カテゴリ:
I.W.HARPER
GOLD MEDAL
KENTUCKY STRAIGHT BOURBON 
1980's
750ml 86Proof

グラス:テイスティンググラス
時期:開封直後
場所:BAR AIKA
評価:★★★★★★(6)

香り:カラメルソースのような濃厚でメローな香り立ち。甘く香ばしい穀物感、カステラの茶色い部分、チェリーのシロップ漬け。微かにスパイシーで奥には溶剤っぽい刺激もある。

味:香り同様にカラメル感強く、角の取れたやわらかい口当たり。穀物とチャーオーク由来のしっかりとした甘みに、加熱したコーンの香ばしさ、微かに赤みを帯びたベリーも感じられる。
余韻はマイルドでビター、染み込むようなウッディネス、ほのかにスパイシー。

メローでマイルドなウッディネスと穀物感が主体のバーボン。ストレートで充分に飲みやすく、濃厚な甘みが楽しめる。ロックにすると飲みやすくはあるが、やや渋みが強く、水っぽくなりやすい。ハイボールなど冷やす系統の飲み方も同様で、ストレートで楽しみたい。


IWハーパー・ゴールドラベルはソフトで洗練された香味が特徴とされている、ライトタイプバーボンの代表銘柄。その素性や生い立ちは過去記事でほぼまとめてますので、該当記事またはWEB等を参照頂くとして・・・。今回フォーカスするのは年代毎の香味の違いです。

以前レビューした1970年代流通のそれは、ライトタイプのお手本とも言えるような品のいい甘みとコクが両立した味わいが魅力な1本。1990年代以降はドライで溶剤的なニュアンスが強くなるものの、色合いにそう大きな違いがないように、樽感の軽さは同様に感じられます。
一方、今回レビューする1980年代流通のボトルはマイルドで角の取れた口当たりこそ70年代と変わらないものの、ライトと言うにはリッチでメロー、濃厚な樽感が大きな違いとして感じられます。



(1990年代(左)と1970年代(右)流通のIWハーパー・ゴールドメダル。樽感の濃さは同じくらいだが、コクと甘みの品の良さは1970年代が遥かに上。1970年代流通品のレビューはこちら。)

(1980年代前半流通の日本正規品。こちらはお酒の美術館にて。各年代でネック部分のデザインに大きな違いがある。写真が多少暗いが、中身は明らかに色合いが異なる。)

現行品で近い系統のものを挙げるなら、IWハーパーの12年。
ロット差かなと思い、2店舗でそれぞれ同じ流通時期のものを飲んでみましたが、2本とも同じ濃さでした。
普通は年を追うごとに軽くなるのがウイスキーにありがちな変化なのですが。
こうしたイレギュラーは、例えば輸出する市場によって原酒の比率を変えていた結果、起こる可能性はあります。

本国向け1980年代流通を調べて見ると、WEBにあるボトルを見るとどうやらそこまで色は濃くないようです。現地はライトなブレンデッドタイプのものが求められていたのは実際ありましたし、日本や海外には色濃い原酒を回していたのでしょうか。