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TALISKER
Aged 10 years
1980-1990's
750ml 45.8%

【ブラインドテイスティング】
地域:島系地域中心
蒸留所:アードベッグ、ラガヴーリン、タリスカーあたりが使われてそう。 
年数:10〜25年程度あるいはごく少量それ以上を含む
度数:45%程度 
樽:複数樽、リフィルシェリー樽を含む 仕様:加水、バッテッドモルト

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:自宅@ドーノックH氏出題
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:しっかりとスモーキー、フレッシュな塩気と少し焦げたようなピート香。合わせて色の濃い蜂蜜、ほのかに洋梨のタルトを思わせる甘いアロマと熟成感。古酒っぽいニュアンスが混じる。

味:とろりと粘性のある口当たりは、ピーティーでナッツや乾いた麦芽を思わせる軽い香ばしさ、塩気に通じるピリピリとした刺激も伴う。香り同様の島系モルトのニュアンスや、黒土系のピートフレーバー。余韻はスモーキーだがマイルド、ほのかに粘性とヨード伴って長く続く。

ベースとなる島系のニュアンスとオールドの熟成感、こなれた味わいが混在する熟成の広いレンジを使用している印象。ピートと塩気が強く、多彩で主張のしっかりした良質なウイスキー。


クラシックモルトシリーズのタリスカー10年、1990年代に流通したと思われる通称マップラベルをブラインドテイスティング。
第一印象は「若さとこなれた感じを併せ持つ」「島系のスモーキーさ」「複数タイプの樽が混じっている」で、塩気やヨードもしっかり感じられたことから、タリスカーやアードベッグなどの古酒を候補としてイメージしていました。

ただ次第に、これは熟成感なのか、経年と加水によって角が取れた香味なのか、考えすぎてその区別がつかなくなってきて、下は10年くらいだが上は20年を超える原酒まで含まれている、複数蒸留所のバッテッドモルトなのではないかという結論に。。。
白状すると、過去に今回の出題者から出題されたボトルが、8〜9割ブレンデッドやバッテッドだったことから、邪推してしまった感も否定できません(汗)。

今改めてコメントや内容を見ると、経年変化のあった、タリスカー10年のオフィシャルボトルという結論にもたどり着けたであろう片鱗が残っているのが非常に悔しいですね。
香味以外の要素を条件にして、深読みすると迷走する、ブラインドのお約束に見事ハマってしまいました。


クラシックモルトシリーズのタリスカーマップラベルは、親会社がUD社に切り替わった1980年代後半(1988年説有力)にリリース。初期はグリーンカラーでしたが、1990年代に入ってブラウンカラーボトルに変わったようです。
蒸留所の時期としては、モルティングをグレンオードに移行した頃からの仕込みで、原酒としては1970年台後半から1980年あたりが中心だと思われます。

マップラベルは最近ご無沙汰で久々に飲みましたが、しっかりした香味と個性のあるボトルだなと、改めて実感できました。
それもただ強いだけではなく、厚みと存在感がある香味の広がり方が印象的。TDやジョニーウォーカーラベル時代に比べると、島系の個性に対してモルトそのものの香味が少し弱い印象もありますが、70年代あたりはピーティーな原酒が不足気味だったという説もあり、個性の強い仕上がりはその当時の影響もあるのかもしれません。


今回のブラインドは、いつもお世話になっている酒販ショップ・ドーノックの店長Hさんから頂きました。
先日同店でサンプルをいくつか購入したところ、ついでにと小瓶が同封されてきたわけです。昨年はブラインドサンプルを定期的に発注していたものの、今年はサボっておりました(汗)。
絞りきれないだけでなく、雑な結果に反省です・・・。