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FAMOUS GROUSE
TIGER'S EYE
MASTER BLENDER'S EDITION
Blended Malt Whisky
700ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後3ヶ月程度
評価:★★★★★(5-6)

香り:甘い近年系シェリーオークのアロマ。ドライプルーン、オレンジピール、ビターチョコレート、微かにスモーキー。香木のようなニュアンスも混じるが、時間経過で土っぽさ、葉巻、ウッドコテージのような木材の香りが強くなってくる。

味:スムーズでまろやか、メローな口当たり。キャラメルソース、ドライプルーン、干草系の乾いた味わいの奥には麦芽風味。ボディは度数以上に厚みと勢いがある。
余韻はほろ苦くピーティー、程よいウッディネスが染み込むように長く残る。バランスの良い味わい。

近年系のシェリー感主体なブレンデッドモルト。果実味というよりウッディーな甘みと香味が中心的で、ほろ苦くスモーキーな余韻へ、負担なく飲み進められるバランスの良さが魅力。少量加水すると甘みが増し、さらに滑らかな飲み口。ロックはややボディが崩れ勝ちだ許容範囲、ハイボールにはあまり見るところが無かった印象。ストレートか少量加水で。


先日紹介したブラックダイヤモンドの通常品的位置付けの、フェイマスグラウス・タイガーズアイ。どちらもパワーストーンの名前を冠しており、ラベルにはその石の模様も見られます。パワーストーンシリーズとして今後もリリースが増えていくのかもしれません。
これらは2009年に同ブランドのマスターブレンダーとなったゴードン氏の作で、リリース開始は今年2016年後半から2017年にかけて。どちらもシェリー樽を思わせる、リッチでメローな味わいが主体的なフェイマスグラウスらしいブレンデッドモルトです。

古酒系の深いニュアンスも感じられた前者に対し、タイガーズアイは近年のシェリー系オフィシャルスタンダードに共通する香味が主体。例えるなら、飲み口はマッカラン12年やタムデュー10年、余韻にかけてグレンロセス、ハイランドパーク12年という具合。
度数は40%ながら飲みごたえがあり、加水が効き過ぎてる感じはありません。これらのブランドに共通する、バランスの良いシェリー感、ブレンデッドモルトらしい複数のキャラクターを感じる香味に仕上がっています。

濃厚なシェリー系も良いですが、こういうスタイルのボトルは逆に癒しを感じてしまいます。普段飲みの味わいですね。
特に普段カスクストレングスタイプを飲むことが多いと尚更。。。樽感が程よいので、酒質由来の香味がわかりやすいのもポイントです。


思い返すと、フェイマスグラウスは家飲み用ボトルが結構あることに気がつきました。現行品から特級時代のものも合わせると6-7本くらいでしょうか。
飲んでいて感じるのが構成原酒の良さ。いつの時代もモルティーな華やかさや樽由来の甘みがあって、スムーズで飲みやすい中にスコッチならではのピーティーさが潜んでいる。

飲み始めの頃は感じ取れなかった様々な要素が、経験を積んだ今は感じられるようになって、飲む楽しみがさらに増えました。
飲みやすいだけでなく、奥の深さがブレンドの質の高さを感じる要素ですね。