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SPRINGBANK
Aged 15 Years
Campbeltown Malt Scotch Whisky
1990's
750ml 46%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:ベリー系のアロマ、熟した果実や黒砂糖、華やかさとみたらし系の古酒感が混在している、リッチなシェリー感。合わせて土っぽさや燻したスモーキーさ、モルトスナックを思わせる香ばしい麦芽風味も奥から感じられる。

味:とろりとした粘性、コクのある味わいが感じられる口当たり。ベリージャムとカラメルソース、黒砂糖、中間はややべったりとして変化に欠けるが、厚みのあるボディと徐々に顔を出すピートフレーバーが樽感を受け止めている。
余韻はドライでウッディ、そして柔らかいスモーキーさ。収斂するタンニンに対してベリー感が長く残る。

ベリー系の風味が混じる古きよきシェリー感、厚みのあるボディ、加水で整えられたまろやかな飲み口。樽感と酒質のバランスが取れており、現行品では中々見られない総合的に完成度の高い味わいを楽しめる。是非ストレートで。


当時は普通に売られていたボトルも、今飲むと完成度が非常に高いことに気がつく。マッカランしかり、グレンドロナックしかり、ハイランドパークしかり・・・。近年のオフィシャルも一時期に比べて良くなってきたとは思いますが、70年代蒸留の原酒が普通に使われているそれと比較するのは酷というものです。
加えて1990年代というのは、酒税法大改正や円高の影響もあり、洋酒の価格崩壊が起こった時期。世間はバブル崩壊による不況でそれどころではなかったとは思いますが、ウイスキー愛好家的には天国のような時代だったとも言えます。

今回のスプリングバンク15年は、まさにその時代を体現するかのようなボトル。オールドシェリーのニュアンスがぷんぷんするだけでなく、厚みのあるボディのスプリングバンクらしさが底支えとなって、味はまろやか、香りはふくよか。モルトの香水などと例えられたのも理解できる、高い完成度を誇るオフィシャルリリースという印象の1本です。
このボトルが普通に買えたのは、羨ましい限りです。


そうして当時流通量が多かったこともあり、この時期のスプリングバンクは比較的飲む機会に恵まれているのですが、色がまちまちでロット差が大きいという印象もあります。
これはバンクのボトリング設備がそこまで大きくないので、ロット差が出やすいこともさることながら、スプリングバンクが一時期"冬の時代"に陥り、樽の調達も差が出てしまっていたのではないかとか、色々感じるところはあります。

特にビンテージで比べると上記写真の同時期流通品25年と21年では21年の方が濃く、さらに21年よりも若干今回の15年の方が濃いという、普通に考えると逆じゃない?という構成。まあ上記ロット差や、流通先の違いもありますし、例えばグレンファークラスの角瓶時代も25年より21年の方が濃いとか普通にありますので、メーカーのブレンド方針というだけかもしれません。
ただこのわかりやすい違い故、当時は「スプリングバンクを買うなら色が濃いほうを買え」という愛好家共通の方針もあったのだとか。

イベントでわざわざテイスティングする特別感はあまり感じないかもしれませんが、はっきり言って下手なボトラーズに手を出すくらいならこういうボトルのほうが旨いのです。まして当たりロットならなおのこと。
このボトルは例によってBAR IANのウイスキーラバーズ名古屋2018先行テイスティング会でのテイスティングなわけですが、イベント当日、何を飲んで良いか迷うとか、あるいはとりあえず飲みやすくて美味しいものを求めるようであれば、1990年代のミドルエイジ・オフィシャルボトルを探してみると良いと思います。