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BUSHMILLS
DISTILLERY RESERVE
Aged 12 years
2017's
Cask type Ex sherry & Ex bourbon
700ml 40%

【ブラインドテイスティング解答】
地域:アイリッシュ
蒸留所or銘柄:クーリー
仕様:シングルモルト
熟成年数:12年程度
蒸留時期:近年
樽構成:バーボンバレル主体
度数:43%
暫定評価:★★★★★(5ー6)

香り:青みがかった華やかなオーク香、レモン、蜜感のある林檎、干草、うっすらとケミカルなトロピカル香も開いてくる。

味:若干の水っぽさのある口当たり、素朴な麦芽風味、クラッカー、すぐにバニラの甘みやケミカルなフレーバーが開いてきて支配的に。余韻はややべたつきがあり、ケミカルなシロップ、ネクター系の甘さ、ほのかな植物感が張り付くように残る。

アイリッシュか南ハイランドか非常に悩ましいボトル。アイリッシュにしてはモルティーさとオークが強いし、近年の南ハイランドにしてはあまり毒々しさがない。普通に考えればアイリッシュで、ブッシュミルズなど、このレンジのオフィシャルでトロピカル要素が強いところではない銘柄と予想。



先日に引き続き、ウイスキー仲間のIさんからのブラインド出題。Iさんが昨年現地を訪問した際、購入されたものだそう。

素直に考えればアイリッシュなのですが、どうにも南ハイランドがちらついて、最後まで地域で悩んでいたことが伺えるテイスティングの流れ。
その結果、ブッシュミルズも候補としておきながら、アイリッシュとスコッチの中間点的なモルトなのではないかと、キャラクターを明確にイメージ出来ないクーリーを諸情報から予想するという、自分の舌と鼻を信じられなかったテイスティングをしてしまいました。
こういう予想をすると、大概外れますw

アイリッシュは主要な銘柄以外それほど意識して飲んでいないので、ブラインドで地域がわかっても、どうしても不安が残ってしまいます。
他方、それ以外の要素は、ほぼほぼ感じたとおりでしたので、全体的には及第点かなと。アメリカンとアイリッシュの蒸留所毎のキャラクターの理解が、今後の課題でもありますね。


(ブッシュミルズ蒸留所外観。スコッチのそれを思わせるキルン塔の反対側、高層階の熟成庫がスコットランドとは異なる独特の雰囲気を醸し出している。Photo by T.Ishihara)

さて、このブッシュミルズ12年ディスティラリー・リザーブは、蒸留所限定で販売されているリリースの一つ(一部海外酒販では購入可能な模様)。以前は白いラベルのデザインでしたが、昨年からリニューアルし、この水色のデザインとなったようです。

蒸留所限定というと特別な印象を受けますが、 個人的にはオフィシャルスタンダードのベクトルから大きくそれないと感じる構成。 加水でバランスよく、樽感は基本リフィルとバーボンバレル主体か、シェリー系のこってり感は控えめ。
アイリッシュらしさの適度にある、万人向けのリリースだと思います。