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CHICHIBU
ICHIRO'S MALT
MALT DREAM CASK for Bar Tenderly
Aged 8 years
Distilled 2009 Nov
Bottled 2017 Nov
Cask type Bourbon Barrel
700ml 61.9%

グラス:テイスティンググラス
場所:BAR Perch 萌木の村
時期:開封後3ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(5-6)

香り:ハイトーンでオーキー、乾いた木材、ハーブ、白木のような強くドライなウッディネス。バニラやココナッツの甘み、微かに柑橘のニュアンスを感じる。

味:パワフルでウッディ、荒さを伴う口当たり。ココナッツやくるみ、薄めた蜂蜜、徐々にオーキーなフレーバーが、ファイバーパイナップルや金柑のようなフルーティーさを感じさせる。余韻ではほのかなえぐみが蓄積、ヒリヒリとトーンの高いフィニッシュへと繋がる。

強い乾いた木材のニュアンスを伴う樽感と、ハイトーンで余韻にかけて独特のえぐみを伴うミディアムボディの秩父らしいモルト。バーボンオーク由来の甘みやフルーティーさはポジティブで、少量加水するとバランスが改善される。


大森の老舗BAR、テンダリーが20周年を記念してボトリングした、秩父蒸留所モルトドリームカスク(MDC)の1本です。
まずは月並みですが20周年おめでとうございます。

これまで通常のリリース含め、MDCのボトルは比較的飲んできたわけですが、バーボンバレルの秩父の味と言えば、ある程度香味の系統は伝わるであろう、色々な意味での安定感。この時期の秩父蒸留所の通常仕込み原酒のクセは、飲むほどに口の中に蓄積するような感覚があって個人的に苦手意識があります。
それは加水しても変わらないボトルが少なくないのですが。。。このボトルはその要素が多少改善されるのが、樽由来の要素と合わせてポジティブに感じられました。

こうしたニュアンスはニューメイクの段階からあるわけではないので、やはり樽と熟成環境によるところなのかと思うのですが。。。はっきりとしたことはわかりません。人によっては発酵槽由来の香味という説もあれば、違う場所で熟成した秩父原酒にその傾向が感じられなかったことがあり。。。
国内外の増え続ける需要に対応すべく、秩父蒸留所では第二蒸留所の建設が発表されたところ。もう現地では工事が始まっているようです。
秩父はまさにウイスキーの街になりつつあると感じつつ、 違いがどう出るのかが今から楽しみです。


さて、このような記念ボトルは通常そのお店で提供されるものですが、萌木の村とテンダリーの間には、バーマンが繋ぐ縁があります。
以前当ブログでBar Perchを紹介した際にも少し触れましたが、Perchのバーマンだった久保田さんが自身の新たな修行の場として飛び込まれたのがテンダリーです。

テンダリーについてはもはや私が語るのも烏滸がましい、巨匠・宮崎氏がオーナーである老舗かつ名店の一つであるわけですが、その縁がこのボトルを萌木のカウンターに運んできたわけです。(今年の4月、テンダリーの皆様が研修としてPerchに来られた時、偶々自分も萌木の村に滞在しており、大変いい雰囲気の空間を共有させてもらいました。)
萌木再訪、その繋がりを感じながらのテイスティングとなった今回の1杯。次は大森のテンダリーに脚を運んでみたいです。