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CHICHIBU
GALAXY EXPRESS 999
Aged 7 years
Distilled 2010.2
Bottled 2018.1
Cask type Bourbon Barrel
Bottle No,11/118
700ml 61.3%

グラス:サントリーテイスティンググラス
場所:BAR飲み@GOSSE
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:クリアでツンとした刺激を感じる香り立ち。ドライでナッティ、バニラ、ファイバーパイナップル、ドライアプリコットを思わせるオーキーなフルーティーさ。

味:粘性を感じる口当たり。色の濃い蜂蜜の甘みとオーク、ナッツ、干し草を思わせるドライなウッディネス、奥には焼酎感。
余韻はドライでハイトーン、乾いた麦芽とウッディネス、ほのかにえぐみを残すフィニッシュ。

表記はないがバーボンバレルでの熟成と思われるオークフレーバー主体の香味。寒暖差のある土地での熟成らしく、約8年にして樽はだいぶ強いが、秩父蒸留所に共通するキャラクターも残っている。普通に美味しい秩父モルト。
加水すると華やかな香味が開き、ネガティヴ要素も消えてバランスが良くなる。 


最近、「大人の逸品」として、ウイスキーのリミテッドリリースを活発に行っている小学館集英社プロダクション。元々小学館には世界的なウイスキーコレクターにして、ウイスキーワールド誌でのテイスターも勤めた山岡氏が所属しており、そうした活動をしようと思えば出来る土壌はあったところ。同社からのリリースは、昨年話題になったゴルゴ13やブラックラグーンなどと人気作とのコラボリリースに加え、長熟のスペイサイドリージョンなど順調に増えており、いよいよその気になってきたのかな、という印象です。

さて、この秩父・銀河鉄道999ラベルは、同社の看板誌の一つともいえるビッグコミックの創刊50周年を記念し、同誌に掲載れていた作品をラベルとして発売されているシリーズの1本。
今回は秩父だけでなく、上記写真の通りスペイサイドリージョン名義でもう1本、スコッチモルトもリリースされていて、今年新作も公開される銀河鉄道999にかける思いが伝わってくるようです。(※銀河鉄道999の主たる連載はビッグコミックの兄弟誌のほうでしたが。)

ここで同作のファンであれば、コレクションしたいとか、味わいからストーリーを思い浮かべるとか、違った楽しみ方もあるのでしょうけれど、自分にとって銀河鉄道999はキャラクター名とストーリーの概要程度しか知らないもの。
よってそうした考察は別な方にお任せするとして、ここでは純粋に中身に関する話を中心に書いていきます。

この秩父モルトが蒸留された2010年。実はちょうど現地を見学していました。
改めて写真を見て、まだ貯蔵庫に樽がすくないなとか、肥土さん若いなぁとか、そんな懐かしさを覚えつつ、やはりウイスキーとして思い浮かぶのは酒質の違いです。

秩父蒸留所が創業した当初、産まれたのニューポットはクリアで長期熟成に耐えるとは思えない軽い酒質のウイスキーでした。
ポットスチルの形状を見る限り、ボディのある原酒が出来そうなものですが、ウイスキーづくりはポットスチルが全てではなく、原料、酵母、発酵、蒸留温度、ミドルカット。。。ポットスチル形状以外の様々な要素で仕上がりが異なることは大いにあり得るわけです。
そのため率直に言えば初期の頃の蒸留では、樽に負けてえぐみが強く出てるリリースもあると感じています。

状況が変わり始めたのはは2010年から2011年頃。こうして8年近く熟成した原酒を飲んでみると、30年とは言わないまでも10年程度の熟成に耐えうるボディとバランスを残しています。
ここに至る過程では、秩父蒸留所はクラフトウイスキーの先駆者ゆえ、前例のない様々な苦労や挑戦があった事は想像に難くありません。
銀河鉄道999の如く、イチローズモルトの終わりのない旅は一つ一つの駅(リリース)を経て、今後何処に至るのでしょうか。それを現在進行形で見ていける我々は、幸運な飲み手と言えると感じています。