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BOWMORE
Aged 25 years
"Amazingly Rich & Complex"
2017-2018's
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅@サンプル
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ドライでナッティーなアロマ。乾いた麦芽香を伴うスモーキーさ、乾いた木材、オレンジ、奥には微かにインクっぽさを伴うシェリー香。そして時間と共にフローラルな要素も感じられる。

味:オイリーだがじわじわと品の良いドライさを伴う口当たり。フローラルでキレイなパフューム、ピートスモーク、オレンジママレード、ほのかにマンゴーシロップ。ダシっぽいコクを伴う。
余韻は心地よいドライさ、ほろ苦くピーティーでフローラル、持続性のあるパフューム香が戻るように長く続く。

酒質と樽感、そして加水、弱くもなく強くもなく全体的なバランスがとれており、非常に整っていると感じる香味。少量加水すると香りが開き、ピートやオーク由来の華やかさが出てくる。マンゴー感はゼリーやキャンディにある加工品的なそれ。これで苦手な香味がなければ。。。


昨年ラベルチェンジと共に中身のリニューアルも行われた、ボウモアのオフィシャルラインナップ。
25年は熟成年数から構成原酒を単純計算すると、1991年から1992年の蒸留となっていよいよ当たり年期間となるのですが、例によって80年代のものも使われているのか、テイスティングの通りフローラル系のパフューミーさも備わっています。

個人的にこの香味は苦手な要素で、出ているウイスキーはモノによっては一口飲むのもノーサンキュー。。。なのですが、今回のボトルは全体のバランスの高さから不思議と飲み進むことが出来てしまいました。(パフューム系のフレーバーは余韻に蓄積して残るので、後々後遺症に苦しむワケですが。)
それこそこのパフュームをフレーバーの一つと見るなら、オフィシャルのシングルモルトとして完成度は高いと感じる程です。
(ボウモア蒸留所のポットスチル。1970年代から80年代にかけて発生したパフューム香は、ポットスチルに取り付けられた冷却装置の高効率化が原因だったとする説が有力。Photo by T.Ishihara)

このボウモア25年の完成度は、樽感が大きく影響していると感じます。
一つ下のグレードである18年はバーボン樽、シェリー樽のニュアンスが共に強く比較するとやや大味に感じられるほど。ともすると年数が増える25年は、単純に考えてさらに味が濃くてもおかしくはないのですが、リフィル系の樽がメインなのかバランスの良い樽感。長期熟成によるカドの取れた原酒の質感に、加水も効いて塩気もピートも穏やかで、さながら丁寧に組み上げ磨き上げられた一つの美術作品のような香味が、抵抗なく飲ませてくれるのです。
ボトラーズリリースとは異なる、オフィシャルボトルらしさを楽しめる1本ですね。

今回のボトルは先日記事を公開したグレンドロナック18年同様、ウイスキー仲間のMさんとトレードしたサンプルから。
相変わらずそこにボトルがあるかのような、素晴らしい質感の写真とセットです。
さらに記事中の補足画像はIshiharaさんから現地の写真を提供頂いて、単なる平凡なレビューが一気に完成度高く仕上がりました!