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GLEN KEITH
Gordon & Macphail
Aged 34-35 years
Distilled 1967
Bottled 2002
Cask type Sherry
700ml 40%

グラス:サントリーテイスティング
場所:BAR Y's Land IAN
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ややドライで干し草と青みがかったニュアンスに加え、古酒感のあるシェリー感。カラメルソース、葡萄系の果実香は、イチジクの甘露煮やレーズンの甘酸っぱさ。

味:飲み口はまろやかでコクのある緩い甘み、シェリー感だが、すぐにピリピリとした刺激。枝付きレーズン、干し草、青い瓜、余韻にかけて淡くモルティーなフルーティーさが開く。ドライで微かにトーンの高いフィニッシュ。

三回蒸留らしい口当たりの鋭さと荒さ、青みがかったニュアンスを伴うドライな酒質だが、60年代のモルトにあるフルーティーさもほのかに感じられ、加水と良質なシェリーカスクで仕上がっている。酒質を樽が補っている典型例のようなウイスキー。


グレンキースは、1957〜1960年ごろの創業からしばらくの間、3回蒸留で原酒を作っており、今回のボトルもまさにその時期に該当します。
蒸留所を所有するシーバスリーガル(シーグラム社)は、当時シーバスリーガル12年に加え100パイパーズを展開し、拡張路線の真っ只中だった時代。クセの少ないローランドタイプの軽い原酒を、ブレンデッド用に調達する目的があったのでしょう。
その後の3回蒸留実施期間については諸説あるものの、1970年の拡張工事から2回蒸留が開始されているようです。

あくまで個人的な観点で言えば、3回蒸留は麦由来の香味を薄めてしまうだけでなく、酒質が尖りすぎる傾向があります。
今回のような長期熟成では、60年代蒸留に見られる原料由来の香味は淡くなるだけでなく、度数が落ちると中間にのっぺりとしたボディの無さも出てしまい、これが熟成でも薄まらない。よく言えばシャープな、辛口に言えば口当たりの荒さが、キャラクターと言えます。

この個性は熟成を経て、濃いシェリーカスクであっても主張してくるので、樽感との馴染みもあまり良いとは言えません。
結果、リフィル系の樽でプレーンかつハイトーンに仕上げたモルトとして個性を楽しむならともかく、3回蒸留は完成度を考えると難がある原酒が多いように感じます。

(ほぼ同時期蒸留のグレンキース。こちらはシェリー感が淡い分口当たりがさらに荒い。GMからは60年代のグレンキースが複数リリースされており、総じてローランドモルトにも通じる個性を感じることが出来た。)

今回のGMのコニッサーズチョイスは、マップラベルでは珍しい40%仕様のボトル。これより前のオレンジラベル時代は40%がスタンダードでしたが、このラベルは43〜46%の方が多かったように思います。
キースの60年代は、上述の通り原酒に違う意味で癖があるわけですが、今回はその強い加水と、当時のGMらしいこってりとしたシェリー感 が効いて、結果美味しく仕上がったボトルと言えそうです。