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GEORGE DICKEL
TABASCO BARREL FINISH
CASCADE HOLLOW DISTILLERY
750ml 35%

ラベルデザインも中身も衝撃的。テネシーウイスキーのジョージディッケルを、タバスコを作る際に用いられた樽で30日間フィニッシュした意欲作です。
「あ、タバスコって樽熟成するんだ」と思ったのはきっと自分だけではないでしょうが、それ以上に「意欲作」という表現が美辞麗句に聞こえてしまうのも、自分だけではないと思います。

外観はタバスコのジャンボボトルと見間違えてしまうような違和感のなさ。少なくともジョージ・ディッケルという銘柄を知らなければ、フレーバーウイスキーの一種であることすら気付けないかもしれません。
ラベルもさることながら、ネックのグリーンカラーと赤の配色が、見るからにタバスコのそれなのです(笑)。

(並べて見るとさらに際立つ一体感。見るからに辛そう。画像引用:Instagram George Dickel)

香りで感じるのはバーボンのそれではなく、タバスコ特有の酸味。これはタバスコそのものが混じってるのではないかと警戒心が高まる。
覚悟を決めて口に含むと、意外にメローで穀物由来のアメリカンウイスキーらしい甘みが一瞬感じられた後、刺すようなスパイシーさと酸味が一気に口内を支配する。 
余韻は文字通りホットでスパイシー。まさにタバスコ。。。


なんの罰ゲームだよ。と恐る恐る飲みましたが、あれ、意外に悪くない、っていうか面白い? 
甘みから辛さへ、この味わいの方向転換は唐辛子チョコとかお菓子にも似たようなのがあった気がしますが、これはこれでアリかもしれない。 デザインのインパクトで警戒したものの、思ったより嫌な味ではなく普通に飲めてしまいました。

ベースのウイスキーはNAS仕様で熟成年数は定かではありませんが、スタンダードのジョージ・ディッケルと同じくらいは熟成されている印象です。
これならピザやパスタ、あるいは肉料理と一緒に飲むのは勿論、ブラッティーマリーにウォッカの代わりとして使用するなど、カクテルベースに使っても面白そう。流石にマンハッタンやミントジュレップは、これで作って欲しくないですが(笑)。

調べて見ると、過去にソサイエティがホットスコッチソースなるタバスコ樽でブレンデッドスコッチをフィニッシュした試験的なものはあったようですが、一般にリリースされたのはこのジョージディッケルが初めてではないでしょうか。(ウイスキーではないですが、サザンカンフォートからは同系統のリリースがある模様。)
こんなものリリースしてしまうなんて一見すると狂気の沙汰。しかし、狂気の沙汰ほど面白い。これを輸入した田地商店さんの心意気にも拍手です!!