カテゴリ:
ICHIRO'S MALT
Malt & Grain
World Blended Whisky
Limited Edition
Batch 2
700ml 48%

グラス:サントリーテイスティング
場所:BAR飲み@BAR LIVET
時期:開封後1〜2週間程度
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:華やかでドライアップルやアプリコットを思わせるフルーティーさ、微かにハーブ、干し草、乾いた木のアロマを思わせるオーク香。時間経過でツンとした刺激、酸味も伴う。

味:粘性のある口当たり。蜂蜜のかかったクラッカーのような軽い香ばしさを伴うグレーンの甘み、ファイバーパイナップル、ドライアップルを思わせるオークフレーバー。
余韻はドライでウッディな渋み、酸味を伴う麦芽風味と若干の焼酎っぽさも感じられる。

全体的にはオークフレーバーのある内陸スコッチモルトと、グレーンの風味がメイン。特に熟成感のあるグレーンが全体を繋いでまろやかな口当たりであるが、秩父モルトの酸味と若く刺々した主張が相反する要素となって、"混ざっている感"も残る。少量加水すると各原酒に繋がりが出て、バランスがぐっと良くなる。ストレートで構成原酒の主張を楽しんだ後は、加水を試したい。


イチローズモルトがリリースしているウイスキーの中で、物量としては最も飲まれているであろうホワイトラベル"ワールドブレンデッドウイスキー"の上位グレード版が、今年に入りリリースされたリミテッドエディションです。

ワールドブレンデッドウイスキーは、イチローズモルトが自社産のモルト原酒以外に、海外から輸入したモルト原酒、グレーン原酒をブレンドして作るウイスキーです。
ホワイトラベルがリリースされたばかりの頃、輸入原酒に関して特段これという記述はありませんでしたが、数年前に「チチブ ブレンデッドウイスキー」とする表記に変わり、昨年あたりから「ワールドブレンデッドウイスキー」へと名称(説明文)が変わっていきました。

近年のウイスキー業界の流れと照らし合わせると、背景を色々イメージしてしまう時系列でもあります。
ただ、誤解のないように補足すると、そもそもイチローズモルトは蒸留所の見学時やイベントなどの商品説明で、ホワイトラベルは世界5地域で生産される原酒を用いて作られている旨の説明をされてきましたので、それがラベルに反映されたという話でもあります。


日本のウイスキーにおける輸入原酒の使用については、いかに理論的に説明しても、好き嫌いに近い本能的な要素もあって一定数から理解が得られないのは仕方ないことです。
ただ、現在世界的なウイスキーブームで多くの蒸留所が産声をあげ、原酒が作り出されている中。こうしたリリースこそ、ウイスキーづくりの技術がある日本だから出来るブレンデッドウイスキーの一つ。さながら世界の技術の粋を集めて作られる最先端製品の如く、新しい可能性に繋がる区分だと思うのです。

話が脱線してしまいましたが、今回リリースされたリミテッドエディションは、特段情報はありませんが、ノーマルなホワイトラベルに比べてしっかり熟成された原酒が使われているようで、全体的に樽香や熟成感を感じる味わいに仕上がっています。背面ラベルの記載で考えれば、輸入原酒であっても、秩父で追加熟成をしたものも含まれているかもしれません。
平均的な熟成年数は12年くらいでしょうか。香味からざっくり予想するなら、5年くらいの秩父に、10〜20年くらいのグレーン、スコッチモルトなどという構成ではないかなと感じます。

ちなみに、先日発表されたウイスキーマガジン社主催、ワールドウイスキーアワード(WWA)の日本地区審査において、限定品区分のジャパニーズブレンデッドウイスキーでは、このイチローズモルト"ワールドブレンデッドウイスキー"の日本版ともいえる、"ジャパニーズブレンデッドウイスキー"が日本地区のベストウイスキーに選出され、世界審査に進むことが発表されています。
昨年はシングルモルト部門でWWA初戴冠を果たしたイチローズモルト。2年連続の受賞となるか、結果を楽しみに待ちたいと思います。