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MACPHAIL'S
PURE MALT SCOTCH WHISKY
Years 15 old
1990's
Grodon & Macphail
750ml 40%

グラス:木村硝子エールホワイトワイン
量:ハーフショット
場所:BAR飲み@Kitchen
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:ドライで濃厚な香り立ち。古酒感、黒砂糖を思わせる樽由来の甘みや、枝付きレーズンやドライイチジクの果実香にモルティーで華やかな熟成香も混じり充実している。

味:とろりとした口当たりからコクのある甘み、カラメル、ドライプルーン、キャラメルクッキーに軽い香ばしさを伴う麦芽風味。
余韻はドライでナッツ、キャラメルの甘みがやや張り付くように長く続く。

モルティーで華やか、あまりGMっぽくないナチュラルなオールドシェリー感が備わっており、酒質は麦芽系のしっかりとした香味。度数以上に飲みごたえも感じられる。おそらくマッカランではないかと思われるが。。。


GM社がリリースしているマクファイルシリーズ。最近は見なくなりましたが、一時期はこの角瓶で15年がリリースされていました。
今回のボトルはPURE MALT表記で750ml仕様ですから、カーデュー事件でスコッチ業界においてPure Malt表記が規制される前の1990年代のものと思われます。

2012〜3年頃までリリースされていたGMマクファイルシリーズに共通するのが、カラメルっぽいシェリー感というか、酒質由来の要素が塗りつぶされたそれ。蒸留所はマッカランと言うのがこのシリーズの世間的に知られる予想ですが、正直このカラメル系シェリー感で「よくわからん」と思ったのは自分だけではないはずです。
まあ他にもストラスアイラ、リンクウッド、モートラックなど様々なリリースが同様のシェリー感を纏っていたわけで、モノによってはGMとはわかるものの、蒸留所はこの辺のどれかとしか言えないものも少なくありませんでした。

今回のこの15年は、そうしたシェリー感は多少感じつつも、ナチュラルな樽感、モルティーな熟成感がしっかりあって、いつもなら「よくわからんが同じ味だしマッカランなんだろう」という消極的予想から、これは果たしてマッカランか?という能動的な思考がふつふつと沸いてくるのです。
ちなみに自分は「そう言ってもマッカランっぽさはあるな」と思いましたが、BAR Kitchenのマスターからは「リベットっぽいんだよなぁ」という予想も。
正解は果たしてどこに。少なくとも酒質とシェリー感のバランスが良く、飲んで美味いボトルであることは間違いありません。


ちなみにこの「GMシェリー」と自分が呼んでいる、一時期のGM社のボトルを中心に見られたカラメルソースのようなシェリー感ですが、近年急速それがGMの既存ブランドから消えてしまい、同社ラインナップは随分色が薄くなりました。 
この背景は明らかにされていませんが、自分はGMのリリース傾向と原酒の仕込み時期、現代のそれとは異なる塗りつぶされるようなシェリー感、現地で製造に関わった経験にある方の証言等から、1980年代後半に禁止されたというトリーテッドバット(パハレテ)の影響があるとみているのですが・・・これもまた真相は歴史の闇の中です。