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FOUR ROSES
Fine Blended Whisky
1950's
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人所有スペース持ち寄り会@OY氏
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(6ー7)

香り:カラメルソース入りの濃い紅茶を思わせる甘いアロマ。奥には淡い植物感を伴う穀物香、バニラ、若干のコゲ感を伴うしっとりとしたウッディネス。

味:メローでスムーズな口当たり。メープルシロップやキャラメリゼ、シロップ漬けチェリー。ややベタつくがコクのある甘み。
余韻はウッディでタンニンを伴いつつドライ。焦げたトーストと微かにハーブ香、ほろ苦くもスウィートで長く続く

香味ともスタンダードボトルとは思えない程しっかりした樽由来の甘みが特徴。全体的には良質なオークフレーバーが充実しているが、奥には穀物系の軽い香味、半世紀の経年を経てか、多少抜けたような部分も感じられる。


先日開催された持ち寄り会でテイスティングさせていただいた貴重な1本。フォアローゼズは1960年代流通は飲んだことがありましたが、50年代は初めて。ましてブレンデッド表記ともなれば未知との遭遇です。現行品のバーボンの中ではローゼズ推しなのもあり、ラベルだけでテンションが上がってしまいます。

何せこの手のスタンダードグレードのウイスキーは、流通時期的に日本に入らないだけでなく、普段飲みとして普通に消費されてしまうので市場に残りにくい傾向があります。
それこそ下の写真のように、コークハイあたりのジャンクな使われ方でガンガン飲まれたのではないかなと予想します。

(まさに意識が低い組み合わせの再現図。新旧合わさるこの構図が撮れて満足※今回は実際には混ぜていません。)

フォアローゼズブランドは、シーグラム傘下となる1940年代から一定期間、ストレートバーボンではなくブレンデッドウイスキー表記でリリースを行なっていました。

当時のシーグラム社はカナディアンウイスキーの蒸留所を所有していただけでなく、禁酒法明けの1934年、アメリカ市場にブレンデッドウイスキーであるセブンクラウンを投入。
フォアローゼズは禁酒法時代も生産を続けていた蒸留所で原酒が不足していたとは思えませんが、ライトなウイスキーが流行っている国内には 、ウッディで濃厚なバーボンタイプよりも、ライトでスムーズなブレンドが受け入れられると考えたのでしょうか。

米国酒税法における「ブレンデッドウイスキー」は、ストレートウイスキーが20%以上の割合を占めることとされていますが、スピリッツをブレンド出来ることと、この当時のボトルに限れば「アメリカン」表記がないことから、アメリカ以外で生産された原酒を使うことも可能でした。
流石に今回のボトルは甲類アルコールが混じった薄い味なんてことはなく、バーボン特有のしっかりとメローで濃厚な甘み、そこにカナディアンっぽい軽い穀物感が混じる印象で、飲んでいる時はこういうもんかと思いましたが、後から考えて成る程と・・・。何れにせよ、低品質なウイスキーというわけではありません。

このように、本国でのフォアローゼズはブレンデッド規格でリリースされており、これが一説では2002年のキリン傘下となるまで続いたとのこと。
ですが少なくとも海外市場においてはそうではなく、シーグラム社はアジアやヨーロッパにはバーボンウイスキーを輸出しており、1960年代に輸出されていたフォアローゼズ6年はケンタッキーストレートバーボン表記でした。
当時国内向けの商品はアメリカンブレンデッド表記であり、国内には国内の需要を満たし、世界的にはバーボンウイスキーとしてのブランドを確立していく戦略だったのだと考えられます。(似たような動きは、今の日本の一部企業にも見られますね。)
貴重なボトルを体験させていただき、ありがとうございました!


ちなみに余談ですが、フォアローゼズの由来としてFour Rose=4つの薔薇=求婚ストーリー、あるいは創業者に関する4人のローズ氏など、異なる名付けの由来が存在します。
現在、日本で広く知られているのはロマンチック?なバラのコサージュのエピソードですが、実際は後付けでシーグラムあたりが広告戦略として付け加えたのではないかと考えている派です。