カテゴリ:
MORTLACH
BAR LEMON HART PB
Aged 23 years
Distilled 1995
Bottled 2018
Cask type Hogshead
700ml 46%

グラス:テイスティンググラス
場所:BAR LIVET
時期:開封後1ヶ月以内
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:華やかで乾いたオーク香主体のアロマ。干草、ジンジャー、ココナッツやドライパイナップルをフルーティーさ。時間経過で麦系の要素も伴う。柔らかい香り立ちだが芯がある。

味:ややドライな口当たり、薄めた蜂蜜、熟したアプリコットや洋梨を思わせる品の良い果実味、微かに青みがかったニュアンスや、奥にはまろやかな麦芽風味。
余韻は程よくドライ、華やかでオーキー、黄色い果実がフェロモンを連想させる戻り香を伴い長く続く。

ホグスヘッド熟成らしいフルーティーで華やかな香味が主体。本来ならもっとドライなウッディさが残るはずだが、厚みのある酒質が底支えになり、突き抜けない代わりに加水で綺麗に整えられた美味しさが魅力。
飲んでからラベルを改めて見ると、なんとなく引き寄せられるように感じるのは自分だけではないだろう。(特に男性陣)


先月BARレモンハートのPBとして、一部BAR関係者を中心に販売された、なんとも目を引くラベル。
既に第二弾が計画されているとかないとかですが、第一弾は成年向け漫画を主に手がけている仙道ますみ氏による、リベンジHの主人公・鈴音秘芽子と思しきキャラクターが書かれた1本です。

絵画、猫、漫画、そして今回の萌え系のラベルは、近年のウイスキー業界(特に日本の)でトレンドの一つになりつつあるジャンルです。
個人的にこれらのリリースの一部には、内容と関係のない組み合わせに疑問を感じる気持ちが無いと言ったら嘘になりますが、古くはムーンインポートなどボトラーズリリースで見られた手法にして、味で「まあこういうのもあるか」と納得させてくれるモノがあるのも事実。

今回のボトルもその中身の話をすると、「普通に美味い」という表現が偽りないところ。
モートラックでホグスヘッドという組み合わせでは、過去にも同様な系統の香味を備えたリリースはありました。ただ、モートラックは麦感がしっかりしてボディも厚く、樽に負けない強いウイスキーであるため、加水されても崩れず、このボトルは樽感も酒質もちょうどいい具合で仕上がっているのです。

これを原作を知らない人が飲む分には、上記のようにボディを残しつつ綺麗に整った美味しさに、成る程ラベルに書かれたイラストにもリンクするようなボトルじゃないかと感じる。
しかしリベンジHはエロスと復讐劇が合わさった、多少ダーティーなストーリーです。キャラの位置付けを知ってる人が飲むと、口当たり柔らかくとっつきやすいが、この奥にはどんな罠があるのか。。。この表情の意味は。。。なんて二面性を秘めたボトルとなるように感じます。(古いネタですが、なつ◯STEPみたいな。)

余談ですが、今回の萌えボトル(スウィートギャラリー)のコンセプトは、「バックバーに恥ずかしくて飾れないボトル」。話のわかる常連にこっそり出すというものだったそうですが、流石新宿、普通にバックバーどころかカウンターに鎮座(笑)。お出迎え頂きました。
なおBARではカウンターにあるボトルを勝手に開封することはもちろん、断りなく手に取ったりすることもNGな作法であるわけですが、このボトルの場合は2つの意味で「おさわり厳禁」であると言えそうです。
いずれにせよ味もよくラベルも見応え?がある、面白いリリースですよね。