グレンファークラス 26年 1974-2000 オフィシャルリリース 43%
Single Highland Malt Scotch Whisky
Aged 26 years
Distilled 1974
Bottled 2000
No of bottles 2732
700ml 43%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:個人宅持ち寄り会
評価:★★★★★★(6)
味:香り同様にドライでスパイシー、じんじんとした刺激を伴う麦芽風味。蜂蜜やオレンジピール、加水でバランスがとれており、余韻にかけて存在感を強くしていくモルティーさと、ピートの苦味と土っぽいフレーバー。スモーキーで染み込むようなフィニッシュ。
リフィルシェリー系統の樽構成だったのか、シェリー感は控えめ。代わりに麦芽風味と内陸系のピートフレーバーがメインに感じられる。個人的に好みの構成で、加水も効いてしみじみとした旨さが魅力であるが、蒸留所のハウススタイルを考えると、もう少しシェリー感がほしかった。
先日、知人宅で開催された仲間内の持ち寄り会にてテイスティングした1本。
2000年頃にリリースされたオフィシャルのヴィンテージリリースで、同時期1968年蒸留もリリースされていました。
グレンファークラスはファミリーカスクシリーズや地域向けの限定品など、単一蒸留年のオフィシャルリリースが珍しくなく、このリリースも数あるうちのひとつという位置付け。しかしそうしたリリースこの中で、43%加水で、複数樽バッティングの60~70年代単一蒸留年という仕様は少なく、逆に珍しくもあります。大概シングルカスクのカスクストレングスとかですしね。
(同時期にリリースされた1968年蒸留の複数樽バッティング。こちらのほうが見た目通りシェリー感が強く、スウィートでリッチな仕上がり。)
グレンファークラスといえばリッチなシェリー感がハウススタイルのひとつで、過去のテイスティング経験からてっきりこの1974も上記1968と同系統の構成かと思っていました。
しかしグラスに注ぐと色が思ったほど濃くありません。
リフィルやサードフィルといった樽が主体なのか、口当たりに多少のコクはあるのですが、メインは麦芽風味や蜂蜜、柑橘系のドライフルーツにピートフレーバーと、予想とは違う味わいに少し驚きました。
ただ、樽感がそう強くない分、本来マスクされていたであろう酒質部分の味わいがメインに感じられ、グレンファークラスの違った魅力を楽しむことができるのは、このボトルの良さであるとも言えます。
ブラウンダンピー時代の前、角瓶時代のファークラスでも、時代や年数によってはこういう樽感控えめな構成のボトルがいくつかありました。シェリー樽一貫の樽使いでありながら、多数の異なる味わいを作り出せる。ファークラスマジックならではのリリースですね。
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