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LAGAVULIN
FEIS ILE 2017
Aged 16 years 
Bottled in 2017
Wood type Double Matured in Moscatel cask wood
700ml 56.1%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み&持ち寄り会
時期:開封直後&開封後1ヶ月後
評価:★★★★★★★(7)

香り:穏やかな香り立ちから柔らかく広がる。スモーキーで土っぽいピート香、合わせて柑橘、蜂蜜。焦げた木材とヨードのアクセント、時間経過で酸味を伴う。

味:とろりとした口当たり。香りに反してパワフルなアタック。シロップの甘み、柑橘、蜂蜜レモン、中間からピートフレーバー、ダシ系のニュアンス。支配的なスモーキーさ。
余韻はスパイシーでパワフル、スモーキーで焦げたような余韻。

序盤は甘く爽やかな柑橘を思わせるニュアンスから、ピートの広がりや強さが余韻にかけて主張。ハウススタイルとモスカテル樽によるダブルマチュアードは自然な一体感がある。
加水も少量なら悪くない、後半の力強さが落ち着いて適度なコクとスモーキーさが残る。


ラガヴーリンのアイラフェス2017向けリリース。昨年は蒸留所創業200周年記念と掛けた18年が、王道かつ気合の入ったリリースで、愛好家から高い評価を受けたのは記憶に新しいところ。
そうなると今年のリリースはハードルが上がって、実際以上に辛辣な評価を受けることも珍しくありませんが、これがまた中々良く出来たリリース。ラガヴーリン蒸留所のポテンシャルの高さを、改めて感じることが出来ました。

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(アイラ島の巨人、ラガヴーリン蒸留所といえば、この外観。というぐらいに有名な1ショット。Photo by K.67)

今年のフェスボトルは、甘口の酒精強化ワインであるモスカテルワイン樽で後熟成感ダブルマチュアード。
正直イロモノ系かもしれないと警戒した部分もありましたが、テイスティングの 通りモスカテル由来の樽感は自然な範囲。過度に甘口やウッディネスに寄らず、フルーティーさや酸味が付与されていて、ラガヴーリンらしさ、原酒そのものの熟成感のほうが方がメインにある構成となっています。

恐らく使われた樽はモスカテルワインの中でもフレッシュなタイプか、あるいはリフィルの樽なのだと推察。モスカテルカスクといえば、ディアジオ系列ではカリラのディスティラリーエディションから毎年リリースされていますので、樽を融通したとすればカリラで使用された後の樽を使ったということかもしれません。
あるいは近年のカリラのモスカテルも、今回のようにあまりモスカテルモスカテルしていないというか、フレッシュな感じに仕上がる傾向が見られますので、そうした樽を入手するようにしているいのか。。。

またこうしたリリースにおいて感じるのは樽もさることながら、ベースの良さですね。
単に力強いだけでなく、厚みのある味わいが樽感を受け止めることで、バランスよく仕上がるのではないかと。ラガヴーリンが今も昔も、高い評価を受ける理由を感じることが出来ます。
話題のボトルということもあって、口開け、時間経過後と複数回飲みましたが何も美味しくテイスティングさせて頂きました。
通常リリースの16年とは樽構成は異なりますが、逆に飲み比べて見るとベースの良さが共通して分かりやすく、面白いと思います。