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HEBRIDES (TALISKER)
Kingsbury Celtic Label
Aged 30 years
Distilled 1970
Bottled 2001
700ml 53.2%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:持ち寄り会@Nさん
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:芯のしっかりした麦芽香、奥にはエステリーなニュアンス。粘土質な土っぽさ、どっしりとしたピート香がじわじわと存在感を増して、燻したようなアロマへと変わっていく。

味:コクがありオイリーな口当たり、おしろいっぽさも伴う厚い麦芽風味、レモンジャムや洋梨系の果実味をベースに、しっかりとダシ感と土っぽいピート。スモーキーフレーバーが鼻腔に抜けていく。
余韻はピーティーなほろ苦さ、潮気とスパイシーな刺激、ビリビリと舌を刺激して長く続く。

樽感はプレーンで、ハイランド寄りとも言える麦芽風味が主体だが、合わせて感じられるピート、ダシ感、そして潮気がこのモルトの生い立ちの違いを物語っている。また余韻で唐突に感じられるスパイシーな刺激もらしさの一つ。少量加水するとピート香やヨード系のニュアンスが感じやすくなる。


イギリス、ヘブリディーズ諸島の名を冠したリリース。
この原酒が蒸留された当時、ヘブリディーズ諸島でウイスキーを作っていたのは、アイラ、ジュラ、マル、そしてスカイの4島ですが、主たる表記やその他リリースなどとの関連から、中身はタリスカーと言われています。

このタリスカーは、愛好家にとって注目すべき要素が一つ。それは同蒸留所が1972年にフロアモルティングを廃止する前の仕込みであることです。
タリスカー蒸留所は1960年に起こった大火災を受けて設備を改修し、1962年に再オープン。この時は従来の方式をほぼそのまま踏襲したことがエピソードとして知られていますが、そこから10年間後に親会社であるDCL(ないしSMD)社の方針からモルティングがグレンオードに移ります。

1970年代後半蒸留以降のタリスカーは、各ボトラーズのリリースや、UDないしディアジオのリミテッドリリースでテイスティングする機会があったところ。酸味を伴う独特のピートフレーバーの中に魚介っぽさ、ヨード、塩気などアイラにも通じる特徴も共通的に備えています。
他方で、フロアモルティング時代はこの辺りにブレが大きいのか、今回は近年使われている樽と同じようなプレーンカスクでありながら、ハイランドを思わせるモルティーさがメインで、単に熟成の変化だけではないスタイルの違いが興味深い1本でした。

ちなみに、写真の通り今回もやってしまったハイボールは、ボトルの持ち主推奨のスタイル。モルティーなボディがソーダを適度に受け止め、炭酸の刺激の中にピートが柔らかく香る、大変美味しい1杯でありました。