カテゴリ:
GLENFARCLAS 
Years 21 old
1985-1989's
750ml 43%

グラス:リーデルヴィノテクスピリッツ
場所:BAR Sandorie
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:カカオチョコやカラメルソースを思わせる濃い甘み、ブラックチェリーなどのダークフルーツに、い草や和室を思わせる乾いた植物っぽさ、焦げ感のあるピートがアクセント。

味:とろりとした甘みに合わせて少しヒリヒリした口当たり。酒質の強さを感じる。黒蜜、チョコブラウニー、レーズン、奥からい草や乾いた植物。余韻はドライでややトーンは高い。ピーティーなスモーキーフレーバーとウッディな余韻が、古酒っぽい要素を伴って長く続く。

濃厚なシェリー感はあるが、ウッディーさとピート、ややアタックの強い酒質、古酒系のニュアンスがそれぞれ悪目立ちしていて、注ぎたてからしばらく時間が必要だと感じる。その後はとろりとした甘みが乾いた植物感をまとめてバランスが取れてくる。


1980年代の終わり頃に流通した、角瓶ファークラスの最終モデル。先週投稿した25年と同時期のオフィシャルボトルで、ラベルの表記から1988年前後のものと思われます。

角瓶時代のファークラスのラベル遍歴は、前回の記事でざっと触れたところですので省略させていただくとして。。。
現行品のファークラスとは色合いからしても一目瞭然。BARの薄暗い照明を差し引いても濃厚な色合と、リッチなシェリー感。これが時代を経る毎に薄くなっていくワケですが、これより古いオフィシャル通常リリースの21年はさらにシェリー感が濃かったかかというとそうではなく。時代やロットによって差が結構あったように思います。


例えば、写真の21年1970年代流通の角瓶は、明らかにリフィル系の香味と色合。流通時期から逆算して1950年代あたりの蒸留ですが、この1940年代から1950年代は、シェリー酒の消費量が一時的に低迷したとされる時期に合致しています。(不況説、第二次世界大戦説、スペイン内乱影響説など多説アリ。)

まあそれはそれで、当時の麦感とピーティーさが強く感じられて良い面もありました。一方、1960年代から1970年代は、一転して世界的にシェリー酒が飲まれた時代にあたります。
これらは推測ですが、溜め込まれた濃厚なシェリー酒が流通するとともに設備の近代化も行われ、古い樽をガンガン輸出用に払い出した結果、濃厚なシェリー感のリリースが集中することになったとすれば。。。

グレンファークラスのロット差は、いかに大規模な蒸留所といえど、一族経営で大手グループに属さない不安定さが、上記のようにその時々の情勢の影響を受けることで、樽感の異なる原酒が熟成年数に限らず混在する形になったのではないかと考えられます。
それこそ、10年クラスから長期熟成まで、多様なキャラクターのオフィシャルボトルを作り上げることから、ファークラスマジックなる呼び名でも知られたところ。
それはひょっとすると、先の考察の通り原酒を仕込んだ時代の影響の副産物にして、その中でウイスキーを作り続けて来たグラント一族のセレンディピティなのではないかとも思うのです。


なんだかグレンファークラス21年から始まった話が、シェリー樽とファークラスマジックの考察などと無駄に大きくなってしまいました(汗)。
中身の話あんまりしてないし・・・。

そんなわけで、最後に強引に元の話に戻すと、今回のテイスティングは21年、25年を飲み比べながら行いました。
好みとしては、フルーティーさのしっかりあった25年ですが、21年も濃厚な甘みとスモーキーさが、時間経過でどう化けていくかは楽しみなボトルでもあります。
この他、サンドリエさんには同時期流通の角瓶15年もバックバーにあり、3種揃えて飲み比べなんて最近は中々出来ない贅沢な楽しみ方だと思います。