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BEAUJOLAIS VILLAGES
SELECT DES LOGES 2016
750ml 13%

開封直後はしっかりと樽香があり、スパイシーで新樽のウッディさ、タンニンも強い。ガメイらしい加熱調理したベリーっぽさ、果実味のある甘みは奥にある程度。香味は全体的に強いが、ボディにそれほど厚みはなく、余韻にかけて酸味の主張もあってややバランスを欠く印象もある。

ただしバキュバンで1日置くと、樽香がベリー香と混ざって、ザクロやブルーベリーのジャム、微かに木苺、甘酸っぱい香りが開き、らしさに通じる変化が見られる。
開封直後でベストに持っていくには、しばしの忍耐か、デキャンタのスキルが問われる。もっとも、とっ散らかっている初日にあまり無理して飲む必要はなく、煮込んだ後で1日置いたカレーの如く次の日の方が美味しい。無事、2日目で完飲。
アテはビーフジャーキー、あるいは煮込みなど、濃く味付けた肉料理と共に。


11/15はボジョレーヌーヴォー解禁なので、ボジョレーワインを。。。といってもこれはボジョレー地区のワインで、ヌーヴォー(新酒)ではありません。
昨年も同じような記事を書きましたが、日本はボジョレーヌーヴォーの一大消費国でありながら、勿体無いことに、その後生産される普通のボジョレーワインは、多分ほとんど飲まれてないんじゃないでしょうか。

実際、ネットで探そうにもヌーヴォーが引っかかってきちゃうし、専門店の店頭にもほとんど見かけない。
でもボジョレーワインのスタンダードなキャラクターである、ガメイ種の葡萄によるベリー系のジャムを思わせる果実香は、ウイスキークラスタ向けにはシェリー樽熟成のウイスキーに通じる部分があるだけでなく、下手なブルゴーニュ・ピノを買うより価格も安価で全然扱い易いと思います。

何より、毎年ヌーヴォー発売時に出る"当たり年級の予測評価"が実際はどうなのかを確かめるのは、ネタとしても面白い。
であればと、1年に1度くらいはボジョレーワインを飲む日を作るかと、解禁日をその日にしているわけです。

(信濃屋店頭。去年はなかった「ヌーヴォーじゃないボジョレー」のテロップが。)

2016年のヌーヴォー発売時の予測評価は「エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい」でした。
今世紀最高と言われた2015年に比べ、評価が定量的ではないのでなんとも言い難いですが、このワインも2日目の開いた感じは酸味と果実味のバランスが良くなってくるので、結局は樽の効かせ方というか、作りのバランスだよなーと。
っていうかこれ一本で語れるような世界でもないですがw


ちなみに新酒の方は、このワインを買いに行った店頭で、たんまり飲ませてもらいました(笑)。
信濃屋さん、ルロワやタイユヴァンまで無料試飲開けてる。日本でのボジョレーヌーヴォーの消費量が減ったとはいえ、銀座の夜はまだまだお祭りですね。

中でもルロワのボジョレーヌーヴォーは流石に美味い。ヌーヴォーにありがちなボディが薄くて酸味が強い感じではなく、果実味と渋みがまとまった、普通にちゃんとワインです。
まあ値段も5kするんで、美味しくなきゃ流石に非難轟々っていうか、それでもカリピノでカレラあたり買ったほうがってオチも否定はできないのですが、今日は一応ボジョレーの日なので。。。そんなわけで、なんだかんだ言いつつお祭りを堪能した解禁日の夜でした。