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ARDBEG
GROOVES
"Peat & Love"
Limited Edition 2018
Cask type Bourbon Barrel & ReCharred Red Wine Casks
700ml 46%

グラス:エリート
場所:イベント会場
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★(5ー6)

香り:ツンとした溶剤っぽい刺激に加え、レザーや強いスモーキーフレーバーを伴う濃厚なアロマ。合わせてバニラやキャラメルの甘みが時間経過で強く感じられ、消毒液、木材や植物が焦げたようなニュアンスを伴う。

味:ねっとりと濃厚な口当たり、塩水のコク、ビターで香ばしいウッディネス、樹液のようなニュアンスも伴う。アーモンド、焦がしたキャラメルや魚介。鼻腔に抜けるヨードと薫香。徐々にスパイシーな刺激が感じられる。
フィニッシュは香り同様に木材や植物が焦げたような苦味がまるで焚き火、強いピートスモーク。樽材由来の粘性のある甘みが舌の上に張り付くように長く残る。

樽由来の濃厚な甘みと合わせ、焦げたような苦味や香ばしさ、そこにピートとヨードのアイラらしいニュアンスが加わって、複雑というか混沌とした味わい。46%加水だが十二分に香味の濃さがある一方、果実味はあまり感じられない。少量加水すると樽香が落ち着き、燻製用ウッドチップ、BBQソースのような甘く香ばしいアロマ。
グルーヴ(高揚感)を感じるかどうかは人それぞれだが、樽のグルーヴ(焦がし跡)の影響は確かに感じる。お祭り的に1杯を楽しみたい。
       

「最もグルーヴィーなアードベッグ」
毎年5月末から6月にかけて開催される、アードベッグファンのためのお祭、アードベッグデーに合わせて発売されるアードベッグの限定品。このリリースの特徴は、通常ラインナップとは異なる樽での熟成、あるいはピートの強弱などで、特別かつ特徴的なアードベッグをリリースすることにあります。
今年のグルーヴスは、通常のアードベッグ同様にバーボン樽で熟成した原酒に、ヘビーリチャーした赤ワイン樽で熟成した原酒を加えることで、過去のオフィシャルリリースには前例のない、型破りなスタイルを特徴としています。

その味わいは、樽由来のエキスが色濃く出ている構成。この感じだとワインカスク側で樽由来の癖も良い悪いも全て混ざって濃厚に仕上がったところを、バーボン樽原酒で引き算したようなイメージです。
熟成年数は体感12年程度。チャーオーク由来の濃厚な甘みと焦げ感、スパイシーな刺激を伴うフレーバーが、ヨードやピートフレーバーと混ざり合う混沌。。。一言でこってり濃厚系の味わい。逆に言えば、細部を抑えつけたようなリリースであると言えます。

近年のアードベッグデーリリースは、ダークコーヴ、ケルピーと樽感マシマシ濃厚系が続いているところ。リリースの総指揮を取られているのはラムズデン博士ですが、この系統がツボなのかもしれません。
この手の構成については、インパクトは強いものの、身も蓋もない言い方をすれば、「オフィシャル通常ラインナップが一番バランスがいいよね」となりかねない。とりあえず昨年のケルピーよりはネガティブ要素が少なく、わかりやすく楽しめる1本だと思います。

GROOVEは、単語そのものの意味では"硬い表面の溝、細長いくぼみ"であるのに対し、俗語(主に音楽用語)としては、音楽などによって得られる"高揚感"を指す言葉としても使われています。       
熟成に使われたワイン樽は、リチャーの際に木材にしっかりと跡がつく程強い焼付けを行っていることが特徴とされています。つまり、形成される樽材の焦げ跡(GROOVE)と、リリースを通じて我々飲み手にもたらされる高揚感(GROOVE)、2つの意味をかけたネーミングなのかなと感じました。

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さて、今回はこのアードベッグ・グルーヴスを、6月1日、2日の2日間新宿で開催されるアードベッグデーに参加して楽しんできました。
毎年何らかの"仕掛け"が用意しているこのイベント。昨年のケルピーは海に潜むモンスターで、会場に色々仕掛けがあったところ。今年のリリースのテーマは"ラブ&ピート"で"グルーヴ"ですから、どんなものが準備されているのか・・・。    
それではイベントスタート!!            


( ゚д゚)・・・
スモークと共に登場した・・・誰ですか、この半世紀ほど時代錯誤なミュージシャンは・・・。

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まあ、ボブなんですけどね(笑)。
開場から車の中でずっとスタンバイしているので、何を準備しているのだろうと思ったら、こういうことだったようです。
リリースの背景にあたる1960年代のアードベッグ蒸留所のグルーヴとかけて、1960年代のオールドファッションを決めて来たディアジオ・シングルモルトアンバサダー。雰囲気出てますねぇ。

グラスが全員に行き渡ったところで、スランジバー!
蒸留所のアイドル、ショーティーくんもオールドファッションを華麗にキメています(笑) 

イベントではアードベッグのスタンダードラインナップである、TEN、アン・オー、コリーヴレッカン、ウーガダールをストレート、ロック、ハイボールで自由にの飲むことが出来、新発売のグルーヴはチケット制。全員が1杯は飲むことが出来る形式でした。
普段ここまでアードベッグ尽くしをすることもないので、良い機会だと一通り復習テイスティング。ストレートではコリーヴレッカンが中々良い仕事をしている一方、ウーガダールには若さというか辛さが目立つように。そして結局最後はTENのハイボールが一番だね、なんて話にもなったり(笑)。

ちなみに、今年もグルーヴスは加水版とは別に、コミッティー向けにカスクストレングス仕様がリリースされていて、いくつかのBARには既に入荷しているようです。
追って、このボトルもテイスティングしてみたいですね。