カテゴリ:
BUSHMILLS
STEAM SHIP COLLECTION
Limited Edition
Port Cask
700ml 40%

【ブラインドテイスティング回答】
地域:アイリッシュ
蒸留所or銘柄:特定できず
仕様:ブレンデッド
熟成年数:10年程度
蒸留時期:近年
樽構成:バーボン及び複数樽
度数:45%程度
暫定評価:★★★★★(5)

香り:紙っぽさとツンとした刺激、牧草や薬のような苦味を伴うアロマ。奥から穀物系の甘み、柑橘、バニラの要素も感じる。

味:ほろ苦く穀物的な味わいから、蜂蜜のような甘み、舌先にピリピリとした刺激とほのかにライムのような柑橘系のアロマが鼻腔に抜ける。
口当たりはオイリーだがボディ感はあまりない。余韻はべたつきのあるケミカル系の甘さとほのかな薬香を伴って長く続く。

オーク系のウッディさにべったりとした甘さやほのかな薬っぽさ。蒸留方法に特徴がある原酒が使われている印象。
ハイブリッドスチルを使っている新興国系かアイリッシュで迷う。ただそれにしては熟成年数をそこそこ感じるので、ただ単にアイリッシュなのかもしれない。

ウイスキー仲間で当ブログに写真も提供頂いているT.Ishiharaさんからの出題。
今から1世紀以上前。ブッシュミルズがアメリカへの輸出を開始した際に使われた蒸気船、その処女航海125周年を記念し、2016年に免税店向けに販売されたのが蒸気船シリーズ"STEAM SHIP COLLECTION"です。

ラインナップ構成は樽違いで3種類、シェリーカスク、バーボンカスク、そして今回のポートカスクの3種類がリリースされています。
今回のテイスティングアイテムは、その3種類のうち、ルビーポートを3年間シーズニングさせた、ポートカスクで熟成した1本。熟成期間は不明ながら、10年から14年程度の原酒が使われているという話もあります。
加水が効いていることもあると思いますが、シーズニングに使われたポートがそこまで強くないのか、あまりリッチなポート感ではありませんが、らしいケミカルなフルーティーさも奥に感じられるバランスタイプのウイスキーです。

ブッシュミルズ 蒸気船シリーズ ラインナップ。

ブラインドテイスティングの回答と比較してみると、ポートカスクの印象をどう捉えたかが「カギ」になったように感じます。
余計な雑念が入り新興国系もあるかも、なんて考えたりもしていますが、地域や蒸留方法による特徴、熟成感は概ね感じた通り。
他方で、ポートカスクやワインカスク熟成のウイスキーに見られるべたつきのある感じ、そこに加水が加わって奥行きのあまりないのっぺりとした質感を樽由来ではなくグレーンっぽいなと感じてしまったのが失着でした。
ワイン系、ポート系は普段あまり飲まない飲まないので、またしても意識の弱いところからミスリードしてしまったようです。

銘柄の絞り込みについても、これという確証を持てませんでしたし、アイリッシュやアメリカンはまだまだ経験が足りませんね。
この辺の理解、整理を進めることが今年の課題かなと思います。


余談ですが、この蒸気船シリーズは一部日本にも並行輸入されており、国内での購入も可能です。
ただ、日本の酒販サイトの一部では「ブッシュミルズ蒸留の125周年を記念したボトル」としての記載が見られ、それをそのまま引用するサイトも・・・。
ブッシュミルズの創業年については諸説ありますが、少なくとも200年以上は経過していますので、間違いのないようご注意ください。