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J&B CLASSIC 
FINEST SCOTCH WHISKY 
1980's
750ml 43%

グラス:国際規格テイスティング
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封後2ヶ月程度
評価:★★★★★(5ー6)

香り:香り立ちはドライで乾いた麦芽や穀物、干し草、微かにハーブを思わせる青みがかった要素。奥にはバニラや粥を思わせる甘く柔らかい甘味、リンゴのコンポートのようなフルーティーさも潜んでいる。

味:軽くドライな口当たり。乾いた麦芽、バニラウェハース、徐々にコクのあるモルティーな甘み。余韻はドライで干し草を思わせるような乾いた麦芽と穀物感があり、甘味のあとでほろ苦さも感じられる。

J&Bらしいライトというかドライな香味であるが、一方でスタンダード品のJ&B RAREに比べて熟成し原酒が使われているのだろう。モルティーさや、コクのある柔らかい甘味も備わって、ストレートでもハイボールでも美味しく飲むことが出来る。中々使い勝手が良さそうである。

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J&Bの上位グレード。現在で言う12年クラス相当で、リリースされた期間は2年(※裏付け未確認)と短かったようですが、そこはバブル期。かなりの物量が日本に出回ったようで、現在も多くの遺産がリユース市場で見られます。
そして、人気が無いのか結構安価ですね。

ブレンデッドウイスキーJ&Bについて改めて説明は必要ないように感じますが、久しぶりなので軽めに触れておくと。。。
かつてアメリカ市場を中心に人気となったライトタイプブレンデッドの代表格。世界第二位まで売り上げを伸ばしたようですが、近年は2016年が世界21位、2017年が23位。2013年から毎年10万ケースずつ販売量を減らしており、2018年も同様の結果が見込まれます。
しかしその販売量は未だ340万ケースと相当な量。現在絶好調のブラックニッカ以上売り上げているあたり、流石世界的なブランドとディアジオの販売力だなと感じます。
(参考情報:ブラックニッカ300万ケース、角470万ケース。Millionaires Clubレポートより。)

ただし、同じディアジオ傘下であるジョニーウォーカーらかつてのライバル銘柄と比較すると、ブランド戦略の違いかリリースは低価格帯が中心。
キーモルトとされるスペイサイドモルト(グレンスペイ、ストラスミル、ノッカンドゥ、オスロスクら)の個性を感じることはもちろん困難で、ライト・・・というか、無個性でドライな穀物アルコール。スタンダード品の位置付けも割り材として使うことを前提としているようで、日本の正規代理店であるキリンのWebページを見てると、その認識が間違いではないように感じます。

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(1980年代後半、同時に販売されていたピュモルト。ノッカンドゥ主体を思わせる、ややドライでスパイシーな刺激と共に、らしい麦感とフルーティーさが備わっている。クラシックより流通量は少ないが、特級のノッカンドゥ12年を買ったと思えば、お買い得な1本である。)

この変化はグレーンもさることながら、やはりモルトの厚みが無くなったのが大きいのでしょう。上記4銘柄は元々そこまで厚みや強い個性をもった原酒ではありませんでしたが、特にグレンスペイやストラスミルは元からライトな位置付け。熟成が若いところに近年のウイスキー全般のライト化で、それが一層進んだと考えれば違和感はありません。

一方、一定以上熟成した当時のオスロスク、そしてノッカンドゥは、モルティーで華やかでフルーティー、コアな愛好家から人気の高いスペイサイドモルトです。
1980年代、スタンダード品のJ&B RAREは現在と同様にそこまで熟成した原酒を使っていないのか、両者の良さは感じにくいものの、グレードが上がったクラシックは10~15年程度熟成と思われるオスロスクやノッカンドゥに通じるモルティーなフレーバーが備わって、これが全体のレベルを引き上げているのです。
複数回飲んでみましたが、楽に飲みたいときにちょうどいい味わいでした。


以下、余談。
最近特級時代のブレンデッドの投稿してませんでした。デュワーズ以来なので、約1ヶ月ぶり。
オールドブレンデッド探訪、メジャーどころは今年中にまとめるつもりでいるので、ペースあげていかなくては。。。あと50種類くらいかな。幸い、お酒の美術館が日本向け流通品はカバーしてくれてるので助かっています(笑)。