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WAKATSURU
BLENDER'S TRIAL EX-1
Imperial Porter Ale
700ml 43%

グラス:オープンナップスピリッツ アンビアント
場所:BAR ハリーズ高岡
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★(5)

香り:若さからくるフレッシュさと荒さのあるアロマ、ホップ、グレープフルーツピールを思わせる柑橘香、微かに酵母香。ピートスモークも合わせて感じられる。

味:穀物や麦芽系の素朴な口当たり、香ばしさとバニラウェハース、微かにグレープフルーツ、後半は少しのっぺりとした舌あたり。余韻はピーティーで淡くスモーキー。染み込むように続く。

ビール樽由来の要素がグレープフルーツを思わせる爽やかな柑橘系のアロマに繋がっており、若い原酒の荒さ、酵母系のニュアンスを伴いつつも不思議と飲み進めることができる。値段なりの部分は少なからずあるものの、工夫で飲ませるウイスキー。


三郎丸蒸留所(若鶴酒造)が、蒸留所限定品として作っているブレンダーズトライアル。今回は、京都ウィビアメッセ2018限定ボトルとしてのリリースで、蒸留所の地元富山のクラフトメーカー城端麦酒が作る、インペリアルポーターエールの樽で後熟したグレーンを使用したブレンデッドウイスキーです。
イベントの現地記事は書いたのに、このボトルのことをすっかり忘れていました(汗)

(ご参考:リカマン・ウィビアメッセ限定ボトル紹介ページ)

ビール樽熟成のウイスキーはまだ数が少ないものの、秩父のIPAカスクを筆頭に、上手く使えば決して悪い影響を与えるものではないと感じています。
それはIPAに感じられるホップや麦芽の苦味と柑橘系の香味がウイスキーに付与され、若いなりにも飲めるようになるなと。ただ、IPA樽は一般的なウイスキーのそれとはベクトルの違う香味が良くも悪くも目立つため、ブレンドの1ピースとするには難しさもあると感じます。特にシェリーやワイン系とは致命的に合わないのではないかなと。

今回のブレンダーズトライアルは、その個性の強い原酒を敢えてブレンドに用いた、トライアルの名に相応しい意欲作。
ブレンドの1ピースであるグレーンをフィニッシュしていることや、その他の樽感がプレーンな感じであることから、全体をフィニッシュにかけた時の上から覆いかぶさるような香味の出方にならず、程よく感じられる程度にまとまっています。

あくまで値段なり、な構成ではありますが「ビール樽熟熟成のウイスキーの味」を手軽に感じられるのは、いい位置付けだと思います。