カテゴリ:
ASAKA
NEW BORN
YAMAZAKURA
Distilled 2017.1.5
Bottled 2017.6.27
Cask type New American Oak Barrel #17003
700ml 63.3%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月以内
評価:ー

香り:ツンとしたアタック、ほのかに甘酒や麹のような癖を伴う香り。レモンバウム、乾いたウッディネス、ポップコーンや焼き芋を思わせる軽い香ばしさと甘みもある。

味:少しの刺激を伴う粘性、コクのある口当たり。蜂蜜レモンキャンディの甘み主体の味わいに、東京沢庵のような出汁っぽさを伴う酸味がある。
余韻はハイトーンでヒリヒリするアルコール感、焼き芋を思わせる焦げ感とねっとりとした甘みで長く続く。

新樽熟成らしく樽系の香味がだいぶ出始めているが、決して悪い方向ではない。あくまで発展途上であり、むしろ3年〜5年でのウッディでメローな仕上がりが期待できる。
加水すると香味とも酒質由来の酸味が引き立ち、天然酵母の麦パンを食べているよう。この麦芽風味と酸味が今後の熟成を経て熟成香、樽香と合わさった時にどう仕上がるか、楽しみになる1本。


昨年初頭、ちょうど今から1年前。福島県郡山市に創業した安積蒸留所から初のニューポットがリリースされました。
その原酒は多少荒削りながらネガティブ要素の少ない、素朴でコクと個性とも言える酸味のある味わい。当ブログでもレビューを掲載していますが、熟成による伸び代と削りしろのある素性の良い原酒と感じています。

そして今回テイスティングするニューボーンは、その同時期に蒸留した原酒をアメリカンホワイトオークの新樽で約半年間熟成させたもの。
この他にも安積蒸留所からはバーボン、シェリー、ミズナラといった樽でそれぞれ数ヶ月熟成させたニューボーンが、樽毎に複数種類リリースされています。


日本の酒税法等においてニューボーンの定義は明確にはありませんが、熟成期間3年未満のウイスキー(スピリッツ)がリリースされる際の名称として、主に国内市場で使われています。
言わばニューポットはスタート地点、そしてニューボーンは成長過程であり、決して美味しいだけのウイスキーとは言えないものですが、それぞれを飲むことで原酒の成長曲線に2つ以上の点がプロットされ、当該蒸留所における原酒の質、熟成環境の影響、それらを踏まえての成長を認識するきっかけとなります。

さて、安積蒸留所のニューボーンシリーズですが、先に書いたように酒質は素性の良い部類であり、若さゆえに多少感じられるネガティブな要素は熟成の過程で軽減されて樽感と馴染んでいくものと感じます。
それより、見ておきたかったのは熟成環境の影響です。
樽由来の要素としては、バーボン樽は余韻にかけてコクと淡い華やかさがあり、5〜8年程度でピークを迎えるであろう構成。ミズナラはスパイシーでニッキのような香味が早くも感じられ、シェリーはやや癖のあるウッディさで甘みが出ておらず、まだ未知数のところがある印象。

そして今回のテイスティングアイテムである新樽熟成のニューボーンは、バレルサイズであることも影響してか、4種類の中で最も樽の影響が出ているだけでなく、今後夏場を迎えることを考えても、やはりピークは速そうです。
それこそ10年で余市の新樽熟成のような、濃い甘みとウッディな仕上がりになるのではないかと感じます。やはりピークは速そうですね。

なお、ピークが早く来るということは、それだけ酒質の仕上がりが荒くなる可能性もあります。
安積蒸留所の酒質はそこまで荒いタイプではないので、短熟で飲めない味わいにはならないと思いますが、より馴染みやすい綺麗なニューポットを作っていく必要があるのも事実です。
2016年の創業から1年以上が経過して、スタッフの技術やノウハウの蓄積、設備としての慣れ、つまり蒸留所としてはどう成長しているのか。この点については、後日改めて記事にしたいと思います。