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HIGHLAND PARK
THE LIGHT
17 Years old
Single malt scotch whisky
700ml 52.9%

グラス:テイスティンググラス
時期:開封後3ヶ月程度
場所:BAR Gosse
暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:ドライな香り立ち。はじめはあまり香りが立たない。干し草や削った針葉樹、トーストしたパン、じわじわとドライオレンジっぽい甘みや淡いスモーキーさを伴う。

味:軽くドライな口当たりから乾いた麦芽風味、蜂蜜と洋梨のペースト、微かに古樽のしっとりしたウッディネス。後半から余韻にかけてほのかにスモーキーで、合わせてオーキーなフルーティーさが充実。熟したパイナップルと干し草、近年寄りのトロピカルフレーバーを伴ってリッチなフィニッシュが長く続く。

香り立ちが度数に対して広がりを感じないものの、味わいの熟成感、そして余韻にかけて充実するフルーティーさに見るべきところがある1本。 ボディは穏やかで、高い度数を感じさせないオフィシャルらしいまとまりの良さがある。


日本では先月8月20日にリリースされた、ハイランドパーク17年 The Light。(テイスティングは現地流通品。発売は5月、28000本の限定品)
前作の17年 The Darkがヨーロピアンオークシェリー樽での熟成だったのに対し、今回はリフィルアメリカンオーク樽を使った原酒での構成。香味から察するにこれはバーボンホグスヘッドと、複数回使用したオールドシェリー樽のプレーンカスクでしょうか。そこに微かに新緑の色合いを帯びたボトルカラーと合わせて、オークニー島の春から夏の季節をイメージしたリリースとのことです。

この手のアメリカンオーク樽を使ったリリースと言えば、直近では神話シリーズのアイスエディション17年があります。
前回は冬をイメージする"アイス"に使って、今回は"春から夏"とか、180度の方針転換はさておき。。。
そのキャラクターは、エステリーな熟成香にピーティーさがしっかりと感じられたアイスエディションに対し、The Lightはピートフレーバーよりも、余韻にかけての華やかさとトロピカル系のフルーティーさが魅力と言える構成に仕上がっています。

(2017年にリリースされた、ハイランドパーク17年 The Dark。オークニー島の秋から冬にかけてを表現したリリース。

こうしたリリースを飲むたびに思うのが(何度か書いてますが)、近年のハイランドパークは下手にファーストフィルなどの濃厚シェリー系にこだわる必要はないんじゃないかということ。
前作The Darkはそれなりにまとまったシェリー感がありましたが、あれは価格もそれなりですから当然と言える話。
それ以外のハイランドパークのシェリーカスクはエグかったり、硫黄が強かったり、なんだか中途半端だったり・・・少なくとも近年のリリースが流通時期で1990年代から2000年代あたりまでのキャラクターを維持できていないことは明白です。

その点、The Lightはノージングではまだ開ききってないのか「あれ?」と思いましたが、飲んでみると良いですね。
先に触れたアイスエディションしかり、同じく最近リリースされた、GMコニッサーズチョイスのハイランドパークもフルーティーで良い出来でした。半端なシーズニングシェリー樽を限定品に使うなら、それはオフィシャルスタンダードに回しちゃって、バーボン系やプレーンオーク系でリリースした方が安定するんじゃないかなぁと。
そんな簡単な話じゃないんでしょうけどね。