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GLEN GARIOCH 
Aged 21 years
Distilled 1965
(Sherry type)
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:KuMC@NYさん
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★★(8ー9)

香り:最初は黒蜜系の甘く落ち着きのある香り立ちだが、徐々に干し葡萄などのダークフルーツ入りチョコレートケーキ、奥から燻した麦芽や黒土、ほのかに乾いた草、鞣し革を思わせるアクセント。奥行きのあるアロマで淡い酸味を伴う果実香とピート香が陶酔感を誘う。

味:まろやかでとろみのある口当たり。燻した麦芽、黒糖麩菓子、ほのかにドライベリーやレーズンを伴う黒糖系オールドシェリー。ピリッとする刺激が舌の上に感じられる。
鼻抜けは微かにフローラル、余韻は柔らかいウッディネス、少しべたつきがあるが、深い甘みとほろ苦いピートフレーバーが長く続く。

思わず口角が上がってしまう旨さ。バッティング加水でバランスのとれた味わいに、シェリー樽の質の良さ、今より遥かに強い60年代のギリーらしい個性が渾然一体となって感じられる。その一つ一つを紐解くように、ストレートをじっくり時間をかけて楽しみたい。

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タイプ別で2種類リリースされている、1965年蒸留表記のグレンギリー21年オフィシャルボトル。表ラベルに小さく書かれたモリソンの社名に時代を感じます。リリース時期は単純計算で1987から1988年ごろと思われますが、今回のボトルは日本に1990年代に入ってから流通したようです。

上記"タイプ別"というのは、使い古したリフィルシェリー樽主体と思われるライトカラーのボトルと、今回のファーストフィルシェリー樽主体と思しきダークカラーのボトル2種類が、同じデザインのラベルでリリースされていたもの。
ライトカラーのほうは飲んだことがありましたが、ダークカラーは初めて。前者は樽感が淡いというか、オールド的なこなれた感じであるところに、ギリーらしい土っぽいピーティーさのしっかり感じられる味わいがわかりやすい、オーソドックスな構成だったという印象があります。

では後者であるシェリータイプはというと、ちょっと別格ですね。以前コーウェルさんの15年熟成に度肝を抜かれましたが、それに共通する要素もあるバッティング加水版と言いますか。
突き抜ける味わいではありませんが、加水でなおしっかり主張する存在感のある個性に、オールドシェリー樽のふくよかな甘みと果実味とが合わさって、グレンギリーとして完成度の高い味わいに仕上がっているのです。

近年のグレンギリーは、1997年の再稼働後はピーテッドモルトの仕込みを辞めてしまったようですが、この味わいを知ってしまうとやはりグレンギリーにはピートが欲しい。そしてオールドシェリーとの組み合わせが堪らない。自分ギリー好きだなと、改めて感じる1杯でした。
いつも素晴らしい1杯をありがとうございます!