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LAGAVULIN
Distillers Edition 2017
Distilled 2004
Bottled 2017
PX Sherry Cask Finish
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@Y's Land IAN
時期:開封後数日以内
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:濃厚で落ち着きのあるアロマ。スモーキーで少しひねたような濃い甘み、たまり醤油、だし感、ほのかにヨード。徐々に焦げたようなウッディネスも感じられる。

味:とろりとした口当たり。オイリーでスイート、ドライプルーンやケーキシロップ、コクのある甘みからじわじわとドライでソルティーな風味が開いてくる。
余韻はピーティーでほろ苦く、序盤の甘みが強く残らないスモーキーなフィニッシュ。

香味ともPXシェリーカスクらしい濃厚さに加え、それが余韻にかけてしつこく残らない。荒さも樽と加水で程よくマスクされており、ピーティーさ、ソルティな香味が開いてバランスの良い仕上がりが感じられる。


毎年のリリースの中でもこれだけは外さないという印象の強い、安定のラガヴーリン・ディスティラーズエディション。リリース全体的に、毎年香味のベクトルが大なり小なり変わっていることがDEの楽しみでもあるのですが、このラガヴーリンだけはここ数年大きな変化はなく、同じ方向性の中でしっかり仕上げられていると感じています。

強いていえば、シェリー感が年々軽く、後半に感じられる塩気も同様に軽くなったという感じですが、今年のロットはその分バランスが整ったような印象。ロット差と言われるとそれまでという感じですらあり、安心して楽しめる1本です。


ラガヴーリン蒸留所のモルトの素晴らしさは、際立った個性とか厚みのある酒質とか、評価軸は色々あるのですが、個人的にはこの安定感なのかなと感じています。
言い換えると、時代を選ばない大ハズレの無さ。他のアイラの蒸留所は「アチャー」というものが少なからずあるのですが、ラガヴーリンはよっぽどキワモノなスペックでない限り安定感抜群。特に王道を行くオフィシャルはもう、現行品16年と20〜30年前のオールドを比較して、現行品は現行品で良いよねという評価が得られる数少ない蒸留所。スコットランドの中でも際立った存在だと思います。

ラガヴーリンDEは、通常のラガヴーリンの原酒を、最後の数ヶ月(公式には3ヶ月以上)PXシェリーカスクでフィニッシュ。DE全体でも一番濃い味わいに仕上がっていることが多いですね。
その樽由来か、古酒っぽいニュアンスも備わって、まろやかでどっしりとした存在感。スペシャルボトルのカスクストレングスはシャキッとしたピートやソルティさが魅力ですが、加水には加水の良さがある。今年のロットも楽しませていただきました。