グレンギリー 22年 1993-2016 ディスティラリーコレクション 56.2%
Aged 22 years
Distilled 1993
Bottled 2016
700ml 56.2%
グラス:木村硝子テイスティング
場所:個人宅
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)(!)
味:とろりとした粘性のあるスパイシーな口当たりから、近年系トロピカル、オーキーなフルーティーさが強く開く。パイナップルや煮た林檎、香り同様の構成だが想定するより強く感じる。
余韻はややドライ、蜂蜜レモンの甘みとほのかにシナモン、乾いたウッディネスが長く残る。
バーボンオーク由来と思われるフルーティーさが色濃く出ている。ピートはそれほど感じない。開封直後は荒削り気味だが、樽の良さと相まって、いかにも近年のギリーという感じである。
最近リリースが増えた印象のある、1990年代以降のグレンギリー。
この時期のグレンギリーは、酒質の変化が大きい時期でもあり、パフューミーな1980年代から、オイリーで酸味を伴う癖があり、ピーティーな1990年代前半、1995年から1997年の休止後はノンピートで徐々にキレの良い酒質に・・・といった具合に、様々なキャラクターを楽しむことができます。
グレンギリーが最も評価されているビンテージは1970年代前半という印象はありますが、個性を楽しむという点では近年蒸留も捨てたものじゃなく、非常に魅力ある蒸留所です。
(グレンギリー蒸留所の再留器。同蒸留所は初留25000リットルに対し、再留11000リットルと2倍以上の差がある。Photo by T.Ishihara)
なかでも1993年から1995年のグレンギリーは、パフューム時代名残とも言える癖が抜けてきて、樽由来のフレーバーのノリと、スモーキーフレーバーのバランスが取れている。勿論樽さえ良ければですが、1990年代グレンギリーの中で最も美味しい時期だと感じます。
今回テイスティングしたグレンギリー1993は昨年のウイスキーフェスでテイスティングし、なかなか良いと感じていたボトルの一つ。
改めて飲んでも樽由来のフルーティーさが非常にはっきりとあり、開封直後はもちろん、しばらく時間を置けばややギスギスしたニュアンスもこなれ、さらに美味しくいただけるのではないかと思います。
また、ラベルもいい感じですね。このディスティラリーコレクションは総じてラベルのセンスが良いなと感じており、今回の雄鹿のイラストも、ギリーのエンブレムとマッチして雰囲気が出ています。
コメント
コメント一覧 (5)
コメントありがとうございます。
グレンギリー15年というと、トールボトルでシカのイラストが書かれているボトルでしょうか。
今から10年くらい前に流通していたもので、この頃のグレンギリーのオフィシャルボトルはライトで草っぽいハイランドらしいキャラクターですが、所謂パフューム香と言われるソーピーで石鹸や香水のようなフレーバーがあり好みが分かれます。
まずはBAR飲みでそういったフレーバーがあるものを試されて、気にいるようであれば試して見てもいいかもしれません。
また、同様の価格帯でグレンギリー同様のハイランドスタイル、かつアルコール感のあまりなく甘いウイスキーを選ぶなら、グレンカダム15年なんてクリーミーで甘く華やかで美味しいですね。柔らかい飲み口のものだと、ダルウィニー・ウィンターズゴールドは、ストレートで抵抗なく飲めて、バニラや麦芽の甘みが優しく広がってきます。
また、甘さを求めるならウイスキーから離れてコニャックやカルヴァドスに手を出して見るのも一案です。
何かわからないことがありましたら、私でよければいつでも質問してください。
今後ともよろしくお願いします。
そうですかソーピーですか。私はウイスキー歴が浅く、くりりんさんのブログに出てくるソーピーというものにあたったことがなく逆に気になります。グレンギリーはオフィシャルの12年を山崎蒸留所で有料試飲をしたことしかありません。印象は花のような香りとトーストっぽい焦げた感じ、アルコール感はあるもののストレートで飲みやすく気に入った覚えがあります。おそらく近年ものにソーピーさがないのであれば花の香りとソーピーさは違うのですね。
ソーピーなるものを知ればくりりんさんのブログをより理解できると逆に興味が増しました。売れてしまう前にちょっと買ってきます。グレンカダムは現行品の様なのですみません後回しです。そのお店には他ではあまり見かけないアランのヴィンテージ表示のないノンチルフィルタードなどちょっと古いお酒があって見てるだけでも楽しめます。
なるほど香水というか化粧石鹸というか人工的な印象のある香りが前に出ますね。
これがソーピーですか。好き嫌いがありそうですね。
ただウィスクの方は盛大にソーピーなのですがサントリーの方はそうでもない印象。
並行品か正規品の差なのか時期が違うのかわかりませんが。
勢いで2本買い、勢いで2本飲み比べになりました。勉強になりました。
ウイスキーは面白いですね。また教えてください。
ありがとうございました。
3000円半ばですか、それは今の市場価格で考えたら安いですね。おそらく当時価格がそのまま残っていたのだと思います。
とはいっても、サントリーとウィックでフレーバーの違いがあった、ということまで検証された2本同時に購入&開封、その行動力に脱帽です。おそらくサントリーのほうがボトリングが近年寄りで、ウィックのほうが古いのでしょう。
グレンギリーのパフュームは1980年代頃に蒸留された原酒に出ていたようで、1990年ごろには消えています。
蒸留時の廃熱、ポットスチルの汚れ、原因は定かではありませんが、近年このパフュームフレーバーは好まない人の多さから、蒸留所側も撲滅に動いているようで、現行のスタンダード品の中ではあまり見なくなってきました。
お口にあわなかったかもしれませんが、勉強と言う意味では良い買い物ではないかと思います。
そんなわけで、ウイスキーのフレーバーは非常に多様なモノがあって、とても麦から作ったと思えない仕上がりになるのが魅力の一つだと思っています。
今後のウイスキーライフで、当ブログが役立ちましたら幸いです。