジャム感が致命的にしつこくないというか、まとまっている点は上手い作り。スルスルと飲めてしまう。嫌いじゃないぜ、こういうのも。。。
そう言えば今年のボジョレー解禁がもうすぐですが、ヌーヴォーだけじゃなくてこういうのも飲んだ方が良いと思うんですよね。