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CROWN ROYAL
Fine Deluxe Blended Canadian Whisky
1978's
750ml 40%

グラス:グレンケアンテイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封直後
評価:★★★★(4)

香り:軽やかな穀物香とバニラウェハースを思わせる甘いアロマ。ほのかな植物感。奥行きはあまり無いが、落ち着きのある香り立ちで、時間経過でメローな甘さが強くなってくる。

味:スムーズでとろりとした粘性、ライトな穀物感の漂う口当たり。味わいはやや単調で、穀物系の甘みとほろ苦さ主体、少し蜂蜜のような甘みも感じられる。余韻はドライ、あっさりとしている。

これぞカナディアンというライトでスムーズな味わい。言い換えれば加水済みのグレーンのような構成で、単調気味。たまに飲むと楽しめる侮り難さはあるが・・・。ストレート以外ではロックはすぐに水っぽく、ハイボールは作るなら濃いめ、あるいはコーラ、セブンアップ割り等で。



セット買いでついてきた、クラウンローヤルのオールドボトル。流通時期はTAXシールの印字を参照。
クラウンローヤルは1939年に献上品の位置付けとして誕生し、長らくカナダ国内のみ流通していましたが、1964年から世界的に輸出されて今日に至っています。
オークションを見ると1964年以降のボトルがほぼ100%であるのは、この時期から大々的に展開されているためなんですね。

クラウンローヤルを製造する蒸留所は、1992年に現在のギムリ蒸留所に切り替わっており、今回のボトルはそれ以前に当たるウォータールー蒸留所での生産ということになります。
その違いについては、これまでクラウンローヤルは1960年代から1990年代まで広く飲んできましたが、1960年代の方がメローで甘みが強く、1990年代にかけて穀物系のフレーバーやほろ苦さが強くなる印象。ベクトルが大きく変わった感じはないものの、60〜70年代の方がマイルドかな、という感じです。
(なお現行品は。。。昔飲み始めの頃、王冠を模したボトルデザインの豪華さに惹かれて購入し、「うーん?」となった事からお察し下さい。)

カナディアンウイスキーの製法は、ざっくり言うとグレーンウイスキーのそれ。しかも一般的な製品は低度数かつリフィル系の樽を使うことが多いこともあって、これと言う個性が出にくい傾向があります。
クラウンローヤルも例に漏れず、熟成感は8年程度感じますが、樽感は弱め。
その結果、ライトで癖の少ない構成が好まれ、かつてのアメリカ市場等を中心にヒットしたワケですが、そうした特性もあって飲み方はストレートよりカクテルや炭酸飲料の割材向け。後は自作ブレンデッドを作る際のグレーンがわりに使う、という用途もあります。

ちなみに、直接的な関係はありませんが、カナディアンウイスキーにとって1992年は業界の転機になった年という説があるようです。
クラフトディスティラリーの増加から、様々なブランドに加えてカスクストレングスなどの多様なリリースが増えてきた、そのキッカケとなる年だったとか。
バーボンに比べて規制の緩いカナディアンは、本来ならもっとコアな愛好家向けのリリースも出せるはず。最近バーボン業界もクラフト系の動きが活発になってきましたし、一部評論家から「終わってしまった土地」などと言われた隣国カナダからの突き上げも期待したいです。


(追記)
この記事を書いていて気になった事があり、追加で調べて見ました。
日本のサイトでクラウンローヤルについて調べると「ラ・サール蒸留所」という単語がちらほら出てきます。
一方、クラウンローヤルの生産は、記事にも書いた通りオンタリオ州のウォータールー蒸留所で行われ、1992年に火災で焼失した後は、現在のマニトバ州のギニリ蒸留所での生産に切り替わっています。すると、ラサール蒸留所とはなんなのか?

調べて見たところ、「ラサール」という地名はマニトバ州にもオンタリオ州にもあり、上述の蒸留所の別名であるかのように読めるのですが、以下サイトの情報によると、このラサール蒸留所はケベック州にあるようです。

なんとも紛らわしい話、ラサール蒸留所で行われたのはクラウンローヤルの"試作"のみで、その後ブレンドレシピが確立した後は、量産等をウォータールー→ギニリで行われているものと考えられます。
また、このラサール蒸留所は、2003年に閉鎖している模様。以下のサイトに同様の記述もありました。

これが正しければ「試作を行なった」というメーカー紹介は間違いではないものの、製品に対してどういう位置付けなのか、あるいはその後はどうなったのかを説明しないのは、不親切だなと感じてしまいますね。
まあこの話を知って何かという訳でもないんですが。。。この件についてここが違うなど、正しい情報をお持ちの方がおりましたら教えてください。