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GLENDRONACH
EXCLUSIVERY BOTTLED FOR WHISKY-E,LTD JAPAN
Aged 22 years
Distilled 1993
Bottled 2016
Cask type Oloroso Sherry Punchon #1455
700ml 54.4%

グラス:サントリーテスティング
量:30ml
時期:不明
場所:BAR飲み@LIVET
暫定評価:★★★★★★(6)

香り: 華やかさと淡いシェリー感のある香り立ち。キャラメリゼ、オレンジママレード、ほのかにドライアプリコットを思わせる酸味。時間経過で麦芽を思わせるアロマも感じられる。

味: 少し硬さを感じる口当たり。ブラウンシュガー、オレンジやリンゴのカラメル煮、そして麦芽風味、バニラの甘み。ボディにしっかりとした厚みがあり、樽由来の香味から麦感が広がるよう。
余韻はドライで染み込むようなタンニン、ウッディネス。スパイスを思わせる香味、ほろ苦さが序盤の甘みと共に残る。

シェリー系のニュアンスだけでなく、麦芽風味やアメリカンホワイトオーク由来のフレーバーなど、バランス型の1本。ともすれば濃厚シェリーに振れがちなドロナックにあって、酒質由来のフレーバーまで楽しめる中々無いタイプともいえる。熟成感も程よく。加水するとまろやかな口当たりに麦感が強く出てこれもGOOD。


ここ数年リリースの多い1990年代のグレンドロナック。ドロナックは1996年から2002年まで蒸留を休止しているので、1990年代ビンテージは貴重になりつつあります。
その樽構成は、2002年の再稼動後はバーボン樽などもありますが、この90年代はほぼシェリー系のリリースで、それでいてシェリーはシェリーでも、アメリカンホワイトオークだけでなくスパニッシュオーク樽もあれば、オロロソではないPX、リフィルのような淡いタイプ・・・まあとにかく様々なリリースが行われています。
ただまあ、総じてシェリー感の濃いものが多いですね。

一部では1993はグレンドロナックの当たり年なんていう評価もあるくらいですが、樽次第で当たりもあればそうでもないものもあるため、個人的には玉石混合の時期だなと。
その93ドロナックの中にあって、今回の1本はテイスティングの通りバランス型のシェリー感に加え、酒質由来の風味が刺々しくなく丸みを帯び、嫌味少なくバランス良くまとまっている。
どシェリーこそドロナック的なイメージがありますが、そのシェリー感を支える酒質の部分に良さが見出せるこのボトルから得られる経験は、その他のドロナックリリースを飲む上でも良い経験になると感じました。

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さて、グレンドロナックつながりで、合わせてご紹介。
1993前後のビンテージは、直近ではWHISKY HOOPから1993と1994、それぞれキャラクターの異なるボトルが会員向けに同時にリリースされ、愛好家から注目を集めています。

22年のオロロソシェリーパンチョン#320はリフィルアメリカンオークシェリーという感じの樽感。
香りのシェリー感は淡く、ツンとスパイシーでハーブの香気と酸味が混じる爽やかなウッディネス、ポップコーンやビスケットの香ばしさ。味わいはとろりとしたブラウンシュガーの甘み、余韻はウッディーでドライなフィニッシュ。
今回のウィスクイー向けと同じくパンチョン樽で淡いシェリー感ですが、アタックはこちらの方が強く感じます。(っていうかパンチョンで736本ってどういうことやねんw)

そして23年のオロロソシェリーバット#826は・・・アメリカンホワイトオーク、それも結構な古樽という印象。
古酒感のある落ち着いたシェリー感で、とろりとリッチな甘みのある香り立ち。味わいはダークフルーツケーキのようで甘みの中にシロップ漬けのドライフルーツ、そして余韻にしたがって熟したフルーツ、ブランデーのような香味がドライな舌触りとあわせて広がっていきます。 

キャラクターの異なるこの2本、どちらを好むかは飲み手次第とは言え、わかりやすく美味しいのは23年。近年この手香味を持ったシェリー系ってリリース少ないですし、個人的には頭一つ抜けた完成度と感じます。

先に書いたように、グレンドロナックの1990年代はリリースが集中しているだけにいつ迄リリースされるかわかりません。
樽次第で玉石混合なのは否めませんが、言い換えれば先に書いたようにさまざまなキャラクターが魅力でもあり、 こうした飲み比べが出来るのも今だからこそですね。