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BRORA
Limited Edition
Aged 30 years
Bottled 2010
700ml 54.3%
   
グラス:グレンケアンテイスティンググラス
量:ハーフショット
場所:BAR飲み@エクリプスファースト
時期:不明
評価:★★★★★★(6)

香り:やや酸味と青さのある香り立ち。干し草にツンとした刺激、徐々に乾いたウッディネスからワクシーな甘み、ほのかにスモーキーで土っぽいアロマも開いていくる。

味:とろりとした口当たりから、やや青さのある麦芽系の甘さ。バニラ、乾いた牧草、胡桃のようなほろ苦さとじわじわスパイシー。コクのある味わい。余韻はドライで焦げたようなピートフレーバーが広がり、ほのかな植物感を伴うビターなフィニッシュ。

ブローラというよりはややクライヌリッシュ寄りの味わいが主体だが、余韻にかけてピーティーでらしさも感じられる。ストレートで充分バランス良く熟成感も感じられ、少量加水するとさらに麦芽系の甘みがメインになってくる。


失われた蒸留所、ブローラ。先日のクライヌリッシュ(花と動物)繋がりで、先代クライヌリッシュであるブローラのオフィシャルボトルを記事にしていきます。
こちらもご存知の方が多いとは思いますが一応前置きとして・・・ブローラはかつてクライヌリッシュとして操業していた蒸留所。増産体制を取るべく1967年に新しい蒸留所が建設され、その蒸留所がクライヌリッシュとなり、旧クライヌリッシュはブローラと名を変えて1967年から1983年までは平行して稼動していました。

ブローラの特徴は、ピーティーで荒々しく、ある種野生的とも言えるような力強い味わいが魅力として知られていますが、全ての期間がそうだったわけではなく、1970年代を中心とした10年前後の期間に限られるキャラクターとなっています。
クライヌリッシュとして稼動していた期間、すなわち1967年以前はオールドハイランドスタイルで、ピーティーですが染み込むような味わい。そして1980年代は総じてピートが弱まり、キャラクターもクライヌリッシュを思わせるワクシーな麦芽風味に草っぽさが混じるような構成の樽が増えていきます。
元々はブレンデッド用に使われていた原酒が、その役割を終えて新しいキャラクターを確立したものの、時代はやがてウイスキー冬の時代、魔の1980年代へ。当時のDCL社の主要な原酒のひとつとしてクライヌリッシュは生き残りますが、ブローラは1983年に100年以上続いた歴史に幕を下ろすこととなりました。

さて、今回のボトルは2003年ごろからディアジオが毎年リミテッドエディションとしてブローラに残された原酒を使って作っている、カスクストレングスのシングルモルトです。
2010年ボトリングで30年モノ、味の傾向から1970年代前半よりも1980年頃の原酒をメインに使ったのではと思われるスタイルで、上述のブローラらしい魅力全開というより、ちょっとピーティーなクライヌリッシュという感じですが、余韻にかけてはそうした時代の片鱗も感じることが出来ます。
近年のブローラはすっかり高嶺の花になってしまいましたが、今とは異なるそのキャラクターは唯一無二の個性だったと思います。

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ちなみに、今もブローラの稼動が続いていたら・・・なんて思うのは愛好者の性。その可能性を一つ形にしたのが、今年の初めにリリースされていたクライヌリッシュのラガヴーリンカスク熟成。荒さの残る仕上がりながら、ブローラの姿に味わいを重ねた愛好者は少なくなかったのではないでしょうか。(テイスティング@BAR LIVET)


ここ最近ずっと激務が続いているくりりんです。
特に8月頃から1週間のうち2~3回深夜タクシー帰りが当たり前になってしまいました。1時2時くらいの帰宅なら全然書けるんですが、流石に連日4時退社では筆が追いつきません。。。土日もどちらか普通に出勤してますし。そんなわけで記事更新が飛び石になりがちです。そしてコメントにも返事が出来ておらず申し訳ございません。
昨日は朝5時退社で帰宅後シャワー&着替えからの東京駅、一睡もしないで新幹線に飛び乗って日帰り出張です。新幹線寝過ごさないでよかった(笑)
最新リリースのテイスティングもろくに出来ていないのはもやもやする気持ちになりますが、まずは一家の大黒柱として家庭が第一、そしてそれを維持するための仕事ですから、仕方ないですね。
まあそれにしても、来週は1日くらいBAR飲みでもしにいきたいです。