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GLEN FARCLAS
CASK STRENGTH
Aged 21 years
Batch No,1
700ml 53.5%

グラス:国際規格テイスティング
場所:J's BAR Ikebukuro
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:オレンジジャムを思わせる甘みと、やや青みがかったフルーティーさを伴うアロマ。瓜、杏、ほのかにリンゴの蜜を思わせるニュアンスも混じってくる。ドライなウッディさも伴う。

味:スウィートでとろりとした口当たり。合わせてホグスヘッド系のオーキーな華やかさ、バニラ、林檎のカラメル煮、グリーンレーズン。奥には淡くケミカル系トロピカル要素もある。
余韻はほろ苦くウッディ、果実味は控えめで少し粉っぽさを感じる舌あたりに、ほのかなピーティーさを伴ってあっさりとしている。

ファークラスのハウススタイルからすると違和感を伴う仕上がりだが、逆に言えば樽次第で様々な原酒を作り上げてきたファークラスマジックとも言える。
加水するとリンゴの蜜っぽさがより強く感じられ、マイルドな口当たりに。


先日記事にした12年と同じく、日本向けにリリースされた21年のカスクストレングス。
価格は約16kと安いというわけではないものの、この手のウイスキーとしてべらぼうに高いと言うほどでもなく、このスペックでなら普通にアリと感じる良心的な設定。ターゲットをどこに置いているかが伝わってくるようで嬉しいですね。
(度々比較される関係にあるマッカランで21年のカスクなんて出たら、完成度の差はさておき果たして幾らになるやらw)

12年と比較すると、21年はリフィル系のカスク比率が高いようです。
こってりとしたファーストフィルシェリー樽由来の甘みというより、アメリカンホワイトオーク由来のフルーティーさ、リフィル・スパニッシュオークに見られる出涸らしのお茶のようなニュアンスも混じる。
2枚目の写真、ちょっとわかりにくいですが、12年より21年の方が色合いも薄く、そこからも構成比率を伺うことができます。

そのため、シェリー感の強さだけで言えば12年の方が強く感じるものの、熟成感、口当たりの角の取れ具合は当然21年に軍配。ただちょっと余韻に弱さというか、軽さが見られる特徴も感じられるため、おそらく40%台後半くらいまで度数が落ちたホグスヘットに55%くらいの比較的元気がいい原酒を混ぜて、バランスをとったのではないでしょうか。

先日、ブラインドテイスティングに関する記事を書いた際にまとめた図の一つに、樽のファーストフィルとセカンドフィル以降の影響の違いについて例示した図がありましたが。その図を流用すると12年と21年の違いはこんな感じですね。(12年はここまで濃くないので、実際はもう少しカーブが緩やかなイメージですが。)
何れにせよ、2本を飲み比べることによって見えてくる違いも面白い。ミリオン商事さんGood jobですね!


以下余談。
このボトルのオフィシャルテイスティングコメントは、現地スタッフではなくBAR LIVETのマスター、静谷さんが書かれています。
現地の方とでは感覚が違うケースもあるのがテイスティングですが、今回は言い訳無用に日本人です(笑)。若干ポエム要素も交えた表現の中ではありますが、より共通するニュアンス、感覚を感じることが出来るのではないかと。その比較も楽しみ方の一つとして、飲んでみると面白いと思います。