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既に多方面から伝え聞いているだけでなく、酒販店によっては告知されている情報ですが、2018年6月に白州12年が、同9月に響17年が休売となります。

これまでは、サントリーの営業サイドが内々に特約店などへ連絡。そこから伝聞を介して情報が広まっており、当ブログでも新商品に関する情報と共に噂を検証する記事を更新していたところ。本日、日経新聞に休売情報が掲載され、いよいよカウントダウンが始まったなという状況です。

日経新聞:サントリー「響17年」販売休止 ウイスキー原酒不足 白州12年も。
ねとらぼ:サントリー「白州12年」「響17年」販売休止へ ウイスキー人気で熟成した原酒が不足

日経新聞によると、休売扱いとなる2銘柄の再販時期は未定。サントリーとしてはこれまで同様積極的な設備投資と企業努力で原酒を確保し、再販を目指すとの姿勢ですが、12年、17年クラスの原酒は設備投資後すぐできるわけではなく、時間が必要であることは言うまでもありません。

仮に2010年ごろからの増産分があるとしても、ラインナップの復活はこのままの市場推移であれば、2025年から2030年くらいまでかかってしまうのではないかと。
そもそも現在使われている原酒が作られた2000年前後は、日本のウイスキー市場が最も苦しかった時期。当然生産も少なかったでしょうから、その当時の原酒で今のブームを乗り切れるはずもなく、休売の判断は時間の問題であったと考えられます。
むしろ早々にエイジングを撤退してしまったニッカウイスキーやキリンに比べれば、持った方だとも思います。


今後の響、白州、そして今回休売対象になっていない山崎の通常ラインナップはそれぞれ
響:ジャパニーズハーモニー、21年、30年
白州:NA、18年、25年
山崎:NA、12年、18年、25年
となり、定価で手に入るかはさておき希望小売価格1万円前後のミドルエイジクラスが、希薄なラインナップになります。

サントリーは、ここに平均酒齢15年程度とされる「響 ブレンダーズチョイス」(2018年9月発売予定・定価1万円程度)を投入予定。17年の代替としての役割を担わせていくようです。
ひょっとすると、ブームによる需要増で両ブランドの品質維持も供給も間に合わず共倒れになるかもしれない中。リリースを安定させるため、白州と響どっちを取るかの二択で響17年をNA仕様にして白州12年向けの原酒も回し、ジャパニーズハーモニーの上位グレードを開発する、といった苦肉の策だったのかもしれません。

参照:Suntory revamps Yamazaki, Hibiki and Hakushu packaging - The Sprits Business (4/27)

ただし白州12年について、海外や免税店向けリリースは継続するのか、今年発売となるProof表記入りで12年750ml仕様の新ラベルに関する情報も出ています。あくまで噂レベルではありますが、今年の秋頃にさらなる発表があるという話も聞いていました。
これが単に響17年の休売と、ブレンダーズチョイスの話のみなのか、それとも何かしらの動きがあるのか。。。
ねとらぼの記事によると、この他のラインナップで休売は予定されてないとのことですが、今回の件、今年1月頃聞いた話は発信源がいくつかあって、ミニマムは白州12年のみでしたが、最大級でサントリーのラインナップ半分くらい入れ替わるレベルの噂だったんですよね。

響17年は、前身となるNA時代を含めると1989年発売。白州12年は1994年発売。いずれにせよ、実に20年以上に渡り展開されたオフィシャルスタンダードが、姿を消すことになります。
特に響17年はジャパニーズブレンデッドの評価を確たるものにしたと言っても過言ではない、ブランドそのもののルーツです。ウイスキーブームが「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉そのものを招いているこの状況。この販売休止を発端に、2018年が2015年のニッカ・ショックに次ぐ、サントリー・ショックの年にならなければ良いのですが。。。