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THE MACALLAN
Anniversary Malt
Aged 25 years
Distilled 1962
Bottled 1987
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
量:ハーフショット
場所:個人宅(KuMC)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:リッチでふくよかな香り立ち。若干古酒感のあるシェリー感、黒砂糖やチョコレート、枝付きレーズン、微かに湿った木の香り。黒砂糖系のニュアンスが強く、果実味よりもコニャックを思わせる甘みが強調されている。

味:とろんとした滑らかな口当たり。リッチな甘みはレーズンチョコレートと黒砂糖、くるみのようなほろ苦さ、タンニン、香り同様の構成。ボディは厚みがあり舌の上のコクが余韻にかけて長く感じられる。


1957年蒸留(1983年ボトリング)からリリースが始まったという、マッカランのアニバーサリーモルト。その1962年蒸留の1本です。
加水でもボディが残る、しっかりとした酒質とまろやかなコクのある口当たり。今のスタンダードスタイルとは異なる、オールドスタイルのシェリー感。そこにボトリング後25年強の経年が織りなすニュアンスも合わさって、お手本のような古酒系シェリー樽熟成のウイスキーに仕上がっています。

アニバーサリーモルトは1年毎にリリースが行われており、総じてマッカランのスタイルに忠実と言えるシェリー系の構成ですが、その年その年に微妙に、時に大きくスタイルが変わる場合があります。
例えば1962年はとろりとしたシェリー感でしたが、写真の1965年は色合いが淡く、ナッティーでバランス寄りな味わい。(フェイクではないようです。)
ではその後1966年や1967年蒸留のアニバーサリーモルトがどうかと言うと、過去の記憶を紐解けば、陶酔感もあってうっとりするようなシェリー感のモルトだった記憶があります。
1965年に樽か、1990年に原酒を確保できなかった理由があるのでしょうか。。。

以下、このウイスキーの本質的なところとはあまり関係がありませんが、小ネタとして。
芸能界の中でもウイスキー好きとして知られる福山雅治さん。福山さんがウイスキーにハマり始めた頃、既に弩級のウイスキー好きだったタモリさんに連れられて飲んだのが、マッカラン25年なのだそうです。
もっとも、25年は25年はでも、1962年ボトリングとのこと。あるとすればGM蒸留所ラベル時代の1937年蒸留の25年か。ボトリングと蒸留を言い間違えているなら、今回テイスティングしたマッカランか、クリスタルデキャンタあたり・・・ということになります。

どちらにしても、流石スゲーもん飲んでるなあという話ですが、タモリさんの哲学として「一番いいものから入ったほうがいい」というものがあり、そうすることで自分の中に基準ができて、選択の幅、様々な楽しみ方につながるとのこと。同意せざるを得ない考え方です。
これまでウイスキー分野における先人の皆様から、様々な機会を通じていいものを飲めと薦めてもらい、ご馳走になることも多々あるわけですが、間違いなく自分の中の基準というか、ウイスキーに対する受け取り方、幅は広がったと思います。

そうして今回のマッカラン1962&1965は、経験があったからこそ見えるものがあり、さらにいい経験を積ませてもらったと感じます。ありがとうございました!