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HIGHLAND QUEEN 1561
Aged 30 years
Traditional Cask Maturation
700ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:華やかでオーキー、軽やかで品の良い香り立ち。ドライアップルやナッツ、ビスケットを思わせる甘みと香ばしさ。徐々にスパイスを思わせるアロマ、微かに乾いた草っぽさを含んだウッディネス。

味:香り同様に華やかでドライな口当たり。皮むきアーモンドナッツ、乾いた麦芽、薄めた蜂蜜や砂糖をまぶしたオレンジピール。舌をコーティングする柔らかい甘み、スモーキーでピーティーなフレーバーがじわじわと開いてくる。 
余韻はスパイスが軽やかに口内を刺激し、ほろ苦いピートを伴うオーキーで華やかなフィニッシュ。

モルティーで嫌味の少ない、バランスの良いブレンデッドウイスキー。30年熟成らしくドライでライト、香味の余計なところはそぎ落とされているが、グレーンが効いているためか、フレーバーの繋がりが良く、モルトウイスキーとして飲んでも遜色のない仕上がり。
加水するとボディが薄くなり、バランスが崩れてしまうのでストレートで。


先日の持ち寄りブラインド大会で、「くりりんさんにはガチで飲んでもらいたいボトルがありますから」と、全ての回答が終わった後で、Jさんから出題されたエクストラステージ。 飲んでもらいたいボトルがあるって、本当に光栄です。
これは完全なブランドというより、キーモルトは何か→銘柄は何か、という流れで回答していたっため、最初の段階でブレンデッド系であることが指定されており、完全にブラインドというワケではありませんでした。
ただ、結果的には正解しているので、味わって感じたことと、中身のブレはあまりないものと思います。

まずノージングで思い浮かんだ銘柄がハイランドモルト、グレンモーレンジの18年。一口飲むと同18年ほど硬さが無く長期熟成の印象。余韻はピートフレーバーがじわじわと出てきて、これは良くできたウイスキーだなーと感じていたところにキーモルトを指定する最初のクエッション。
これがグレンモーレンジで正解なら銘柄はおのずと限られてきて、長期熟成をリリースしている銘柄となるとマジェスティ30年のあるハイランドクイーンになるわけです。
つい先日、ブラックな酒屋さんが、平行で入ってきた30年モノを「コスパ良好!」としてPRしていたので、後は邪推で銘柄までたどり着くことが出来ました(笑)。


ハイランドクイーン1561シリーズは、同銘柄のプレミア品であり、30年は同銘柄120周年(1893年に製造元が創業)を記念してリリースされた限定品とのこと。メーカー情報では、1982年蒸留のモルトウイスキーと、1978年、1979年蒸留のグレーンウイスキーが、モルト75%、グレーン25%でブレンドされ、シェリー樽で6ヶ月間のマリッジを経ているそうです。 
シェリー感はそれほど強くなく、アメリカンオークのフレーバーが強い構成で、ダンカンテイラーのロナックシリーズやハートブラザーズの長熟度数落ち系統のフレーバー。
1982年蒸留のモルト原酒にグレンモーレンジか含まれているかはメーカー情報からはわかりませんが、類似の特徴が感じられます。

通常、現行品のブレンデッドウイスキーはグレーンが6、モルトが4という構成が一般的であるところ、75%は相当リッチであり、クラシックな造りです。そのモルティーな構成は香味からも充分感じることが出来る一方、飲み疲れないブレンドらしいバランスの良さも魅力。
30年以上のモルト原酒のフレーバーを楽しめつつ、価格がミドルエイジクラスに収まっているのも嬉しい、ナイスリリースだと思います。