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KOB CREEK 
SINGLE BARREL RESERVE 
Kentucky Straight Bourbon Whisky 
Aged 9 years 
750ml 60% 

グラス:サントリーテイスティンググラス
場所:日比谷BAR 
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ウッディでスパイシーなアロマ。チャーオーク、バニラ、少し焦げたチョコレートクッキーのような甘み。微かにダークフルーツを思わせるアクセントも。力強い香り立ち。

味:メローでメープルシロップやワッフルを思わせる甘味、ほのかにドライクランベリーやチェリーの酸味も伴う口当たり。度数故の強いアタックが余韻にかけて存在感を増し、樽材由来のえぐみを少々感じつつ、ウッディでひりつくようなフィニッシュが仄かな焦げ感と共に長く続く。

ネガティブ要素の少ない熟成感で、パワフルなバーボンだ。少量加水すると少し果実味は減るが、樽と原料由来のバニラの要素がわかりやすい。またキャラメルポップコーンのような甘みと軽い香ばしさも感じられる。
5000円以内でオススメ出来るバーボンの一つ。


ジムビーム蒸留所がリリースするプレミアムブランド。クラフトバーボンの中で、最長熟成品が9年熟成のノブクリークです。
以前はスモールバッチシリーズとして、ブッカーズらと共に少量生産、マスターディスティラーこだわりの逸品を売りにしていましたが、いつの間にかブランド戦略を変更したようです。(知らなかった・・・w)

現在、ノブクリークは限定品を除くとスタンダード、ライベース、そしてシングルバレルの3種があり、全て19世紀の旧連邦アルコール法のボトルド・イン・ボンド(通称・ボンデッド)の区分に基づき50%以上の度数でボトリングされています。
このボンデッドは、現在は廃案になった区分で特段遵守する義務はないのですが、現在のストレートバーボンよりも厳しい基準であることから、一部の銘柄で高品質なバーボンの証明のような位置付けで掲げられています。ノブクリークにはボンデッド表記はありませんが、これこそバーボン本来の姿であるとして、禁酒法前後のバーボンに見られた平べったい形のボトルデザインが採用されています。


さて、今回のノブクリーク・シングルバレルは読んで字の如く単一樽からボトリングされたもの。つまり、60%以下に度数が下がってしまった原酒は弾かれるため、50%加水のオフィシャル通常品より選定条件が一段階厳しいということになります。ノブクリークはバレルエントリーが62.5%。マッシュビルもシングルバレルはスタンダード品と同じ、コーン75%、ライ13%、モルト12%とのことで、純粋に熟成の違いが原酒の選定を左右している模様。)

度数が高い分ボディも厚く樽香もリッチで、通常品で多少感じられるえぐみのような要素は隠れており、しっかりとパンチがある中に、メローで熟成由来のドライフルーツを思わせる甘酸っぱい香味も纏った味わいが感じられる。シングルバレルのほうはイベントでの試飲程度しかしてきませんでしたが、ちゃんとテイスティングしてこれは充分に美味しいバーボンだと感じました。
近年、この5000円以内の価格帯でオススメ出来るバーボンが少なくなって来てきており、今回のテイスティングで、50%未満の加水区分ならターキー13年、ハイプルーフゾーンではこのノブクリーク・シングルバレルが筆頭だなと、個人的な評価を更新した次第。今度家飲み用に1本買ってみたいと思います。